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書くに会うのは簡単じゃない、でも心底会いたい

朝、目が覚める。その瞬間から私の胸は高鳴る。彼に会いたい。彼とは、そう、『書く』だ。すぐにでも会いたい。2人きりでじっくり楽しみたいのに、私たちはすぐ2人きりになんてなれない。様々なミッションが待ち受けている。


本当は朝早くアラームをセットして会いに行きたい。でも、その音で子が起きてしまうため、自然に起きなければいけない。起きた瞬間から脳内ではあの音楽が流れ始めた。タッタッタタ…。そう、ミッションインポッシブルのテーマ曲。


お布団から出る時だって、そーっと。よっしゃ、第一関門突破。次に床に足をつけるとき。足首のパキッて音が鳴らないように最善の注意を払う。このパキッは曲者。音は小さいのになぜか子はこの音に敏感だ。よし、これもクリア。


ドアを開ける時にも私は泥棒かと思うくらいそーっと、そっと。閉める時も同様にね。うん、うん。上手く行った。寝起きはどうしてもお手洗いに行きたい。我慢するべきか。いや、我慢は健康に良くない。一か八かで行くのだ、私。


流すまでちゃんとトイレのドアは閉めておかないと流す音にも気付かれちゃうから。奇跡的にここまで誰も起きてこない。ふぅ。心臓に悪いな、全く。しっかり手も洗って。ここも水の音は最小限に。


時には大胆に、でも音は出さずにリビングまでサササーっとすり足で。足が寒いから靴下を履きたい。これもまたミッションだ。部屋を開けて靴下を静かに箪笥の中から取り出す。素早く履くとリビングはもう目の前。


『わぁ、やっと彼に会えるわ!』胸の鼓動はもう抑えきれないほどにドクンドクンいっている。リビングの椅子に腰掛けてっと。ギギギー。昼間は気にならないのに、椅子に腰掛けた時の音が、暗いリビングにやけに響く。おっと、セーフ。


iPadを開く。noteをポチっ。あぁ、やっとここまで来れた。私はすぐにnoteのつくるを選択して彼が現れるのを待つ。あれ?彼はまだ来てない。


『書くー、会いにきたよーっ。会いたかった。今ならゆっくり2人きりだよ』
「あー、おはよう。早起きだね」
『あっ、書く!おはよう。今日はどうしよっか』


「うーん、君がこんなに僕に会いたい話でも書いてみたら?」
『え、そんなの面白いかな?』
「君が面白いと思うことが面白いんだよ。全部君次第さ。2人の自由なんだから」


『あー、そうだったね。自由だ。いつも自由を忘れちゃう。2人のことだもんね。私たちで決めていいんだった。いつも気付かせてくれてありがとう』
「こちらこそ、いつも僕に会いに来てくれてありがとう。嬉しいよ」


『本当?私も嬉しい。楽しいね、幸せだね。2人きりの時の、この静かな中で奏でるタイピングの音。リズムに乗って私たち踊り出しちゃいそう』
「そうだね。この音、いいよね。僕も大好きだ」


なんて、朝から旦那さまの『書く』と2人きりの時間を堪能できてる私。んー、もう幸せすぎる。時々部屋から聞こえる子の寝返りの音で、ビクッとしながらも2人きりを満喫してる。この時間が永遠に続けばいいのに。






あー、子が起きてきた。一気に現実へ。


『おはよう』
「お母さん、またnote書いてるの?」
『うん、そうよー』


あーあ、もっとちゃんと直したかったし、画像だってゆっくり選びたかった。表現だってもっと凝りたかったのに。今の私の限界だ、これが。あー、でも書くと会えただけでも十分だよね。


周りがざわざわし始めると書くはすぐにどっかに隠れちゃう。私1人で書くの残像と書き上げる。あー、幸せだったなー、書くが来てくれて。


また静かな時にゆっくり2人きりで楽しもうね、書く。




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