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J2視覚化計画2023〈第17節〉
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◎今節のアナリスト◎富嶺 織布音
みなさま、ごきげんよう。
全世界が注目する首脳会議が広島で開かれている裏で、町田GIONスタジアムではゼルンスキーとパルデン…もとい、ゼルビアvsエスパルスという全J2ファンが固唾をのんで見守る頂上決戦、GION17サミット首脳会戦が行われましたわ。
ゲームはやはりJ2屈指を誇る清水の攻撃力と町田の守備強度がぶつかり合いましたわね。おそらく相手が他のJ2チームならば、清水が繰り出す攻撃はほとんどシュートまで持っていけてたと思いますの。ですが町田は、寄せの速さで摘み取ったり、しっかりシュートコースに入ってブロックしたり。
そして、先制したのは町田。縦へのロングボールと言ってしまえば簡単ですが、ワンチャンスに対する集中力の高さが詰まったシーンだったと思いますわ。エリキ選手が潰れたところに現れ、ゴールをかっさらった平河悠選手はさながら突風のようでした。
しかし清水も負けじと9分後に同点に。こちらは町田に負傷退場があって1人少ない時間帯でしたわ。町田のカウンターをカウンターで返したところで、乾貴士選手が相手を引き付けて出したラストパスがとにかく極上ですの。ちょっと欧州の風が吹いた気がしましたわ。
後半になるとだんだん清水が町田のプレスにも慣れ、連続してパスを回せる時間もありましたわね。ゲームがカウンターの応酬、切り替え勝負になってきたところで、黒田剛監督はエリキ選手とデューク選手を下げて、前線にフレッシュな選手を投入。これで運動量が蘇りましたわ。町田のシュートが何度もポストを直撃し、運を持ってらっしゃるのは清水の方かと思いきや、アディショナルタイムのラストプレーでチャンミンギュ選手が劇的ゴール。こちらは清水の繋ぎのパスを稲葉修士選手が奪い取ったところからでした。町田は最後まで球際の強度、プレーの連続性、それらを途切れさせないための采配で上回っていましたわね。
J2を席巻していた清水の破壊的な攻撃力を、球際の寄せやプレー強度で止められると証明してみせたことは、今後のJ2においても大きな結果になったと思いますの。事前に「町田の攻略の仕方を見せたい」と息巻いていた秋葉監督でしたが、逆に清水の攻略の仕方を見せられてしまったのかもしれませんわね。J2の頂点を争うJ2サミット、今後も町田が絡むカードになりそうですわ。
富嶺 織布音(ぷれい・おふね)
1983年福井県生まれ。マスコットを入口にJリーグに興味を抱き、いつのまにやらJ2箱推し。好きな卵料理はプレーンオムレツ。座右の銘は「プレーオフは豪華なおまけ」。