日記_2018年5月8日(火)
雨をものともしないほどの定時ダッシュにて、都心の本屋へ。
ごひいきの小説家・窪美澄さんの新刊「じっと手を見る」刊行記念トークショーにお邪魔した。
「ふがいない僕は空を見た」や「晴天の迷いクジラ」など、生々しい性描写やどうしようもない生きづらさみたいなものを、正面から描く作品がとても好きだ。
自分の経験のない葛藤が描かれたり、基本的に男女間の性の関係が多いのだけど、読んだ後でどこか、自分を肯定してもらえた気分になれる。
間違ったり、かっこ悪くたって、それでいいのかもしれない。そう思わせてくれる懐の深さがたまらない。
トーク中に「(不倫とかいろいろ)ゴニョゴニョしているから、人間?」とおっしゃっていたのが心に残った。
シンガーソングライターの前野健太さんとのトークショーということで、初めて拝見したが非常にキュートな方だった。はにかみながら窪さんの新刊のページ数まで指定して引用する姿が印象的。
小説と、音楽と、作るものは違えど、お互いの作品を引き合いに出しながら話に花が咲く感じがとてもかっこよかった。
作品を媒介としてコミュニケーションが成立するの、あこがれる!
新刊のイメージと重なる曲を、前野さんが弾き語りされる一幕もあり、よかった。パワフルな歌声に、背中を押される思い。土曜日に引き続き、恋がしたくなった瞬間だった。
最後はちゃっかり新刊にサインなんかしてもらったりしちゃって、やっぱ敬虔な窪美澄教徒は違うね、といった感じ。読むのが楽しみ。
帰り道は、ハンバーグにオムライスに甘いパンにジャガイモがワンプレートで乗っかった完全究極体お子様ランチともいうべき大好きなお店で夕食。
バターのたっぷりついたパンをほおばり、てかる指先をじっと見るなどした。