
作家さんと話そう! 一歩踏み込むアート体験②
「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
現代アートと聞くと、アートの中でも特に「わからない」という印象ですが、作家が同時代人、すなわち鑑賞者の私たちと同じ時をともに生きているということで、実は以外にわかりやすい要素も持っているものです。何より、歴史に残る(≒既にお亡くなりなっちゃった)オールドマスター達とは異なり、直接お話をお聴きできる可能性があるのがいいですよね。
作家さんとお話しすると、作品にかける想いだとか制作のエピソードなどを知ることができ、アートの魅力をより強く感じることができます。何より作家さん自身の人柄がわかり、「作品はよくわからんかったけど、アーティストさんがめっちゃ素敵」なんてこともおきます。これをアートの楽しみと言ってよいのかと言えば…はい、私は当然ありだと(笑)
作家さんとお話しするのは、「自分の解釈で合っていた/全然間違っていた」と答え合わせをするためと思っている方もいるかもしれませんが、自分の抱いた印象が、作家さんの意図と全く違ったとしても、全然気にする必要はありません。むしろ、「へぇ~ そんな意図だったんですかぁ、私はこんな風に思ってました」と作家さんとは別の解釈、感想をお伝えしたほうが、「ほぉ~そういう見方もできるんですねぇ」と乗ってくれる場合が多いです。
じゃぁ、どこで作家さんと会えるのか…。いきなりアトリエを探して訪れるというのは難しいですから、まずは個展を開いている会場からでしょうか。ギャラリーの予定などを確認するとよいですね。会期初日には、ほぼ100%の確率で作家さんが登場されます。
長坂真譲さん
MAGO GALLERY にて
「…だからギャラリーは敷居が高いと言ってるじゃん…」という方にお勧めなのは、美大の学祭(≒文化祭、卒展など)です。
アーティストの卵(中にはすでにプロの方もいますが)たちと、ざっくばらんにお話しする機会が持てます。「指導教授からはこんな駄目だしされちゃったんですけど…」みたいな微笑ましい?話なども聴けたりして、とてもチャーミングな時間が過ごせます。
作家さんと思わしき人を、展示場所でみかけたら、勇気を振り絞って「作家さんですか?」と一声かけで見てください。まさに一歩踏み込んだ「アート体験」が始まると思います。たまに間違った人に声かけちゃう時もありますが、それも「対話型鑑賞」のきっかけになるかもしれませんし…(笑)