自画像はどうやって鑑賞すると楽しくなるかを考えてみました
「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
自画像を描いた作品って結構多いですが、実は私、あまり好きな画題ではないんです。美術ファンにあるまじき言葉とは認識しつつも、絶世の美女ならいざ知らず、人様の顔をじろじろ見るのがどうも苦手と言うか…。そこで、自分なりに自画像を楽しく鑑賞する方法を考えてみました。
”推しメン”になるかどうかを見極める
まずは、画家の顔を好き嫌いで決めちゃうというのはどうでしょう。「この顔、惚れるわぁ~」って単純な思いを抱くだけでも、作品に親近感がわいてきます。有名どころの自画像で、私の推しメンはこちら。
《自画像》
アルブレヒト・デューラー
1500年
ドイツのニュルンベルグ生まれの北方ルネサンスの巨匠デューラー。自らをキリストになぞらえて描いた自画像は500年以上たった今日でも、自信にあふれたイケメンそのもの。
描いた当時の画家の生活ぶりを想像する
・駆け出しの頃で、モデルを雇うお金もなく、自分を描くしかなかった…
・人気が出すぎて、人様を描くのに辟易していた…
・歳を重ねて、じっくりと自分の人生を振り返りたかった…
作家のバイオグラフィーで史実を確認してもしなくても、色々と勝手に妄想を膨らますと、作家の当時の気持ちがわかるような気がしてきます。
この人と話が弾みそうな話題を考えてみる
世の中、気の合う人も合わない人もいますが、大人ともなると、どんな方とも話をしなければならない場面がありますよね。ということで、好き嫌いに関わらず、この方と、どんな話で盛り上がる…否、少なくとも話ができそうかを考えてみるのも、コミュニケーションのスキルアップに役立ちそうな自画像の楽しみ方かなと。
自分も同じポーズをとってみる
そんな恥ずかしいことはできないよ…。大丈夫、大抵の自画像はとんでもない格好はしていないのでご安心を。むしろ、少ない表情をいかに似せて表現するか、そのポイントを探すために、じっくり見る羽目になります。いつのまにやら、本人になりきって作品を見つめていることになるかもしれません。
なんて、適当に考えているうちに、自画像も楽しめるような気になってくるわけです。え? 苦手と最初に言っていたのに変わり身が早くないかと? そう、自分のことってなかなかにわからないものなのです。だから作家は自画像を描きたがるのかも。