【全日根】手にすっとなじむ、温もりの酒器。
先日、どうしてもどうしても、「李青」さんにうかがいたくて、弾丸で京都にいきました。春先なのに震えるほど寒くて、帰りは雹にも見舞われるという忘れられない1日に。
まずは、憧れの李青さんに撮影許可をいただきましたので、メモリーとして残します。
人気のビビンバも食べたかったのですが、営業時間ぎりぎりにかけこんだため、今回はお茶のみ。運よく我々だけだったので、特等席に座らせていただき、李朝の家具とお庭をゆっくり堪能させていただきました。
お邪魔したら、李朝のものがほしくなっちゃうのかな〜なんて思っていましたが、格調が高すぎて、そんな気持ちにもなりませんでした(笑)
李朝好きさんはぜひ、喫茶とギャラリーどちらもお楽しみくださいませ。
さて、今日の器は全日根(チョン・イルグン)さんの酒器です。
李青さんの帰り、ひさびさに「うつわと古物 幹」さんに行こうと店先まで行ったのですが、残念ながら臨時休業…(思えば李朝の器をはじめて購入したのが幹さんでした)、急きょ行き先を変更して「木と根」さんへ。
入った瞬間に目を奪われたのが、全日根さんの器でした。
店内をウロウロして、何度も手にとっては置いて…うーん、こんなに気になるってことはお迎えするべきものでは!?と、閉店ぎりぎりにお会計へと向かったのでした。
気になってお店の方に「どの作家さんの器ですか?」とうかがうと、「全さんです。在日の作家さんですよ」と優しく教えてくれました。この日、実は(李朝の器を手に入れたいな)とひそかに思っていた私。狙っていませんでしたが、全さんの器を迎えたのはご縁だったのかなぁと思ってしまうのです。
全さんのプロフィールがわからなかったので検索してみたところ、とある方のブログから、全さんの人生の片りんをうかがうことができました。
京都で育ち、陶芸の道を目指してからは三重の「星山窯」にて、李朝の器をルーツに作陶されたと…。
この酒器、もうひとつほしいなと思ったのですが、木と根さんには残念ながらひとつしかないとのこと。他界されていることも、教えてもらいました。全さんの作品はこれ以上ないのかと思ったら、器との出会いは奇跡のようなものなのだと、改めて考えさせられました。
全さんのお話を残しておきたくて、なんと3ヶ月ぶりの更新でした。(筆無精すぎ!)