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【d SCHOOL わかりやすい共同売店】@沖縄市 プラザハウス/2024.4.20
レポートが遅くなりましたが…2024年4月20日、沖縄市にある日本で最初のショッピングセンター、プラザハウスショッピングセンターにて、製作した短編映画のお披露目会とトークイベントを、いつもお世話になっているD&DEPARTMENTのナガオカケンメイさん、D&DEPARTMENT OKINAWAさんと一緒に「d SCHOOL わかりやすい共同売店~沖縄の『共同売店』という知恵から学ぶ、暮らしのあり方~」というタイトルで開催させていただきました!
特別ゲストに、共同売店ファンクラブの真喜志さんとプラザハウス社長の平良さんをお迎えしての、未だかつてない超豪華布陣。
そもそものはじまり
2023年に製作した共同売店の短編映画ですが、冒頭にはdの皆さんが伊計島共同売店にツアーに来てくださったシーンががっつり入っているのに、dの皆さんにまだきちんとお披露目できていないのをなんとかしたい…ということで、ナガオカさんとd沖縄店長のみのりさんに企画書を持ってご相談したのが始まりです。
快く前のめりにOKしてくださり、会場準備から告知から、あらゆることをしてくださいました。当初は沖縄店の店内でこじんまりと、のイメージでしたが、どうせだったらプラザハウスのイベントスペースを借りてやろう!となったり、どうせやるなら記録も、配信も、とどんどん立派なイベントになっていってドキドキするやら嬉しいやら。
直前には会場がより立派な場所に変更になったりしてさらに緊張が高まります。いろんな方に支えられて、いよいよイベントスタート。
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第一部
第一部は、「共同売店とは」という基礎情報から始まり、ナガオカさんが共同売店に注目する理由、私たちのプロジェクトとナガオカさんとの出会いについて。
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今回の目玉はなんといっても短編映画のお披露目会。この映画を作るに至る経緯などを少しお話ししました。
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共同売店について伝えたいと思う時、単なるレトロでノスタルジックな買い物と交流の場という一面だけではなく、もっと深く広い多面性を持ったものであることが伝わってほしい。
そして、誰かと一緒に「暮らしの中で大切だ」と思うことについて話したい時、今回お披露目した短編映画がスイッチのように作用して、その場にいる人たちと大切な話を始められたらいい。そんな思いで今後も上映会&ユンタクというセットで考えています。
映画自体は15分という非常に短いものですが、見てくださった皆さんが時には笑ったり涙したりしながら、共同売店のまわりで起きていることを映像や音で体感できる時間となりました。さぁ短編映画を鑑賞したあとは、我らが真喜志さんにも参加していただいてパネルトークです。
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自己紹介もそこそこに、共同売店のどんなところがすごいのか、真喜志さんが各地の講演会で使用されているスライドの中からトピックを選んでユンタクします。
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このトピック、皆さんだったらどれについて聞いてみたい、もしくは話してみたいと思われるでしょうか。特に「住民自治、地方自治の原点」というのは共同売店という存在のコア部分にあたるので、(あちこちでトークイベントする機会がありますが)個人的にこの部分を忘れずにお話しできるようにしておきたいところ…。
第一部はひとしきりこれらのトピックで盛り上がったのですが、詳しくはyoutubeにアーカイブを残していただいていますので、そちらをぜひご覧くださいね。<ちなみにイベントは有料のものですので、アーカイブとして皆さんにお見せできるのは第一部までとなります、ご了承ください>
さて、程よいところで第二部へ移行します。ゲストは新たにプラザハウスの平良由乃社長をお迎えしてのパネルトークです。
第二部
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プラザハウスショッピングセンターという商業施設と、共同売店の通ずるところは、規模は違えど地域に根ざしたもの、地域発であってIndependentな(意味:独立した、自立した、自主的な)ものであるというところかもしれません。
どんどん規模を拡大し画一化されていく大型商業施設とは異なり、今自分がいるこの地域にこだわりを持って、その土地にいる人たちと協力しあって創り上げていく、育てていくということ。
パネルトークの中では、「商売」という観点では以ての外かもしれないけど(共同売店的であろうとするなら)地元の人が経営に参加するかどうかということが肝になる、という話もありました。自分が出資して運営に関わっている、その場所が地域を支えている、という自覚があれば、抱える危機的な状況や悩みも自分ごとになる。難しいしめんどくさいことだけど…。
地元の小さなお店と共存していくという観点も、商業施設には必要かもしれないというお話もありました。地域に根ざし、地域共同体の一員となって、地域における役割をそれぞれが担っていくということ。地域の自治を守るまちづくりのあり方として、「すみ分け」や「共生」という言葉がキーワードとして浮かび上がってきます。
生活を守る手段として生まれた共同売店。地域を守り支えるコミュニティのHUBとしての共同売店が今後も続いていくために、この比較についてそれぞれの立場の人が(できるなら一緒に)深く考察することが何かヒントになるかもしれませんね。
最後に、それぞれが考える「地域が“つづく”ってなんだろう」をコメントして、今回のトークイベントは無事閉幕となったのですが、ここでコバヤシとヤマダのコメントだけメモしておきます。
歴史や文化を残したい。でも戦前から続いてきた沖縄のアイデンティティーを教えてくれるおじいおばあたちがどんどんいなくなっていく。自分たちで考えて作っていかないといけないとなった時に、不安や葛藤もあるけど変化を受け入れてやっていくということ。
地域が生き続けるポンプのようなものとして共同売店が存在している。そのコアにあるものは「自治」であって、それは自分たちがどう暮らしたいかを自分たちで考えて自分たちで実践していくということ。自分たちで「考える」のをやめると暮らしを外注してしまうことになるので、地域が持つ豊かさや考える力を持っていかれないように「考え続ける」こと。
この上映会とお話会をすることが、参加してくださった皆さんにとってどんな意味を持つでしょうか。
さいごに
このイベントは、前述にもあるように地域のみんなで一緒に考え始めるためのスイッチとして機能したらいいな、という思いで企画したものです。これは沖縄に限らず、日本全国で応用しながら展開できたらいいな、というのが私の野望。もしあなたの住む地域で開催してみたいという方がいれば、愛と希望の共同売店プロジェクトのHP<お問い合わせ>からご連絡ください。
これが結果的に何を生むのかはわかりません。でも、共同売店のタネが、参加してくださった皆さんや地域に蒔かれ、根を下ろし、いつか花開くことを願っています。
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おまけ
実は隠れオプションとして第三部がありまして、イベントのアフタートークをD&DEPARTMENT OKINAWA店内で開催、ナガオカさんのVoicyで聞くことができます。
当日質疑応答で会場の方とお話しできなかった代わりに、いただいたアンケートについてみんなでおしゃべりしましたので、こちらもぜひお聞きくださいね。
Special thanks
D&DEPARTMENT OKINAWAのみなさん
プラザハウスショッピングセンターのみなさん
WORKARTS合同会社(短編映画を作ってくれた仲間です)