保育士日記 〜滑り台を下からのぼることはいけないこと?〜
わたしは、東京都内でいわゆるマンモス保育園(子どもがたくさんいる保育園)を勤めた後、田舎に戻って今は50人規模の保育園で保育士をしている。
先日の外遊び中、滑り台を下から登る3歳児を見守っていると、下から登るのは辞めさせてくださいと聞こえてきた。園には園の方針があるので、謝って、その子と上から滑って遊んだ。
そこで考えた。滑り台は上からしか遊んではいけないのだろうか。よじ登る時には腕、足の筋肉など様々な部位を使う。
視点を子どもに戻して、なんで登りたかったんだろう?そう考えてみた。
人間って、今の自分の能力のもう少し上のレベルを目指すんだそうです。少しのストレス、負荷が加わるからこそ、そこに挑み、そして進化(成長)していく。【抜粋】
なるほど!!!
できるかできないかに挑んで、挑戦して、失敗して、成長していく。その過程が楽しいし、それが子どもの成長なんだな。
初めて下からテッペンに登れた時の子どもの嬉しそうな顔は、達成感でキラキラしている。できなかったことができるようになり、その体験が子どもを大きくさせていくことだとわたしは思う。
大人はどうしても、危険な目に合わせたくない、怪我をさせたくない、滑り台は上から遊ぶもの、という子どもをルールで守る気持ちがあるように思う。その気持ちもわかるけれど、ルールというのはやってみて初めてわかるんじゃないかな。全身で遊ぶあの子たちには、頭だけで覚えたルールは、いつまでも腹落ちしないんじゃないかな。
幼児クラスで、友だちと一緒に遊べるようになり、ルールがわかるようになってきたら、上から滑る子と、下から登る子がぶつかったら、じゃんけんして勝った人に譲るような遊びをしてもいいと思う。
遊び方は一つではないと思うし、後ろを向いてお腹をつけてすべったり、頭からお腹をつけて滑ってみたり。そうやって自分で面白そう!やってみたい!を見つけて遊んでいく姿がわたしは大好き。
そのために発達を勉強しないと適切な対応はできないし、もちろん5歳児と1歳児のできる範囲は同じではないので考えながら保育をするのだけど、
やろう!としている姿を見るのは嬉しいし、楽しい。
滑り台を逆行するのにも、理由があります。
見守って、支えて、一緒に喜ぶような保育を、これからも目指していきたいです。
今は公園の遊具も、感染防止の為にテープが貼られて、身体いっぱい遊べない時間が続いています。早く子どもたちが外でもいっぱいに遊べる日がきますように。