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介護私記 ケアマネさんというギャンブルを勝て!20230425−1

 ケアマネージャーとは、利用者や家族にとって様々なサービスの利用において一番の頼れる存在である。いや、そうであってくれお願いだ。私は3人のケアマネさんを経験した。敢えて言おう、これはギャンブルだ。いや、たまたま1人目にとてもとても忙しく抱える件数もとても多いケアマネさんが当たってしまっただけかもしれない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。
 なぜならば2人目のケアマネさんはなったばかり新人で、3人目のケアマネさんは看護師との兼任。2人とも共通のすることは抱える件数が多くないという点だ。ケアマネージャーは利用者から指名できないため、私はただ単に運が良かっただけなのだが。
 2人目と3人目がどういう人か書いたあと1人目について軽く書きたいと思う。先に言っておくが1人目のケアマネさんを攻撃したいわけではない。2人目と3人目がすごく優秀な方だったという話だ。

 2人目ケアマネさんを仮名、松島さんと呼称しよう。松島さん新人ケアマネージャー1年目、年齢多分40歳ぐらい、女性でロングヘア、見た目おとなしそうな感じで靴下と靴がめちゃめちゃ派手。いつも白のエナメル質なリュックを背負ってやってくる。前任者が抱えられる件数をオーバーしてしまったため施設職員からケアマネージャーになる。ちなみにケアマネさんは最大で40件1人で抱えることができるらしい。そう聞いた。そのため新人ということもあり抱えている件数は少なめ。
 初対面の印象は若干悪かったが連絡の頻度と密度がすごかった。担当変更から2週間で2日に1度は電話がかかってきた。松島さんは頻繁に祖母に会いにきて私たちの話を聞き、1ヶ月間の各種サービス利用予定表も変更がある度にプリントして直に持ってきてくれた。1ヶ月に6回予定表を受け取った月もあった。
 何より1番のエピソードは、今まで祖母のために買ったシモンズのベッドを処分しろというものだった。介護度が上がるにつれベッドからの起き上がりも辛くなるからリクライニング、高さ、足が電動で調整できる3モーターの介護ベッドを導入するようにと強く押されていた。なかなかのゴリ押しで正直私たちはシモンズのベッドが高かったし、もう少し今のベッドでもいいんじゃないかという気持ちでいたのが本心だった。しかし訪問看護師さんからのおすすめもあり、松島さんの熱い説得によって翌週には導入が決まった。松島さんが急いでいたのは時期が11月も終わりという時期にあり、12月に入ってしまうと福祉用具の業者も多忙なため日程の調整や物品の調達に時間がかかってしまうからだ。そんな事情は知らなかったので甘く考えていた。決断してから次のショートステイの最中にシモンズのベッドは撤去され介護ベッドが入った。
 私としては横幅が小さくなり何かショボという印象。しかしながら性能はいいようでベッドには8個の上昇と下降のボタンがあった。またマットレスはエアマットで体重を設定して背中の褥瘡に負担をかけないようにする機能と背もたれの角度を検知して負荷を最小にするという機能がついていた。日々の介護生活でもオムツ交換や処置の際に高さを調整できるのは大いに助かった。何より祖母がテレビを見る時背もたれとしてベッドが起こせるのは嬉しかったようだ。
 もう一つ松島さんは自宅で父親を看取るという経験をされていた。その経験を話してくださった。その時はまだ祖母を看取るのは先の話だろうと思っていたが、今思えば松島さんは近づいてきていると感じていたのかもしれない。
 母は松島さんをいたく気に入り、祖母のあれこれの相談を持ちかけるたびにたくさんの資料と私としてはこうすべきという一つのゴリ押し選択肢持ってきていた。まぁ私も大体納得してそのゴリ押しに決めるのだが。とはいえ人柄あっての松島さんだ。

つづく

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