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共同親権導入に伴う父母の尊重協力とは?(高葛藤ケース別居親の場合)

先日、親子ネットさんの講演会で登壇させていただきました。リアル参加オンライン参加含め200名もの参加者がいらっしゃったとのこと。関心深さの表れですね。

親子ネットさんというと「子どもに会えない別居親」が集う団体で、なにやら攻撃的な方が多いという印象を持たれている方も多いかもしれないのですが、不要な争いを避けて父母の関係再構築しながら円滑な共同養育をしていこうというベクトルは、りむすびと親和性がある部分もあります。

今回は共同親権導入前にできることとして「父母の尊重協力」にフォーカスして話してほしいとご依頼をいただいたので、りむすび大大大大大得意分野ですのでふたつ返事でお受けしました。

法的な見解の述べられる弁護士さんに対して、相手との関わり方や自分自身の心得などEQに寄せた尊重協力のコツをしばはしからお話させていただきましたので、内容の一部をざっくりシェアします。

まずは同居親別居親それぞれの尊重協力とは、簡単に言うとコチラ。
そう、高葛藤ケースでは同居親別居親それぞれやることが違うと考えます。

上記スライドを見ると、つい相手の粗探しをしてしまいそう。
それでは今回の講義20分の吸収率が駄々下がりするので、相手のことじゃなくて自分ができているか?にフォーカスしてねと前置きしたうえで

今回は別居親さん向けなのでコチラの問いをなげかけました。

さあ、どうでしょう。相手にとって共同養育しやすい相手に自分がなれているか?
同居親はなれてないじゃないか!と相手に矛先を向けるのではなく自分自身がどうかを考えてみるのがポイント。結構苦しい作業でもあります。


悪化する言動
このスライドは一番ザワザワしたかもしれません。あくまでりむすびが支援をとおして確信をもっていえることです。

快方に向かうコツの一部。急がば回れ。この作業を丁寧に行っている方が悪化しない傾向に。

以上、資料の一部のご紹介でしたが、ひとつひとつのスライドに説明が必須ですので、またよき機会にりむすびのセミナーでワークなど開催しますね。

さて、パネルディスカッションでは、別居親弁護士さん3名(法的見解)に対してりむすび1名(心的見解)。あれ?!人数的にアウェイすぎないか?! 

2つほどお題がありましたが、弁護士の方々と見解が対極な場面も。
違う意見があって当然ですし、どちらが正しいもないですし、尊重しながらも「自分の見解はこう思う」を話せればそれでいいと思っています。
現場を見ていると、賢ければ賢いほど分厚い書面を作れば作るほど争えば争うほど悪化するという現象が圧倒的に多い。だからこそあえてEQ強めのソフトアプローチをりむすびは推奨させていただきました。


参加者の中にとってはりむすびの理念に反論したい気持ちになられた方もいらっしゃると思います。または「争わなくてもいいのかな」と気持ちが楽になった方もいらっしゃったかもしれません。法的見解と心的見解の両方を学んだうえで、どちら路線でいくのかを考えるきっかけになっていただければいいかなと思います。
ひとつだけ言えるのは、表層的なハイブリッド型はうまくいかないということです。

懇親会では、かわるがわるワンポイントアドバイスのお時間に。
「争ってるのでザワザワしました」と正直に言いにきてくださる方や、「これまで北風で争ってきたけれどこれからは太陽方策にする」と方向転換されている方も。
そして、「こじれたらりむすびを頼っていいですか?」という質問。いやいや、こじれる前に来てください。病気と一緒でステージがあがるとお薬で処方ができなくなりお手当する手段がなくなってしまいますから。
みなさん対面するとそんなに攻撃的な印象はないんですよね。この状況をなんとか打破したい、その想いに尽きるんだと思います。

離婚後、養育費も払わない、子どもと会わないという別居親がいるなか、なんとかお子さんとの関係を再生したいと考えられていること自体がとても尊く、たとえりむすびの理念にザワついたとしても、私はみなさんを敵だなんて思ってないですし、話に来てくださる方へ「よくがんばってきましたね」という気持ちになります。みなさんきっと怒りの裏側には悲しみや不安があっただろうから。そして、相手を説得したり責めたりすることで自身の不安を消そうとするのではなく、十分にご自身で癒してほしいなと。

一方、共同親権導入や共同養育に懸念を示されている方々に対しても同様で、敵も味方もなく、むしろ共感する部分も多くあります。
別居親が攻撃しなければ同居親が共同養育に前向きにになるし、同居親が共同養育に前向きになれば別居親は攻撃しなくなる、鶏と卵。
相手が変わったら自分も変わる、ではなく、気づいたら変えればいいんです。それは決して負けや迎合を意味することではなく”父母の尊重協力”の大きな一歩なのです。

法改正が目前となった今、決まったルールの中で違う意見と折り合いつけながら共存する方法を考えることに集中していく、ただそれだけ。法改正の内容を骨抜きなんて思わずに、ルール内にあるチャンスをつかむもつかまないも自分次第。

子どもが望むのは父母が争わないこと。今後、さまざまな立場の方と「父母の尊重協力とは?」について、未来の子どもの笑顔を見据えて建設的に議論していきたいです。

このような意見の違う登壇者を招集し、あえてりむすびの投入を試みた親子ネットさんはあっぱれだと思いました。りむすびでは主催できない力技。決してギスギスしたり緊迫した空気感ではなかったことは、現地の参加者の方には十分伝わったと思います。参加くださったどなたかたったひとりにでもお役に立てれば幸いです。
貴重な機会をありがとうございました。


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