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J2視覚化計画2023〈第24節〉
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◎今節のアナリスト◎荘家久 まどか
そろそろ梅雨の終わりに差し掛かり、まもなく本格的な夏がはじまろうとしています。大きな豪雨災害など起こりやすいのも梅雨と盛夏の狭間のこの季節。既に大雨の被害が発生した地域の方々にお見舞い申し上げます。全国どこで起こるかもわかりません。皆さま、どうぞご注意ください。
さて、真夏がいつから始まり、いつまでが猛暑の盛りかという定義はありません。年度によっても地域によっても真夏の時期は異なると思いますが、概ね梅雨明けの7月上旬~9月下旬になるでしょうか。ひと昔前は9月は秋とも捉えられていましたが、現在は気候変動の影響でしょうか、真夏が続く月になった気がします。
7月に入り、J2リーグも夏の盛りの開催期間を迎えます。9月末までどれくらいゲームがあるのかと言いますと、今シーズンは第23節が7月1~2日で、第37節が9月30日~10月1日。この間が真夏のJ2開催で、試合数的には(今節・第24節起点に数えて)14節。14ゲームというのはちょうど全体の1/3の試合数になります。
「昇格争いは真夏が勝負」などと申します。もちろん、秋も大切かと思いますが、今シーズンにあてはめれば秋(10月以降)の試合数は第38節以降最終節までの5試合だけということになりますので、やはり夏のウエイトは大きいということになります。
昨シーズンも、今シーズンとほぼ同じ日程感でした。7月6日のミッドウィーク開催が第25節で、9月の最終週(24~25日)が第38節。その期間で14試合を開催しています。真夏の始まり(第24節終了時)→真夏の終わり(第38節終了時)で各クラブがどれだけ勝点を動かしたか、「真夏の勝点推移」を表にして見てみましょう。
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真夏の期間の14試合で稼いだ勝点を見てみますと、「昇格争いは真夏が勝負」の言葉通りになっていますね。自動昇格組は25ポイント以上を積み上げたのに対し、真夏の入り口ではまだ“3強”の一角を形成していたベガルタ仙台は15ポイントにとどまっています。
それ以上に勝点を積み上げているのがプレーオフ進出勢です。ファジアーノ岡山は再試合を加えた15試合ですが、驚異の33ポイントを積み上げて2位をうかがう3位まで浮上。ロアッソ熊本は30ポイント、大分トリニータは25ポイント、モンテディオ山形は23ポイント(全体の消化試合数は1試合少。試合数は14試合)と自動昇格勢と遜色ない勝点を積み上げました。プレーオフを逃したチームとの真夏の勝点差は一目瞭然ですね。昨シーズンを見れば「プレーオフ争いは真夏が勝負」と言えそうです。
ほかで目に付くところでは、徳島ヴォルディスが22ポイントを積み上げ、最後までプレーオフ争い絡む位置まで浮上しました。引き分け続きだった「チーム・ポヤトス」がようやく勝点3を取れるようになったのも真夏からでしたね。遅咲きながら戦術的に本格化するチーム、今シーズンも現れるのでしょうか。
一方、下位の方もこの期間の勝点が“残留”に大きく影響したことがうかがえます。真夏の入り口のところで降格圏にいた大宮アルディージャはこの期間16ポイント(←1試合少ない13試合)を積み上げました。ザスパクサツ群馬は14試合で13ポイントとやや苦しい状況でしたが、いわてグルージャ盛岡がわずか7ポイントしか取れなかったため、状況は一変。
最下位のFC琉球は「サダムスレイ選手のブレイク」などもあって16ポイントを挙げていますが、それまでに積み上げた勝点が少なすぎたため、追い込みきれませんでしたね。
こうして見ますと、真夏の14試合で下位チームが積み上げられる勝点がどれくらいなのか、わかりやすいと思います。残留争いの場合では「真夏に失速をしないこと」が大切です。試合数×1の14ポイントを下回ってくると要注意ですね。
真夏の土用丑の日には黒い食べ物を食べるとよい、という俗説があるそうですが、真夏に黒星を食べすぎるとおなかをこわしてしまいます。どうぞ御自愛ください。
あの夏のアイスクリーム
バニラかチョコか
黒を選びし 君ぞかなしき (まどか)
荘家久 まどか(しょうかく・まどか)
1996年島根県生まれ。報われない者がもがく文学作品をこよなく愛す。陽キャは苦手。座右の銘は「犬が2部向きゃ尾は1部。昇格まだか?」