NightOwl ツアーで観てきた『暁闇』での折原伊桜
「暁闇」のこの歌詞を初めて見た時、あまりに私から見た彼女たちそのままで、思わずセルフプロデュースだったかな?ってクレジット再確認してしまいそうなくらい。
歌詞はグループそのものを体現してるし、音域のエグさや射抜く様なサビの鋭利さは推しの贔屓目で、勝手ながら折原伊桜の武器になる曲だと思ったりした。
今回のepリリースツアー全6会場とその近辺のライブほぼ全て追えることができた。ツアー期間中に演者側から聞けたこの曲に纏わるエピソードや、私自身が体験したライブでの思い出もだけど、彼女から聞いた楽曲にまつわるエピソードや想いがたくさん積もったので、ツアーが終わった今、日記として残しておこうと思います。
1/8ツアー名古屋 波乱の初披露
前日午後に発覚した嘉那ちゃんの肉離れにより、急遽3人に切り替えての新曲初披露。珍しいほどハッキリと緊張が伝わった日。
この日「楽曲としての好み抜きに、今作で1番あなたらしい曲は?」って尋ねると、そう逡巡することもなく「暁闇」と答えてくれた。それは、聞き手としても割と予想通りの回答ではあった。
ただ、曲を頂いたのは実は1年も前で、披露に持ってくるまで時間を要したことも教えてくれた。そして、最後に、お願いを付け加えられた。
「今日の出来ばえにも、決して満足していない。だから、今日ここで披露したことを覚えていて。1年後、どうなってるか聴き比べて欲しい。」
1/9ツアー大阪 悔しさを感じた日
特典会1周目、向かい合うと真っ先に
「ごめんね、今日の暁闇は正直悔しい。」
と、眉をハの字に下げて、そう溢していた。
1/16 ツアー仙台 曲の距離感
暁闇→デイブレ→フィールの流れ。
「どれも系統は近しい曲だけど、距離感がどんどん近くなる。」と話してくれた通り、ストーリー性のあるセトリだった。その時″暁闇は、高くて、少し遠いところから″と演者の視点について語ってくれた。
私も、どこか高いところから宣告される歌に感じていたので、体力消耗的な点を抜きにしても、開幕1曲目に演るのが割としっくりきていると思い始めてる。
1/31東京 ひとつの達成感
ツアーではなく4マンだけど、この日のことは残しておきたい。
他3グループが後輩たちで、NightOwlは率いる立場というのもある。だが、それにしても、この圧倒感は、比喩ではなく鳥肌が立った。強く気高く、そして遠かったけどラスト歌い切ったあとの息を切らせた「ありがとう」に、体温高めの安堵を感じた。
特典会1発目。
大阪の日とは対照的に、向かい合うや否や
「暁闇のラスト!初めて、綺麗に出た!」
と嬉しそうに報告してくれた。
個人的な話だと、以前からことあるごとにNightOwlに誘っていた友達がこの日、漸く来てくれた。この日の折原伊桜を観せられたことが、私はとっても誇らしかった、心の底からそう思えるステージだった。
(もちろん友達には大絶賛を頂けたし、その証に特典も参加してくれた!)
2/3ツアー東京 1ヶ月目の変化
回を重ねる度に、表現に磨きがかかってる。もちろん他のメンバーたちも。歌唱だけじゃなく、取り憑かれような表情、目線・指先・舞う髪の毛一本にまで宿る曲の質感、メンバーに体を預けるコンタクトの様な振付に至るまで。
もはや、場の空気を豹変させる一曲になってきている。まだ、披露して1ヶ月目なのに。
ちなみに、友達も″覇王″と表現していた。仙台で話していた『少し遠いところから』を、より深くしっかりと感じる。
2/7名古屋でらROCK
射抜く強さを感じた日
この日もツアーでは無いけど、でらROCKの大舞台という事で。初めてステージと近い高さの2段目で、しかもど真ん中で「暁闇」を聴いた。
″撃ち抜きに来ました″の瞬間に見せる切れ味が強烈だ。どんなに音の波に身を任せていても、あの指差しに射抜かれると、暫くは動けなくなってしまう。
この曲の歌詞は「届けたい」という柔らかな願いや穏やかな望みじゃなく、
″何もかも捨ててまで 届けると誓った″
と切望の思いで、宣誓してくる。
″限界の器から水が零れる″
感情の濁流を押し込めていた表面張力が、限界を迎えて決壊する、そんな切羽詰まった誓い。
本質的に優しさや温かさが多くを占めていNightOwlの楽曲たちの中では、性質の違いがくっきりと見えている。
2/12ツアー福岡 穏やかなリベンジ
ひさびさの福岡、前回epツアーが中止になったこともあり、リベンジの気持ちで挑んでるよう。でも、ピリついた感じはメンバー全員になく、どこか正体不明の解放感。普段見慣れないお客さんもいる。浮き足立つような感じのMC。
サビラストで、真正面ではなく斜め方向にはなってしまうけど、恐らく後方の自分のファンに向かってしっかりと狙い定めて撃ってるいのを観て、振付も歌詞も「ひとりひとりに、必要としている人に、しっかり届ける」想いの確固さが伝わった。
余談で、いつか長崎で演りたいって話してくれた。
2/20東京 死から生に変わった日
この日もツアーでは無いけど、印象的なエピソードがあったので。
『今までと解釈を変えて暁闇に挑んだ』と、話してくれた。たしかにこの日のライブ中、血の温度を感じない様な鋭さだけじゃなく、笑顔すら見えたことを意外に思っていた。
『前は″死んでる″イメージだった。でも、瞬間を″生きる″曲だと考えてみた。』
とわくわくした面持ちで話してくれた。
まだ、本人は新しい解釈での表現に満足し切れてない様子だったけど、楽曲をちゃんと育てていってくれる、与えられた武器を、こんなにも大切に、大切に、磨いてくれる人だと改めて感心した。
3/6 リリースツアーファイナル大阪
この日の公演はなんだか言葉にまとまらないことが多くて、何か一曲に絞って語るのは無粋な気がして迷っていたら、なかなかこの投稿も完結できなかった....
この日の手前は、急遽3人で挑むことになったマワループ BIGCATの大舞台や、その体制のまま連日の対バンや遠征を見てきたせいか、節目の公演を4人揃って迎えられることのありがたさを改めて感じていた。
リリースツアー前半の1月の大阪と同様に一曲目が暁闇。前回の本人の感想は「今日は、悔しい」だった。リベンジ。
この曲を一曲目に持ってくる大きさは先にも書いたけど、この日はツアー全体を振り返るような特別バージョンのSEの後という事で、いつも以上に期待感が増していた。
SEが終わり、一旦の静寂。
ハコ全体に満ち満ちに巡った緊張感の中、最低限の音、ほぼ歌声だけに集中した最初の1フレーズが始まる。
「注意深く音に耳を澄ます」「所作一つ一つ逃さない様に凝視する」、そういうのはコロナ禍以前のライブハウスでは稀有な体験だったけど、今やそれがあっさり叶う。皆がこの状況に苦しむ中ではずっと言いにくかったけど、私にとってはとてもありがたかったし、この曲では特にそれを感じている。
ラストのワンフレーズを端然としたトーンで歌い終えた。直後に決まって言う折原伊桜の「ありがとう」は、いつも息が上がっていて人間みがあって、曲中で与えるクールで圧倒的なイメージととても大きな隔たりがある。
足掻く姿はお客さんは気取らせない、そんな彼女の姿勢が濃縮して見えて、私はこの瞬間がとても好き。
最後に
NightOwlのライブは毎回、MCをふくめた全体を通してメッセージやストーリーを強く感じるので、1曲だけをスポットで取り上げることは、本質から外れる気がして少し躊躇っていました。
でも、私はまだこのグループを、伊桜ちゃんを真剣に追い初めて日が浅く、新曲を披露から追える経験をしたことがなかったので、今回は本質よりも成長や変化を見つめたいと思いまとめてみました。
ツアー通して多くの変化や成功が見れて大満足だったけど、彼女が披露初日に言ってくれた「一年後に聴き比べてみて」には、まだ程遠いです。
これからも、ずっとこの曲の進化も、折原伊桜も追っていけたらいいな(๑˃̵ᴗ˂̵)
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