
本来の観光を取り戻す
みなさん、最近観光してますか?
ところで、お聞きしたいのですが、『観光』ってなんなんでしょう。
旅先でパシャパシャと写真を撮ることだけに必死になってはいませんか?
Instagramが流行るようになってから、写真映えを意識する観光が増えているように思います。
それは観光客である私たち自身もそうですが、観光地をつくっていく人々にとってもそうです。
そうした意識が、だんだんと観光地を類義化しているように思うんですね。
(どこも似てきている...)
そんなことを、ここ数年思うようになり、だんだんと観光がつまらなくなっていく気がしました。
何処に行ってもなんとなく似ていて、写真を撮って、よく撮れた写真をSNSにあげて、
そしてそれを見た誰かが、その景色を求めて旅に出て...その風景をみて(確認して)写真撮って帰る。
そしてそれをSNSにあげて...といった流れです。
そんなことを繰り返すうちに、
「あれ?観光ってこれでいいんだっけ?」
観光が、ただの確認作業になってきている!ということですね。
それならば、Googlemapでいいじゃないですか!笑
本来の観光を取り戻したい。
本来の観光をするためには、いったいどうしたらいいのか。
そんなことを考えていたのが、私の卒業研究の始まりでした。
▶︎違和感を感じていた
そんな違和感を感じていたときに、とある街で、観光雑誌にもネットにも上がっていないけれど面白いなあと思う場所があることに気がついたんですね。
やっぱり、観光にはGoogleMapでは感じることができない”その場に行かないと手に入れられない何か”を感じる必要がある。そんなふうに思っています。
じゃあその、”その場に行かないと手に入れられない何か”ってなんでしょう?
▶︎その場に行かなければわからないもの
ダラダラ書くのはやめましょう。
私が一年かけて、何人もの人をツアーで一つの街に連れて行き、アンケート調査で出た結果としては、
①文化的価値
②アクティビティ
③空間的魅力
この3つがあることが、”その場に行かなければわからない何か”(写真やGoogleMapではムリ)だったんですよね。
▶︎文化的価値
文化的価値のあるものというのは、やっぱり写真を見るだけではわからない。
目の前で見るからこそ、わかる・感じるものがあるんですよね。不思議です。
▷ミシュラングリーンガイドとの出会い
そこで私が出会ったのが、『ミシュラン・グリーンガイド』
文化的価値のあるもの・訪れるべき観光地が掲載されているんですね。
旅行に行く時、私はミシュランに掲載されているものを中心に行くようになりました。
ミシュラングリーンガイド・ジャポンは英語で書かれているので、毎回読むのに苦労してますが...(笑)
▶︎アクティビティ
アクティビティというのは、イベントが開催されていたり、人との交流があったり、そういった参加型のもの・期間限定のものでした。
アクティビティがあると、「ここに来ることの意味があった」と、感じるようです。
そしてこのアクティビティという要素だけは、他の二つの要素にはなかった、「また来たい」と思わせる力があることも分かりました。
人が「またあの街に行きたいなあ」
そう思うかどうかは、
・人とのコミュニケーションがあったか
・変わり続ける何かがあるか
こんなことが必要だってことですね。
▶︎空間的魅力
これは一番言葉にして表現するのが難しいように思います。
ですが、私も過去を遡って、この影響はやっぱり大きい。そう思います。
時々私は”空間に惚れ込む”ということが、あるんです。
その場に居合わせたとき、圧倒されてしまう。
「なにこの空間...」呆気に取られる時があるんですよね。
そんな場所は、やっぱり写真とは違う。そういった空間に影響するものは色々あるでしょうが、実際のところ私もよくわかっていません。
そこにはおそらく、照明だったり、質感だったり、そんなものも含まれているのかなあ。なんなんだろう。
▶︎空間を作る者として
だからこそ、自分が空間を作る時には、やっぱり確認作業ではなくて観光としてきてほしい。
(その場に行かないとわからないものを与えたい)
そんなふうに思っています♪