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非常識人 第八話 ガンコロ
「キャンディくん!今何してます?」
「何もしてない。飯食って暇してる。糸島ら辺おるよ」
この前意気投合した彼だ。
あれから数度彼や彼のグループの友人達と遊んだ。皆揃いのタトゥーを身体の一部に入れている。顔や首に入れている者もいるから驚きだ。
「ガンジャご馳走するので金魚のカルキ買ってきてくれません?」
「熱帯魚飼ってるの?いいじゃん!」
そう言って彼の家に向かう。100均帰り。その間に2度の職質。着いた頃には気分は最悪だった。
「おい!」
八つ当たりをする俺。彼はもう慣れている。流された。
「キャンディくん!カルキお願いします!」
45.16gと書かれたガンコロをテーブルの上に散らばせる。その品物にカルキを堂々と混ぜている。こいつはやっぱり嫌いになれない。俺は爆笑した。
「先輩のポンプは何回も見たけどこの量はないなあ!」
「キャンディくん!あげますよ!」
「いやいらん!ガンジャちょーだい!」
彼の友人が巻いてくれる。自ら混ぜ物にしたガンコロを接着剤のようなもので固めて自分の差し歯を作っている。イカれてる。ガンジャのつまみにはちょうど良い。
「スマブラしましょうよ!」
「俺弱いよ!」
ドンキーコング、ピカチュウ、ネス、ミュウツーがテレビの中で踊る。
ある者はマリファナ、ある者は打ち込み、ある者は炙り。みんな違ってみんな悪い。
夜中の12時を回る頃、眠たくなった俺は彼の家を去った。