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「壁」は超えるもの、楽しむもの?? ホワイトキューブからの脱線
アート作品の展示空間として真っ先に思い浮かぶのは、ホワイトキューブ。
”「白い立方体」。1929年に開館したニューヨーク近代美術館(MoMA)が導入し、展示空間の代名詞として用いられる。
…公共性に支えられた近代の美術館制度が制度としての「美術」を存続させるためには中立性を担保する象徴的空間が必要であり、何もない空間ゆえの可変性と柔軟性を特徴とするのは、近代美術が鑑賞体験の純粋性を追及したゆえである。
…現代美術館としては《金沢21世紀美術館》(2004)でもホワイト・キューブを曲線により統合したデザインでまとめられ、また《ビルバオ・グッゲンハイム》(1997)が装飾過多な外観にもかかわらず内部にホワイト・キューブを採用したように、その汎用性により現在に至るまで美術館空間としての絶対的な地位を確保しているのは確かだろう。”
<現代美術用語辞典Ver2.0-ArtScape>より引用
真っ白な「壁」に囲まれたニュートラルな(主張しない)空間ということだと思いますが、巷歩いていると、ホワイトキューブとは程遠いのに、何ともそそる「壁」があったりしてドキドキしてしまいます。
”こちらの壁ならあの作品なら映えるよなぁ”とか、”こんな企画でやったら絶対面白いのに”とか、色々と妄想がわいたりしちゃいます。
↑ 倉敷のアイビースクエアの「壁」
明治時代の倉敷紡績所(現クラボウ)の工場跡地ですが、蔦(つた/アイビー)の絡まる…というか群生しているような感じの壁。倉敷の美観地区の街並みは白を基調としていて、何となく”ホワイトキューブ”的なのですが、その中でなんとも威容を誇っていました。
こちらの壁に相応しい作品を選ぶのって、めっちゃ骨が折れそうですが、楽しくなってきませんか?
なんか怪しい爺さんのコメントみたいな気もしてきましたが…(笑)
↑ こちらがホワイトキューブ的倉敷美観地区の街並み
↑ こちらは先日お邪魔した小布施でそそられた「壁」
何か目的があって行動している時に、困難な場面に遭遇すると「壁」にぶつかったといった表現を使いますが、アートの世界では、「壁」そのものが魅力的だったりするのではないかと、実は深遠なお話でした。
なんてことを堂々と書いちゃうと…『バカの壁』なんて言われちゃいそうですね(爆)