昨日、あべのハルカス美術館特別展『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜』に行ってまいりました。美術ミーハーな私でも、知っている画家の名前が連なる本展覧会。開幕から約一カ月、やっと行けた。嬉しさのあまり、行の電車では手元から遠ざかっていた現代芸術に関する本をウキウキで読む。
「現実の芸術」「反イリュージョン」… 私の趣味としての芸術鑑賞の領域を遥かに超えてはしまったが、予想外の面白さでのめり込んでしまった。所属学部で哲学をはじめとする思想領域を専攻していた私にとって、一気に芸術との距離が縮まった感触。帰ったらどんどん読み進めようかしら。かくして作品に向き合う精神状態も整った(年代が違えば、モノも違うけど)。
というわけで。本展は外光派など印象派の先駆けとなった作品群も含め、印象派・ポスト印象派の作品を中心に展示。「水の風景と反映」「自然と人のいる風景」「都市の情景」「人物と静物」の4テーマのもと、各作品の「光の表現」にスポットを当てる。
冒頭でも述べた通りモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンをはじめとして、名だたる巨匠らの作品69点を展示、さらにその内の59点が日本初公開というこの展覧会。混雑を予想していたが、平日であったことも幸いし、作品をゆっくり眺めることのできる会場内の余白は常時在った。ありがたや。
因みに大阪市立美術館の特別展「メトロポリタン美術館展 ―西洋絵画の500年―」の半券提示で少しだけお安くも。同じ大阪ですのでそちらにも足を運ばれた方はご確認のうえ是非。さて、簡単な感想の前に、主な作品をご紹介。
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豪華すぎませんか… 浅はか過ぎる感想を言わせていただきますと、部屋に飾りたい、という作品ばかり。美術館やギャラリーに足を運んだ際、「部屋に飾りたい作品」という観点から、ひとり買い付けシミュレーションという遊びをする私。今回ばかりは悩みに悩みました。結局選んだのはウジェーヌ・ブーダンの作品。繊細な光のグラデーション、「空の王者」やはり強し…
それにしてもほとんど同じ時代を生きたといってもいい彼ら。その上での表現手法や質感の違いに、紛うことなき近代を感じる。「光」が本展覧会のテーマであることは先程も述べたが、個人的には「光」を媒介とした「空気」を受容するのが楽しくもあり、興味深かった。
絵画中の風景や部屋の温度や湿度、匂いや風、音まで。多様な手法で描き出されたこれら。比較は勿論、各々の空気感において、もっとも表現に適した手法は如何なるものなのか、なんてことを考えながら鑑賞してみても面白いのかもしれません。
ここからは完全な主観、印象程度のものだが、ユダヤ系ドイツ人の画家レッサー・ユリィの作品が異彩を放っていた。且つ鑑賞者が立ち止まって眺める時間も長かった、気がする。花形であるゴッホやモネに匹敵していたんじゃないかな。
上の画像にもある「夜のポツダム広場」をはじめとして、なにか一味違う。憂鬱な空気感、艶めかしいほどの光、垣間見える闇。魅入るとはまさにこのこと。素敵な出会いに感謝。またお会いしたいな…
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まだまだ書き足りないが、キリがないのでここら辺で。美術に興味が無い方でも、知っている名前が沢山あるので楽しめると思います。会期は4月3日までとなっておりますので、時間があるときには是非。リンクをもう一度。
河鍋暁斎、暁翠についての小説を読み始めたので、次は日本画、とくに浮世絵を観に行きたいな…
最後までお読みいただき有難う御座いました。