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4月14日

繊細で清楚な美しい小田原さんが、こなれた白地の紬に、同じく白地に墨色の型染めがさりげなく配された帯を合わせて、同じ着物を着せた幼い娘を抱いてやってきた。美人が白い着物を着ていやみにならず、しかも親子で、しかしさりげなく場になじむなんてすごい。やぱり食べてる量が少ないからだろうか。
センスの良いスパイス使いが話題の店にコースを楽しみに、人々が次々にやってくる。わたしも客だが、皆が来る前にテーブルに自分が持ってきた料理を置いてまわっている。練りに練った自信作だが、今日出てくるメニューとのバランスを考えて一品ずつ引っ込めていてはたと気づく。「料理店に手作り料理を持ち込むなんて非常識だ。やめた方がいい。」ときっぱりした自分の声で早朝に覚醒。

小田原さんに子供はいない。起きてひさびさに体重計にのる。とても増えている。mに伝えたら「やはりね」と言われたのを、いまになって思い出しムッとする。体重が増えたのは不調だったから。確かによく食べていたなと思い返す。昔は不調になると社会的な逸脱行為に走った。太るくらいですむようになってえらいのだ。食べ続けることで何かを解消している。鏡を見ると染めたての鮮やかな髪色が表情を明るく見せて、かわいいなと言って出かけた。

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