J2視覚化計画2023〈第15節〉
今節はJ1からJ3まで「Jリーグ30周年」を記念したカードが組まれたアニバーサリー週。そこで今季J2に所属するチームを「J参入年代順」にまとめてみたよ。(アナリストの皆さんはお休み)
東京Vは当時は「ヴェルディ川崎」。ホームスタジアムは等々力陸上競技場(→2001年味の素スタジアムに移転/神奈川県→東京都)で、2019年にはエンブレムも変わり、2021年にはクラブマスコットもヴェルディ君→リヴェルンに代替わりした。正式なチーム名は「東京ヴェルディ1969」。Jリーグ初代年間王者だが、経営母体の撤退メインスポンサーが変わりながら、2009年からずっとJ2で戦う長老パイセン。
千葉は当時は「ジェフユナイテッド市原」。ホームスタジアムは市原臨海競技場(→フクダ電子アリーナに移転/市原市→千葉市)。正式なチーム名は現在も「ジェフユナイテッド市原・千葉」の模様であるが、「市原・」の部分はJ公式でも略されている。2010年からJ2に居続ける偉大なるパイセン。なお、1度も昇格したことがない。
清水は当時からチーム名もスタジアムも変わらないが、途中で市民クラブからスポンサー企業型へと経営形態が変わった。2020年にはエンブレムやチームロゴを一新。J2には2016年にうっかり来たが、すぐJ1に帰った。そして今季、再びうっかりJ2に来ている。
磐田は平塚(現・湘南)とともに「Jに初めて昇格」してきたチーム。チーム名もホームスタジアムもエンブレムも変わらず。胸スポンサーは時々変わったこともあった。Jリーグ黄金時代を担うなど栄華を誇ったが、2014年にうっかりJ2にこんにちは。2020~21年にもJ2で過ごし、今季再びJ2を訪問中。
仙台はチーム名、スタジアム、エンブレム等、参入時のまま。参入前は「ブランメル仙台」という名だったが商標権の関係でポシャった。当時は胸スポンサーから「カニ」「蟹」などという俗称もあった。ここもいろいろあって途中でチームの経営形態が変化ている。J1に上がったりJ2に下がったりで、昨季またJ2に戻ってきた。
山形もチーム名、スタジアムは当時と同じだが、2022年にエンブレムを変更。スタジアムは新スタ計画が具体化している(同じ公園内)。チーム名を「月山山形」に変更するという案は10年早かったかもしれない。2009~11、2016年にJ1を経験するも、実はJ2最多勝利数を誇る真のJ2マスターパイセン。
大宮もチーム名、スタジアム、エンブレム等参入時と同じ。2007年以前のスタジアム名は「さいたま市大宮公園サッカー場」で、2006年に全面改修。将来的には公園内に整備し直し案もある。途中J1に長めにいたが、降格→昇格繰り返しながら2018年からはJ2が定位置に。元お金持ちのパイセン。
甲府はチーム名、スタジアム、エンブレム等変更なし。地方都市の市民クラブのさきがけのひとつ。2005年の入れ替え戦のバレーの衝撃による初昇格時はJ2の語り草。何度かJ1を行き来しながら、2018年からJ2にいるが、昨季J2勢初めて天皇杯を制覇したジャイキリパイセン。ところで小瀬での新スタ構想は立ち消えたのかしら?
大分は参入当時のホームは大分市営陸上競技場。2001年から大分スポーツ公園総合競技場(現レゾナックドーム)を本拠地に。エンブレムも途中で代わってるし、何度も経営問題表面化してメインスポンサーも転変。溝はt…うわなにをするくぁwせdrftgyふじこlp。J1からJ3までを行き来しつつ、昨季J2に戻ってきた経営問題マスターのパイセン。
水戸はチーム名やエンブレムは変わらないが、ホームスタジアムは水戸市立競技場(現・ケーズデンキスタジアム水戸:Ksスタ)→笠松運動公園陸上競技場→Ksスタと変遷。最も変わらないのは、ずっとJ2に居続けているということ。今節で1000試合を達成したJ2最長在籍クラブ。真のJ2のパイセン。いや、J2のアニキ。J2の新入りは挨拶に行かねばならない。
群馬は、参入時は「ザスパ草津」の名称で大きな話題になった。2013年に現在のチーム名に変更。エンブレム内の文字だけ変わった。スタジアムはずっと同じ。再びチーム名の変更やエンブレム、マスコット「湯友」を含めたリブランディングが検討されているとか。2018~19年はJ3で戦い、2020年にJ2に復帰した。今季、現在まで結構好調で、昇格も狙える…かも。
徳島は参入時からチーム名、スタジアム、エンブレム、親会社等そのままで、胸スポンサーも継続中。四国初のJクラブのプライドはゆるがない。2014年に四国初のJ1昇格を果たす。まだ徳島だけだけど。すぐに戻ってきたが、2021年に再昇格。と思ったら2022年からまたJ2。四国勢にとっては永遠のパイセン。
熊本はチーム名、エンブレム、スタジアム等は変わってないが、参入前までは「ロッソ熊本」を名乗っていた。商標面で泣く泣く阿蘇を入れる形で変更。なお、スタジアム名はかつては「KKウイング」と呼ばれていた。2016年には熊本地震に見舞われるも踏ん張った。しかし2019~21年はJ3へ。2022年からJ2で戦っている。ここらへんからはパイセン感が薄くなる。
栃木もチーム名、エンブレムなど参入時から変わらないが、ホームスタジアムは昨年できた国体用のスタジアム「カンセキスタジアムとちぎ」をメインで使っている。栃木県グリーンスタジアムの方が栃木らしさを感じるのだが…。2016~17年はJ3で戦い、2018年からJ2に残留し続けている。北関東3クラブの中では一番の新入りだが、県内にはJを目指す後輩・栃木シティFCがいる。
岡山はチーム名とスタジアムは参入時のままだが、2018年にエンブレムとチームロゴを一新した。ホームスタジアムの名称は「カンスタ」→「Cスタ」と変わってきたが、かつて「桃太郎スタジアム」と呼ばれていた時期がある。現在木村オーナーが新スタジアム構想を具体化させようとしているが、そのためにも昇格争いが何よりのきびだんごになる。
町田は参入時からチーム名、スタジアム、ロゴ等変わっていないが、2019年にサイバーエージェントが親会社に。チーム名を「FC町田トウキョウ」に変更されかけたが、撤回された。J2参入翌年の2013年にはJFLに降格。J2からJFLに降格した唯一のクラブ(になるはず)。2016年にJ2に復帰し、前述のオーナー交代となった。その資金力は俗に「サイバーマネー」と呼ばれる。今節も“オリ10”の東京Vに勝って、首位キープ。今季こそJ1昇格なるだろうか。
長崎も参入時からチーム名、スタジアム、エンブレム等は一緒。参入前からヴィヴィくんは人気者だった。こちらも途中でオーナー交代があり、2017年からはジャパネットが親会社に。J参入1年目でプレーオフに出た「元祖サプライズ昇格組」。2018年にはJ1昇格を果たし、髙田明氏の「サッカーには夢がある」は日本流行語大賞に輝いた。2019年から再びJ2。2024年秋には最新鋭の専スタ「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」が完成する。
金沢はチーム名、スタジアム、エンブレム等は参入時から変わらないが、来年からは本拠地を石川県西部緑地公園陸上競技場から新設の金沢スタジアムに移す予定。2016年にはJ3との入替戦のピンチもあったが、残留を続けている。2019年にマスコットの変身体「ゲンゾイヤー」と悪の化身「ヤサガラス」を生み出す。あと、柳下監督体制が2017年から続いているのも何気に凄い。なお、もし今季昇格した場合、新スタジアムはJ1では使えない。
山口は参入時からチーム名、スタジアム、エンブレム等はずっと同じ。しかし参入以前に使われていた旧エンブレムは国内サッカー史に残る傑作。
参入初年度から攻撃サッカーを掲げ、旋風を巻き起こした。2020年には最下位に沈んだが、降格なしのレギュレーションで残留。今季は14節終了後に名塚監督を解任。早くも残留と向き合っている。諸君、狂いたまえ。
秋田も参入時からチーム名、スタジアム、エンブレム等は変わらず。2年前の話なので、そりゃそうだ。2017年にJ3で優勝したものの、J2ライセンスがなく、昇格が叶わなかった経緯もある。J2参入時からはずっと吉田謙監督で、スローガンはずっと「秋田一体」(超とかシンとか、年々進化しているが)。現在のJ2を語る上で欠かせないキャラの濃いチームである。
今季から参入してきたニューフェイス。J2での歴史はまだともに15試合だが、「パワー&筋肉」のいわき、「超攻撃的エンターテインメントサッカー」の藤枝と既に強烈な印象を残す。10年後、20年後、この2チームも先輩風を吹かせているのだろうか。どんなチームでもそうだが、歩む道程がそのまま歴史になっていく。新規参入チームには未来しかない。J2箱推しとしては、「この子はどんなふうに成長するのかな」という親目線で見てみたり。だってヴェルディや千葉とは、30歳違うのだから。