派遣社員から正社員になる方法や、正社員として働ける派遣について解説
派遣で働く方の中には、派遣先で正社員としてのゆくゆくの雇用契約を望んでいるが、ハードルが高いのではないだろうか。派遣社員として働くのが理想的だけど、派遣先との契約期間が切れて次の派遣先が見つからなかった場合の不安がある。そういった考えを持っている方もいると思います。
そこで今回は、派遣から正社員になる方法や、あまり知られていない、正社員として働ける派遣についてご紹介していきます。
派遣社員と正社員の違い
派遣は、派遣元の会社と雇用契約を結び、あらかじめ決められた雇用期間を派遣先で働く有期雇用がほとんどです。派遣元へ寄せられた派遣企業の中から、仕事内容や勤務日数、勤務地などの条件から仕事を選ぶことができます。未経験の方が、専門的な知識や技術を求められる企業への就業を希望していても、正社員や中途では難しい場合が多いです。それに比べ、派遣社員であると就業の機会を得やすく、経験を積みやすいです。基本的には与えられた業務外の仕事を担うことはなく、責任や過度なプレッシャーを背負うことなく、精神的に安定した状態で仕事を進めることができます。
正社員は、派遣社員とは違い、雇用期間が定められていません。自らが退職したり、会社が倒産するなどがなければ、基本的に定年まで安定して働けます。毎月の収入が一定保障されていることに加え、ボーナスや退職金手当が設けられている企業が一般的です。また、社会保険や交通費、住宅手当、特別休暇、育児手当、家族手当など、企業によって独自に定めているさまざまな福利厚生を受けることができます。
派遣社員ではキャリアアップが見込めないといった印象もありますが、2015年9月の派遣法改正に伴い、派遣社員に対するキャリアアップ支援が義務付けられたため、派遣社員であっても、以前よりキャリアを積める環境が設けられています。
派遣社員から正社員になるためには
現在は派遣社員として働いていても、正社員を目指してで安定した収入を得たい。派遣した会社で正社員として働いてみたいとう方もいるでしょう。派遣社員から正社員になることは可能です。では、具体的にどのような方法があるのかをピックアップします。
正社員登用制度を利用する
正社員登用制度とは、派遣やアルバイト、パートから正社員に登用する制度のことです。働いている派遣先に正社員登用制度がある場合は、その就業内容や給与、仕事内容、福利厚生など、詳細を確認しておきましょう。派遣会社に相談して、正社員としての雇用を企業へ交渉してもらうことも一つの方法です。
ただし、人件費を抑えるために派遣という雇用形態を望む企業も存在します。派遣でも正社員と仕事内容がさほど変わらないためなど、理由はさまざまです。こういった企業は派遣から正社員へ登用の前例がなく、雇用契約は難しいと言えます。
紹介予定派遣で勤務する
紹介予定派遣とは、正社員や契約社員への雇用を前提として、事前に最長6ヶ月派遣期間を儲け、派遣社員として働く雇用システムです。
一定期間派遣社員として働くので、企業の雰囲気や業務内容、正社員や契約社員へ直接雇用した際のミスマッチが起きにくくなり、「本当にこの会社で働きたいか」を見極めることができます。また、企業側も、勤務態度や性格、コミュニケーション能力や向上心など把握でき、「本当に雇いたいか」を見極めます。二方の意思確認のもと、正社員として安心して正式採用できます。
正社員として働ける派遣について
派遣のイメージとして、雇用期間で働く「登録型派遣」が一般的ですが、派遣会社の正社員として働ける派遣をご紹介します。
常用型派遣
常用型派遣とは、派遣会社の正社員として常時雇用され、企業へ派遣する派遣の形態です。企業との就業期間が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続します。すぐに次の派遣先が見つからない場合でも給与が保証されます。
常用型派遣には主に2つの働き方があります。
正社員型派遣
正社員型派遣のスタッフになると、派遣会社での雇用期間が定年まで保証されます。そのため、雇用が安定し、定年までの給与が保障されます。正社員としての職歴も身につけることができるため、将来的に転職や事業の正社員を希望した時もキャリアアップを望めるでしょう。
無期雇用派遣
無期雇用派遣のスタッフになると、同じ派遣会社で3年以上働くことができます。長期的な就業が出来るため、専門知識を身につけたり、キャリアアップやスキルアップが大きく期待できます。また、昇給制度や賞与制度があることも主なメリットです。
まとめ
このように、派遣にはさまざまな種類があります。特に常用型派遣はまだ認知の少ない派遣形態ではないでしょうか。派遣社員として、将来的なキャリアアップもイメージしていたものより期待できそうです。
業務内容をある程度絞らなければ、たくさんの経験を積めるのも派遣社員の良いところです。自分のやりたい仕事が分からない。見つからない。という方がいれば、数々の企業を経験して、正社員として働きたい企業を見つけるのも一つの方法です。
派遣社員で働くにも正社員で働くのにも、正社員として働く派遣にも、メリットがあればデメリットもあります。是非自分に合った働き方やライフスタイルを見つけてください。