【KY30】金鉱株・ニューモント(NEM)
最近、ゴールドが話題です。
ただずっと上がっていて、1年半前に投資を始めた私は、エントリーチャンスを逃しました。
投資妙味が少ないと、今更ながら買いたいと思わないのです。
そこで今回はゴールドではなく、米国の金鉱株をピックアップします。
ゴールドについて
私の幼少期の体験
私は小学生の頃、父親の仕事の都合で海外に一時期滞在していたことがあります。その時に近隣に住んでいた同級生に、イラン革命で亡命した王族の方がいました。
その家族は金の宝飾品をたくさん持っていました。革命から逃れるために、できるだけ金を持ち出して来たとのことです。当時は金は今ほど高くないですが、今の価値にしたら数億円にはなりそうです。
ところで日本で生活していると、金に宝飾品以上の価値は見出しにくいです。なぜなら日本の貨幣は、信頼性が高いからです。
しかしながら、世界的に見るとゴールドは貨幣と同様に扱われる、換金性の高い、身を守ることができる商品といえます。
なぜゴールドは価値を持つのか
一つは、金は採取量に限界があるのと同時に、ニーズはたくさんあるということです。大体19万トンが掘られ(オリンピックのプール4杯分?)、残りは5万トンらしいです。
供給が限られているから、安心だということです。
したがって、需要が伸びればゴールドの価値は上がります。
二つは、金は宝飾品としてのニーズが5割以上あり、贅沢品ということです。また投資用が4割といわれています。
したがって価値が上がりやすいです。
私はゴールドの価値を、最近になって認識しました。
結婚指輪をプラチナにしたことを、今になって後悔しています(笑)
三つは、金は安定した金属であるということです。錆びにくいし、混ざることがない、貴金属です。
安心して持つことができます。
四つは、昔から貨幣の代わりに使われていたということです。
そして今も、貨幣と同じような役割を担っています。世界の基軸通貨であるドルを基準に値付けされており、新興国通貨などより信頼性が高いです。
ゴールドが値上がりする理由
① 金利が下がると、ゴールドは上がる
ゴールドには金利がつかないので、金利が高いときは他の資産に投資されます。逆に金利が下がるとゴールドとの格差がなくなるので、ゴールドがネガりします。
② インフレになると、ゴールドは上がる
ゴールドは実物資産なので、インフレに強いです。
③ ドルの通貨価値が下がると(ドル安)、ゴールドは上がる
ゴールドはドルに連動して、値付けされます。したがってドルの価値が下がると、ゴールドは上がります。
④ 株価が下がると、ゴールドは上がる
株は金利に逆相関します。また株価が下がるときは、安定した資産価値を持つゴールドを選好します。
したがって株価が下がる局面、特に暴落市場ではゴールドはさほど下げず、むしろ上がっていきます。
⑤ 政情不安になると、ゴールドは上がる
これは政情不安で貨幣に対する信任が下がることで、ゴールドの需要が増えるからです。最近は米中対立で、中国やロシア、中東のドル保有が下がっており、通貨を安定させるためにゴールドへの需要が高まっています。
①〜⑤の理由を簡潔にまとめると、アメリカの景気や支配力が下がるほど、ゴールドの価値が上がると覚えておくといいです。
そして今後ゴールドの価格は、マーケットのコンセンサスとして上昇することが見込まれています。
ニューモント(NEM)
なぜ金鉱株なのか
金の価格はずっと右肩上がりで、投資効率が低くく、さほど旨味はないと思うからです。
これに対し、金鉱株は軒並み下がっており、特にもっとも優良なニューモント(米株)が最安値圏にあるからです。
日本だと、類似企業に住友金属鉱山(5713)がありますね。
銘柄分析
業績は悪いです。主因はコストの増加です。
最近は原油高になったこと、インフレで人件費が高騰したことなどの理由で、利益が圧迫されました。
ただ同社は不採算鉱山を6鉱山売却する予定で、新たにオーストラリアの優良鉱山のニュークレストを買収しました。
これにより金の産出量の増量と、コスト改善、負債の圧縮を行います。
今期は、大幅に経営改善が見込めると推測します。
経営レバレッジ
金鉱山は経営レバレッジの効果が、大きいといわれています。
突然難しくなりましたね。
理論的な説明だと、CVP分析(Cost-Volume-Profit)を一から説明しないと、分からないです。
なので、簡単に文章で説明します。
有料プールとファーストフードを想像してください。
有料プールは50人集客できれば、収支がトントンになります(損益分岐点)
この場合、51人目が入場しても追加的な費用(変動費)は発生せず、51人目の売り上げは全て収入になります。
1人増えたところで、水の量は変わりませんし、監視員も増えません(固定費)
したがって費用は発生しないので、入場料がまるまる利益になります。
これに対し、ファーストフード店は50食売り上げた場合に、収支がトントンになります。
この場合、51食目を売り上げたとしても、追加的に食材費や電気代・ガス代などが発生します。それらを引いたものが、利益として計上されます。
図にします。
ちなみに、売り上げに対し固定的に掛かる費用を固定費、追加的に発生する費用を変動費といいます。
この点、固定費型は変動費型と比べ、売上高の上昇により大幅に利益が増加します。
ここで固定費型は有料プール、変動費型はファーストフード店です。
そして金鉱株は固定費型であり、ゴールド価格の上昇による影響は非常に大きいです。
またゴールドの価格は、長期的に上昇することが見込まれています。
インフレも収まってきていますし、足元の原油高も収まっています。今後は大幅な収益改善が見込まれます。
著名な投資家の買い需要は強い
米著名投資家のドラッケンミラーが、大量報告書を提出しました。
またニューモントは銅産出量も多いので、銅銘柄としても需要が高いです。
ニューモントは買いか?
答え:私は最近、買いました。大きな理由としては、米リセッション時でもゴールド価格は上昇すると思われるのと、株価が底値であれば上昇する見込みが高いからです。
まあ逆張りです。
なお円安はどうなのかという点ですが、ゴールドの価格は円安の恩恵が大きいので、ゴールド関連の投資をするなら、あまり気にしても仕方がないです。