ぼっとん便所 🚾
汲み取り式の便所。
昔の厠に近く、板間に陶器の和式便器がついていた。金隠しと枠だけで、下はもちろんポッカリ穴が開いていて、おまるに近い形。
壁は白かったけど、漆喰かタイルかわからない。
尻拭き紙はロール状でなく、一枚ずつ重ねたものが置いてあった。
おまるを卒業してから毎日使っていたはずなのに、そこで費やした時間の割には記憶が薄い。
下痢や便秘もあっただろうに、尻も何度も拭いたろうに…
そういえば、同室に小便器もあったが、そこで用を足した記憶もほとんどない。
覚えているのは、手洗い。
小さなシャワー状の蛇口が下向きについていていて、その中央に更に小さなプロペラ状の栓があり、これを左右に回して栓を開閉するしくみになっている。
手を濡らしながら閉栓するという、ちょっぴり衛生的な栓である。
あと強烈に覚えてるのは、バキュームカー❗️
おそらく昔は汚物を裏の船場川に垂れ流していたのか、便所の位置が川沿い、玄関から一番遠い場所にある。
表の道路に停まったバキュームカーから廊下(幸い土間状になっている)を通り、狭い庭の先にある便所まで、吸引ホースが通るのである。
まあ、凄まじいこと。
大蛇がのたうち回るようなその様は、音と臭いと共に強烈に記憶が残っている。
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