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中国「AI関連特許出願ガイド(試行)」公示(2024年12月31日)

国家知識産権局(CNIPA)は、2024年12月31日、12月4日の「AI関連特許出願ガイド(人工智能相关发明专利申请指引)」の意見募集稿のごく一部を修正し、「AI関連特許出願ガイド(試行)」として公示した。公示には、よくある疑問として8項目に対する回答を提示している。

本ガイド作成の背景は、AIに係る特許出願が増加し、主要各国も同様の対応をしていることから、AIなどの新技術に対する知的財産権保護を重視している政府としては、AI関連の知的財産制度を充実させ、現在の特許審査基準をさらに明確に改良し、イノベーション主体が共通に懸念する共通の問題を迅速に解決するために必要であるとしている。本ガイドの全6章25頁からなり、構成は以下の通り。
第一章 AI関連特許出願の一般的類型及び法律問題
第二章 発明者の認定
第三章 発明で解決する課題に関する基準
第四章 明細書での十分な開示
第五章 進歩性判断
第六章 AI関連特許出願の倫理問題

第一章は、AI関連特許出願の一般的な類型及び法律問題についてまとめ、一般的類型をAIアルゴリズム或いはモデル自体に関する関連特許出願、AIアルゴリズム或いはモデルに基づく機能または応用分野に関する関連特許出願、AIにより支援された発明に関する関連特許出願、及びAIにより生成された発明に関する関連特許出願の4種類に分けている。これに基づきイノベーション主体の核心的要求に対して重点的に焦点を当て、現在のAI分野でホットな5つの法律問題を包括的に整理している。
第二章は、発明者の認定問題に関し、AIが発明者の主体資格を備えていないことについて論証し説明していする。
第三章は、発明の保護対象(方案客体:課題の解決策)の基準に関し、AIアルゴリズム或いはモデル自体の関連特許出願、AIアルゴリズム或いはモデルに基づく機能または応用に関する関連特許出願について、どのように保護対象の要件を満たすかについて解釈し説明している。
第四章は、明細書の十分な開示の問題に関し、発明のポイントに関する内容が十分な開示要件を満たす必要があることを明確にし、現行の審査規定と実務上のAI関連特許出願の十分な公開に対する規範をさらに細分化し、AIの「ブラックボックス」問題に積極的に対応している。
第五章は、進歩性(創造性)に関する考慮について、審査基準を解釈し、対象となる実例を通じて、アルゴリズムの特徴と技術的特徴がどのように機能的に互いにサポートし、相互作用関係があるのかを明確にし、進歩性の判断時にアルゴリズムの特徴の技術的貢献を考慮する必要があることを説明している。
第六章は、AIの倫理に関する指針となる意見を提供している。

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