見出し画像

Coffee Drip Work Shop 参加体験記②【2022.Summer】

前回参加したワークショップが好評だったらしく、第2回が開催されたのでそこでの学びを記事にしてみました。


1.ワークショップについて


場所:Lover’s Coffee
( https://lovers-coffee.com )
講師:Matka Coffee Stand 田中さん (https://www.instagram.com/matka_coffee_stand )
題目:『ドリッパー別・淹れ方講座』

今回の講座では、コーヒードリップ(プアオーバーと呼ばれたりもします)を行う際に知っておきたい『ドリッパーによる味の違い』『微調整のノウハウ』について学びました。

そこで本記事では、ワークショップで学んだ内容を自分なりにまとめつつ、私個人の所感を書いてみました。

なお、今回はコーヒードリップの根幹に触れる内容なので、普段よりも文量が多くなってしまいます。何卒ご了承ください…


2.無駄に洗練された無駄のない無駄な導入


以前のコーヒー布教記事でも書いたのですが、一口に『コーヒー豆』と言っても、豆の生産・焙煎・ドリップの工程1つで何かしら変化が生まれるため、むしろ不変の要素を探す方が大変なくらいです…

これにより、コーヒーを淹れた時に『再現性が低い』(味がブレやすい)と感じることが多々あります。

そこで、「風味が違うコーヒー豆に対して、適切な道具・淹れ方の微調整」ができるようになるノウハウを講師の田中さんから伝授して頂きました。


3.ありったけの~器具を~かき集め~♪


まずは、今回学んだドリッパーの特徴と分類を簡単にまとめてみました。

①台形ドリッパー

ろ紙(フィルター)が台形の形をした、一般的に普及しているタイプです。

この形状によって、他のドリッパーよりも『コクの強さ・濃さ』が強調される仕上がりになります。

抽出の様子(台形ドリッパー)


コーヒー初心者でありがちな「なんか味が薄いorあっさりし過ぎた…?」というトラブルへの対策や、深煎りのコーヒー豆との相性が良いです。

代表的な製品として、Melitta社のメリタ式ドリッパーが有名です。


②円錐ドリッパー

こちらはコーヒー専門店でよく見る、ドリッパー(ろう斗)の形状が円錐タイプのモノです。

台形タイプのモノとは違い、『キレ・すっきり感』のある仕上がりになるだけでなく、お湯の注ぎ具合で『コク』の調整ができるのが最大の特徴です。

抽出の様子(円錐ドリッパー)


淹れ方自体にアレンジが効くこともあり、コーヒードリップに慣れてきた方々や、風味を出すのが難しい浅煎りのコーヒー豆との相性が良いです。

代表的な製品として、HARIO社のV60円錐形ドリッパーが有名です。


③平底(ウェーブ)ドリッパー

ここ10年くらいで使われるようになった、ろ紙に波型の側面がついたタイプのモノです。

コーヒー抽出の傾向は台形タイプと似ているのですが、ろ紙の独特な形状とドリッパーの底が平面になっているおかげで、コーヒー豆の焙煎度に関わらず濃度・コクが『安定する』ことが特徴です。

(ウェーブドリッパーの様子の写真は撮り忘れてしまいました…)

代表的な製品として、Kalita社のウェーブドリッパーが有名です。


④その他の器具

フレンチプレスなどの浸漬式の短所である『微粉の混入でザラザラした口触りになりやすい点』や『出涸らしの処理が面倒な点』を、コーヒードリップに含まれている透過式の要素と組み合わせることでカバーした抽出器具が該当します。(ドリッパーに含めるかどうかは意見が分かれそうですが…)

代表的な器具として、クレバーコーヒードリッパーや、AeroPress(エアロプレス)、Delter Coffee Press(デルターコーヒープレス)が挙げられます。

クレバーコーヒードリッパーは、台形ドリッパーの抽出口に弁が付いているモノで、コーヒー粉を熱湯で漬け置きしてからグラスやサーバーの上に置くことで、弁が開いて抽出する仕組みです。
とにかくコーヒーを安定した味で飲みたい人にとてもオススメです!


また、残りの2つは熱湯と空気圧の力を利用して抽出する器具で、①~③のドリッパーでは出せない『圧倒的な濃度・フレーバーの強さ・普段と違う口当たり』のコーヒーが作れます。

エアロプレス 注湯の様子(写真のやり方は『インバート式』と呼ばれてます)


また、エアロプレスの淹れ方だけで大会が出来るくらい『淹れ方の自由度が高い』ので、自分の好きな味を求めて試行錯誤するのが好きな方にオススメします!

エアロプレスもデルタープレスもだいたい5000円程度で、どちらも一長一短がありますので、公式HP(英語)や他サイトのレビューを参考にしてみて検討してみて下さい。



4.違いの分かる悪魔超人


「お湯を注ぐのになんの違いもありゃしねぇだろうが!」
「違うのだ!」
…という悪魔超人みたいなやり取りがしたいです(願望

変な導入はさておき、この章では自分の好きな味を追求するために「何を意識して淹れ方を工夫するか?」という微調整のノウハウについて、講師の田中さんの教えを基に私が解釈したものがこちらになります。

①自分の理想のコーヒーをイメージする
②そのイメージに合った器具を検討
③コーヒーの要素を1つずつ試す

(これが先生方との解釈と間違ってたらどうしよう…)

①自分の理想のコーヒーをイメージ

習慣的にコーヒーを飲んでいる方なら「酸っぱくない」とか「苦くない」のが好き…という自分なりの基準(好み)が既に出来上がっているのではないでしょうか?

要は、その基準をより細かくかつ明確にしてあげれば良いのです。
そして、それらを自分が出来そうな所からコーヒードリップに反映していく流れになります。

参考になるか分かりませんが、私が思う美味しいコーヒーはこれらの要素がハッキリしているような気がします。

  • 強調させたい『味』(酸味・苦味・甘味の組み合わせやバランス)

  • 『濃度』(すっきり透明感~濃くてガツンと強い)

  • 『コク』(キレがある~重くて長続きする)

  • 『口当たり』(サラサラしている~クリームのような滑らかさ)

恐らくプロのロースター・バリスタの方々ならもっと細かく表現すると思いますが、私にはこれが限界です…(諦観

②そのイメージに合った器具を検討

自分の理想のコーヒーがイメージできれば、第3章で書いた器具から合ってそうな器具を2~3種類くらいピックアップして、実際にコーヒーを淹れながら比較検討すると楽しめるかと思います。

個人的意見ですが、器具を使い分けた時の『味の変化』に気付いただけでも、コーヒードリップへの理解が深まり、他の淹れ方にも応用できたと感じています。

③コーヒーの要素を1つずつ試す

今回はドリッパーを使った『透過式』の淹れ方に着目して記述してみます。
(『浸漬式』まで書くと文量の多さ的に私が燃え尽きてしまいます…)

一般的なコーヒードリップの流れと、各工程で風味に寄与する要素を書き出すと下記のようになります。

①コーヒー豆の計量 → お湯とコーヒー豆の比率
②コーヒー豆を挽く → 挽き具合(粉の大きさと均一さ)
③お湯を用意する → 温度調整(80~90℃前後?)
④1投目を注ぐ(蒸らし) → 膨らみ方(新鮮度や抽出効率)
⑤2投目以降~完成 → 注湯(方向、スピード、湯量、粉の混ざり具合)

といった感じになると思います。
これら1つ1つの要素が、前述の『味・濃度・コク・口当たり』に影響するので、真面目に考えると結構大変です。
(それだけで記事が2~3本書ける情報密度なので、今回の記事内での説明は省略します…)

とにかくこれらの検証を1つずつ繰り返すことで、実際に体験したことをすぐにフィードバックできる(経験を積む)だけでなく、『何の要素がコーヒーの味を変えるのか?』という疑問を持つこと(≒予想・推測するスキルの向上)に繋がると私は考えています。


5.所感

コーヒードリップに関する本格的な講習を受けた感想として、自分の理想の味を表現するためには、想像していたよりも『理系な考え方』や繰り返し『観察・考察する力』が必要になると感じました。

ロースターやバリスタとして活動されている方は、我々からして華やかな仕事をしているように見えますが、その裏ではより美味しい味を求めて地道に研究を続けていることを身をもって実感しました…。

いつも美味しいコーヒーを提供してくださる、全てのコーヒー関係者の皆様に最大の感謝を…(五体投地

どうやら第3回のワークショップも開催するらしいのですが、生憎にも仕事と重なって参加できないので、また参加できる時までに修行したいと思います。

それでは次の記事でまたお会いしましょう!

いいなと思ったら応援しよう!