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手の痛みシリーズ 母指CM関節症

母指CM関節症とは

母指(親指)の付け根に母指MP関節というものがあります。
この関節の下に第1中手骨と大菱形骨(だいりょうけいこつ)という手根骨とからなる関節があります。
これが母指CM関節です。

左手の解剖イラスト

この大菱形骨は、乗馬で用いる鞍のような形をしているため、母指をいろいろな方向へ動かすことが可能となります。
母指を使いすぎる事で母指CM関節部の軟骨が擦り減ってしまい、関節のかみ合わせが悪くなり、母指に痛みや動きの制限が起こります。

例えば、物を摘まむ時やビンのふたを開ける時など母指の力を必要とする動きで痛みが出現するのは、母指CM関節症の特徴的な症状です。

母指CM関節症の診断

母指の付け根の辺りに腫れが出現し、押さえると痛みが出たりします。
また、母指を捻ると激痛が走ります。

レントゲン検査では母指CM関節のすき間が狭くなり、関節面の骨の先に尖ったもの(骨棘:こつきょく)が写る場合もあります。
さらに進行すると亜脱臼も認められます。

母指CM関節のすき間がない


母指CM関節症の治療

  • 消炎鎮痛剤の内服・湿布、塗り薬の使用

  • CM関節用の装具を使用

  • テーピングによる8の字固定

これらの3つである程度症状は軽快しますが、それでも痛みが強い場合は、ステロイドの注射で炎症を抑えます。

痛みが強く、関節の亜脱臼を伴うような変形が見られる場合は手術を行います。

大菱形骨を切除して、橈側手根屈筋腱、又は長母指外転筋腱を用いて行う
CM関節形成術

CM関節表面を削って関節を固定する
関節固定術

左 関節形成術 右 関節固定術

基本的には、母指の動きを制限する事で症状が軽減する事が多いです。
ただし、症状が軽減したからといって傷んだ軟骨が元に戻る事はありません。
これ以上軟骨が擦り減らないように母指の動きを制限した生活が必要となります。

自己診断をせずに、是非、手の専門の先生に診てもらう事をお勧めします。

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