これは初めてちゃんと彼女を撮った写真。

この記事はTumblerというブログサービスに書いてあった過去記事の転載です。
基本的には過去の事になります。悪しからず。


これは初めてちゃんと彼女を撮った写真。
Leica M3

この日の前日、まだ付き合う前にバーで終電をなくして二人で新宿の夜を散歩した。花園神社で「今日から付き合えますように」とお願いしてみた。ちなみに彼女も全く同じことをお願いしていたらしい。

ゴールデン街を抜けて結局ホテルに行き着いた。ソファーでなるべく端っこに座って距離を取って、他愛も無い話をしていた。 それも長くは持たなくて、酔っていて疲れていたせいもあってベッドに行きますかと声をかけた。私は布団はめくらずに上で横になれればいいと思って言ったのだけど彼女が急に、中に入ろうよ!と言い出した。どうしようかと思った。そしたら布団をめくられてしまったから入って二人で天井を見上げながら何も話さなかった。急に恥ずかしくなって部屋の電気を消した。

しばらく時間が経って、心臓はバクバクだった。今言おうか、なんて言おうか どうしたら正解なのか。 いろいろ考えて「おれたち付き合おう」と言った。相手は少し笑って「それは冗談?」と聞き返してきた。もちろん本気だったから嘘じゃないよと言った。

こたえは「付き合おう」だった。

翌日、お台場に行った。ヴィーナスフォートがなくなるというニュースを見ていた私はもう一度あそこに彼女と行きたいと思っていたからだ。あのちょっと作り物っぽい非日常な空間が大好きだったから行きたかった。TOYOTAのブースを一通り回ってヴィーナスフォートに行って、昼は近くの公園まで行って前日にホテルで食べようと思って食べずに持ってきたサンドイッチを二人で分けて食べた。

秋晴れの良い日だった。食べ終わってまた他愛ない会話を楽しんだ。 飛行機が沢山通るからその話をしたりした。

光がきれいで今なら好きな写真が撮れるかなと思った。 私が写真をやっている事はきっと知っていたと思うけど彼女をずっと撮ってきた事とかどんなふうに写真を撮るのかはきっと知らなかったと思う。 写真が嫌いだったらどうしようかとか断られたらどうしようとか色々思った。

考えても仕方ないから「そこに立って」とだけ言った。それで撮った。 風が吹いていて彼女の長い髪がなびいた。

それだけで幸せだった。


今現在のコメント
これからもう少しで3年になる。あっという間だった。

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