Googleマップで旅するJリーグ〈J3編〉

「旅に出られないなら、Googleマップで旅すればいいじゃない」―地図を開くと、そこには見知らぬ土地がある。目を閉じて想像力を働かせなくても、ストリートビューに切り替えればその町の風景が見えてきてしまう。なんていい世の中だ。お家にいながらJクラブの本社でも見に行ってみようか…そんな軽い気持ちで始めた #Googleマップで旅するJリーグ 。せっかくなのでリーグごとにクラブ所在地の風景をまとめてみよう。(※Jリーグに登録しているクラブ所在地の住所)

ヴァンラーレ八戸

画像1

青森県八戸市南郷区大字市野沢字市野沢35

この風貌!まるで藤子不二雄先生が描く「家」そのものじゃないか。クラブを運営しているNPO法人の事務所で、八戸市内中心部からはかなり離れている。近所にはクラブの前身のひとつ南郷FCが本拠地としていた南郷陸上競技場がある。クラブのHPに 855人の大観衆で埋まる南郷陸上競技場 という記事があり、味わい深い。855人の大観衆…。

いわてグルージャ盛岡

画像2

岩手県盛岡市飯岡新田6-14-4 2F

まさかのラーメン屋の2階!ストリートビューの撮影時期は2017年7月と古めで、クラブが新会社になる前だが、このラーメン屋のホームページは存在しており、 グルージャ盛岡を全力応援! とのこと。クラブの公式Facebookによれば「キヅールをイメージしたつけめん」もあったようだ…。ただし、2018年の話なので情報が古い。ロケーションは地方の県庁所在地の郊外の田舎風景といったところ。

ブラウブリッツ秋田

画像3

秋田県秋田市山王3-1-7 東カンビル1F

事務所が面している道路は、竿燈祭りの会場ともなる「山王大通り」で、秋田駅から→藩政時代の城跡→(事務所前)→秋田市役所&秋田県庁→あきぎんスタジアムとソユースタジアムのある八橋運動公園へと至る政治のメインストリートにある。地方クラブながら県庁所在地の一等地にチームロゴを掲げたたたずまいは堂々としたもの。

福島ユナイテッドFC

画像4

福島県福島市飯坂町字筑前7‐1

全クラブの所在地の中で、一番現地に行ってみたいと思ったのがここ。ストリートビューを開いた瞬間、思わず「ああっ…!」と声が出たもん。寄ってみると建物には「福島ガス株式会社飯坂営業所」という表示が複数残っており、その前身のレトロな歴史にまで思いを馳せられる。南にちょっと歩くと飯坂温泉の共同浴場があり、そのあたりから坂の向こうに平野部が見渡せる風景もいい。つまりちょっと高台にある。西日本の人間にはあまり馴染みがないが、飯坂温泉いつか行ってみたい。

Y.S.C.C.横浜

画像5

神奈川県横浜市中区本牧埠頭3 USSインターナショナル内

横浜に3つあるクラブの中で、一番横浜らしいロケーション(個人的な感想)。本牧は戦後米軍に接取されていた場所で、その雰囲気は似たような歴史を辿った沖縄っぽさも感じる。USSインターナショナル自体もいろいろと歴史があるようで(これは割愛)。ストリートビューで見ると、道路がとにかくコンテナだらけ。海側に行けばコンテナが山のように積まれてた。あと、とにかく天気が最高。

SC相模原

画像6

神奈川県相模原市中央区相模原5-1-19

相模原の駅前からほど近い場所の路面にクラブロゴとエンブレムを掲げる堂々たるたたずまい。地図をみると駅南口から放射状(扇型)に区画整理された街の姿が特徴的で、これは昭和の戦前に旧日本陸軍が軍事的に整備した名残だとか。駅の北側は相模陸軍造兵廠→在日米軍補給基地となり、返還地には新スタジアム構想が浮上している。

AC長野パルセイロ

画像7

長野県長野市屋島3300

クラブが所在する建物は千曲川リバーフロントスポーツガーデン。道路を挟んで向かい側の千曲川の河川敷に練習グラウンドがあるが、2019年、悪夢のような台風19号による水没の被害に見舞われ、2020年4月現在も未だ使用できないとのこと。災害はまだ終わっていない。クラブトラックの向こうに見える特徴的な姿の山は有名な飯縄山。雑な説明をすれば、忍者がいた山。気になる人は「飯縄権現」で検索してみよう。

カターレ富山

画像8

富山県富山市南中田368番地 富山県総合運動公園陸上競技場内

ホームスタジアムがクラブ所在地のパターンは何チームかあるが、J3では富山と鳥取だけ。富山の市街地中心部からは果てしなく郊外だが、運動公園の入口近くには富山名物の「ますのすしミュージアム」がある。神通川を渡って南西に足を伸ばせば「おわら風の盆」で有名な越中八尾の町。高台の上に形成された古い町並みは、ストリートビューでも楽しい。

藤枝MYFC

画像9

静岡県藤枝市高柳2162-1

藤枝駅より西焼津駅に近く、東海道本線と東海道新幹線の線路の間の工場密集地帯に立地。道路の向かい側には住友ベークライト静岡工場の巨大な敷地。ちなみに住友ベークライトはスポンサーでもあるらしい。東海道本線の北側には、みんな大好きさわやか藤枝築地店もある。さらに北側、瀬戸川を越えると同心円状の街区がある。大変珍しい円郭式縄張の田中城跡である。

画像17


アスルクラロ沼津

画像10

静岡県沼津市西熊堂711-1

長野と同じく、練習グラウンドがクラブ所在地パターン。山系の田舎風景だが、一応東名沼津インターは近い(アクセスがいいとは言っていない)。この道路を北にずずずいっと進めば運転免許センターがあり、その先には本拠地のスタジアムがある愛鷹広域公園。そのまま道を進めば、愛鷹山の中腹まで行ける…らしい。ちょうど富士山を挟んで等距離くらいに山梨中銀スタジアムがあるので、真の富士山ダービーは甲府vs沼津なのではなかろうか。

FC岐阜

画像11

岐阜県岐阜市長良福光青襖2070-7 岐阜県長良川スポーツプラザ1F

県の公共スポーツ施設をクラブ所在地にしているパターン。照明は球技場の長良川球技メドウ。本拠地の長良川競技場も歩いて5分ほどと、岐阜県のスポーツの中心地である。建物の向こうに見える山は、岐阜の象徴・金華山。つまり斎藤道三の稲葉山城、織田信長の岐阜城だ。戦国時代は長良川の流路が現在のスタジアム近くを通っていたとされ、道三が討死した場所も近いと推測される。付近には道三を祀る「道三塚」も。歴史ファンならこの一帯から鷺山まで歩いてみたい。

ガイナーレ鳥取

画像12

鳥取県米子市安部1-1

サブの本拠地・チュウブYAJINスタジアムがクラブ所在地。鳥取県は大きく因幡と伯耆の2エリアに分かれているが、米子は旧伯耆国。地図をズームアウトしていけば、横長の県域の西の端だとわかる。もうひとつの本拠地・Axisバードスタジアム(鳥取市)は県の東の端。特殊な地理条件の中でクラブ運営していく苦労がマップを眺めているだけでも想像できるのである。

カマタマーレ讃岐

画像13

香川県高松市西春日町1059-13

青空によく映える白い建物がクラブの本社。鉄道の駅からは遠く、車がないと辿り着けそうにない。この道路の向かい側(北側)には石清尾山古墳群という古墳群がある。そのうちの猫塚古墳は「双方中円墳」という特殊な形らしい。ちなみにマップ内で「うどん」を検索すると、さぬき麺業松並店、村上製麺所の2店舗がヒットした。

FC今治

画像14

愛媛県今治市延喜甲604-1

ただの古民家!でもサッカー界ではFC今治の古民家事務所の件は結構有名な話で、2017年に岡田武史オーナーが老夫婦から古民家を譲り受けて500万円くらいで改修したらしい。事務所にしろスタジアムにしろ、ハンドメイド感あふれるのはこのクラブの信念そのもの。海からも遠く、周囲には何もないただの田舎風景だが、四国八十八ヶ所霊場第54番札所・延命寺がまあまあ近い。

ロアッソ熊本

画像15

熊本県熊本市中央区神水2丁目10-10 片岡ビル

国道57号線(熊本環状道路)沿いのモダンなビルにクラブエンブレムが掲げられてかっこいい。すぐ西側には熊本県庁、その西に水前寺公園、北には水前寺陸上競技場というある意味県の中枢エリアだが、地方都市なので都会感はさほどでもない。むしろだだっ広い。ちなみに棟続きになっているビルの奥側の方が古い感じの造りで、建築物としても面白そうだ。

鹿児島ユナイテッドFC

画像16

鹿児島県鹿児島市鴨池新町39-11

鴨池は鴨池でも、白波スタジアムの方ではなくて鴨池球技場の向かい側の住宅地に事務所を構える。写真では大いに洗車をしてるのかと思ったが、掃除のあとに水を流してる説が有力。ところで地図を眺めていると、この事務所から白波スタジアム方面にかけて、ちょっと変わった区画になっていることが気になった。調べてみると、かつての「鴨池空港」の滑走路の痕跡なのだとか。空港移転後、県庁やオフィスビル、高層マンションが作られたそうな。やっぱり地図を眺めるのは面白い。

画像18


いいなと思ったら応援しよう!