ベランダギター日記2日目

5月7日(木)

朝から兄貴の営む鶏テキ屋にバイトに行ってきた。
先月から手伝いに行っている。コロナの影響で全ての収入源を失った僕に「手伝いにけーへんか?」と声をかけてくれて本当にありがたいでは済まされないほどありがたい。
のだが、「ゆうすけー!」と用がある時に呼ぶのだけはやめていただきたい。
ビクッとする。年の離れた兄貴がいる人はわかると思うのだが、小さいころのトラウマなのか大体「ゆうすけー!」と呼ばれる時は怒られるときなのだ。
それが身体にしみついていてタンカーからあふれ出た重油のようにこびりついて落ちないのである。
無論、今更この年になって怒られることなどないのだが、(たまにあるが仕事のことに対して僕はモチベーションゼロなのでノーカウント)
一番問題なのはお客さんがいるときに「ゆうすけー!」が発動することだ。
「ゆうすけー!鶏あがったー!」「ゆうすけー!テイクアウト持ってってー!」
僕がゆうすけとバレてしまう。いや、別にいいのだが「この人ゆうすけってゆうんや、、」と思われてる中で持っていくのは中々ハズイ。
なんか、ハズイ。しかも僕はゆうすけって呼ばれてないみたいな顔で持っていく。
「お待たせしましたー」といち名もなき店員のように。絶対にゆうすけなのに。今ゆうすけと呼ばれていたのに。すごく血の通った呼ばれ方をしていたのに。「お待たせしましたー」と店員Aのように。
「ゆうすけ」のくせに。まったくだいすけには困ったものだ。
かといって「さかもとくん」と呼んでくれなど「さかもとくん」に言えるわけもなく、そんなことをしてしまえば「こいつに店員としてのプロ意識が芽生えたのか」と思われてしまい、よりハードなワークを求められかねないので、この件は「さかもとゆうすけ」で生まれた時点で詰んでいると言えるだろう。
受け入れ続けるしかないのか。と、今覚悟が決まった。

ベランダギター2日目
今日も恐る恐るベランダへ
少し頭を使って花谷さんの部屋から足だけ出して中間ポジションを取ってみる
大した効果はない むしろどのくらい音を出していいのかわからない ポジショニングが難しい
時刻は22時頃 少し遅いこともあり声も出ない
ここに来て時間帯が非常に重要な要素になっていることに気が付いた
一曲目はカーペンターズ
なんのルーティンかわからない。誰かに届いているのか。
英語の歌詞もままならないので何度ももたつく。同居人にもこいつは何故毎日ベランダに出て洋楽を歌いいきっているのかと思われてそうで苦しい。
敵は内部にも存在していた。
一応歌い終わりの時ジャカジャカジャカジャーン!といっちょまえな終わり方をする。
拍手待ちをするためだ。
当然何もない。待った分辛い。反動がでかい。自分で反動を作りにいったぶん潰しが効かない。
3曲弾いて終了。明日は早い時間にしてみよう。


本日の反応 皆無


carpenters yesterday oncemore
Mr.children sign
ザ・ワイルドワンズ 思い出の渚

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