SFアニメと戦争
「SFアニメと戦争」を読みました。
著:高橋 杉雄
アニメ・ファンを自認する著者が、本業の国際政治学者の目線から「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」などのSFアニメを語った本です。
専門的に深く突っ込むというよりは、アニメを題材に軍事的な問題を初心者にも分かりやすくサラリと解説している印象。
キャラクター個人のドラマとして作られる事の多いアニメを、国際政治学あるいは軍事の専門家として、一歩引いた目線で(架空の)戦争の枠組みに着目し解説している点が、この本の特徴でしょう。
参考文献として紹介されている以下の2冊は、いつか読んでみたいと思いました。
カール・フォン・クラウゼヴィッツ「戦争論」
ケネス・ウォルツ「人間・国家・戦争 国際政治の3つのイメージ」
「ヒエラルキー」と「アナーキー」が対義語だとは知りませんでした。
善悪を判定し他者に強要できる上位存在が有る状態が「ヒエラルキー」で、そういう上位存在が無く、ゆえに善悪を判定できない、仮に判定できたとしても他者に強要できない状態が「アナーキー」
国際政治学界のみで通用する業界用語なのかも知れませんが。