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ハイダイバー荒田 恭兵 : オリジン

ハイダイビングとはなんぞや?

水泳競技・飛込の派生競技で高さ27m(女子は20m)から跳躍して宙返りや捻りを加えた演技を行う採点競技。オリンピック種目じゃないけど2013年の世界水泳から正式種目に加わっている。

日本では知らない人の方が圧倒的に多いこの競技。

なぜ知れ渡ってないのか?

日本で競技者としては筆者1人しかやっていないから。

つまり日本人口1/125960000となる。(2020 7/1現在 総務省統計局調べ)

しかも実施するハードルも高い。飛込競技の基礎技術が必須で正式な練習場が日本にはないから。

国内ではこんな状況なもんだから

「ハイダイビングをやっています」

この発言をすると必ず決まった質問が投げかけられる。

「なんでやろうと思ったの?」

○ ○ ○

物心ついた頃から人と一緒な事をやるのが嫌だった


何より目立ちたがりだった。故にハイダイバーとしての今がある。
日本では誰も踏み込んでいないハイダイビングという道を切り拓く。
その事実がとてつもなく煌めいているものだと感じた。

大学卒業を間近にして進路選択が迫っていた。引退して就職か、オリンピックを目指して現役続行か。しかしこの二択はピンとこなかった。

「両方誰かしらが選んだことのある道だよな...」
大学生活後半、この考えが常に頭の中に残り続けた。

そんな中、大学最後の試合で日本一を経験した。男子10m高飛込シンクロナイズドダイビングにて優勝。

凄まじい達成感と応援してくれた全ての人への感謝の気持ちで一杯になった。前年度は僅差で2位と言う結果だったので競技で初めて心の底から嬉しいと思えた成績を残した。

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でも特別なにか変わった事はなかった。日本一にはなったけど劇的に生活が変わる事はなかったし、むしろ目標とするものがなくなって呆気なく感じていた。

そんな状態の中、海外選手たちが出場しているハイダイビングの試合映像がたまたま目に入った。

今まで日本人でハイダイビング選手となった人はいない。
危険度・高度な技術と強靭な身体とメンタルが必要なのは火を見るよりも明らかだった。

しかし、日本一を経験した荒田は何を血迷ったか「ここまで辿り着いた自分ならもしかしたらできるかも?」と考え出した。

そこからは手探りで国内にあるわずかな情報を頼りに、大学卒業後にハイダイビングの経験を積むために単身海外へ飛び出すことに。

わからないなりにもがき続けていたら半年も経たないうちにハイダイビングのワールドカップに日本代表として出場するまでに至った。

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この時の結果はボロボロに終わったけど


日本で観たことがない景色や知識や経験の全てを独り占めしている愉悦感。道なき道を切り開く自分に酔っているかもしれない。

「なんでやろうと思ったの?」

この質問をされた時は

「日本で誰もやっていないからです」

少しゾクゾクしながら答える。すると相手は少し引きつった顔をして所感を言ってくれる。きっとこのやり取りはこれからも至るところで経験していくと思う。

そんなレアを通り越して絶滅危惧種のハイダイバーの写真や動画では表現しきれない事柄を文字にしてアウトプットしていくことを目的としてnoteを書き始めてみます。

ハイダイビングの正しい認知と経験を残し伝えていく事を目的として書いていきます。コイツ面白いなと思って応援してくれる人が1人でも多くいてもらえたらとても嬉しいです。

情熱と笑いとワクワクが伝わる文章を。







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