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【3000文字チャレンジ】同情するならコネをくれっ‼️

3000文字チャレンジ <ごめんなさい>

   『ごめんなさい』とは己の非を認めて相手に許しを請う際に用いる言葉で、以後気を付けます…という意味も含まれていると思うのですが、みなさん軽い気持ちで『ごめんなさい』を連発していませんか? 少なくとも私はそうです(笑)

   とりあえず「ごめんなさい」って言っておけー…みたいな(笑)

    例えば仕事中。狭い所ですれ違う時は「ごめんなさい」、手が離せない時も「ごめんなさい」、指示されたことをうっかり忘れたら「ごめんなさい」、マニュアルとは違う作業手順が見つかってしまったので「(バレた!)ごめんなさい‼️」…などなど(オイオイ4つ目はマズイだろっ┐('~`;)┌)。あらゆるシーンでこの言葉を使っています。

     また、 私の元ママ友に『悪い人ではないけれど、マシンガントークが止まらない』女性がいるのですが、彼女は話が終わると必ず「いつも長話しちゃってごめんねぇ」と言って去って行きます。

  『いつも』と言っている以上、お察しだとは思いますが、次回会った時に話が短くなるワケではありません(´д`|||)

   おそらく彼女の意味する『ごめんね』は、「次回から話を短くするように気をつけます」ではなく「まあ、私ってこういう性格だから次回も話に付き合ってね。悪いけどヨ・ロ・シ・ク」の方だと思うんですよね。

   この方にスーパーで会ってしまった場合、下手をすると30分ほど足止めをされてしまう為、『スーパーの駐車場で彼女の車を見つけた時は別の店に行く』『店内で発見したら回れ右をして鉢合わせを避ける』…などの自衛手段を取るようになりました(´▽`;)ゞ

    これらの『ごめんなさい』は何とも微妙ではありますが、まあ、苦笑いしながら聞き流せるレベルではあると思うのですよね。い…一応対人関係における潤滑油の機能を果たそうとしているのではないかと…(;゜∀゜)

    しかし世の中には言えば言うほど喧嘩を売るような結果になる『ごめんなさい』があるのですよ。
…ということで今回のnoteは私が大学時代に経験した『最悪ごめんなさいエピソード』です。よかったら聞いて下さい(* ̄∇ ̄)ノ

   大学4年生の夏、私宛に1本の電話がかかってきました。

  「もしもし、私…コヤナギだけど…」

   電話の向こうにいる相手は同級生のコヤナギさん(仮名)。彼女とは1年生の頃から同じグループで行動をしていた仲でした。

「コヤナギさん、やっほー‼️  こんにちはー。どうしたの?」

「…あのね」

   いつもの彼女とは違うテンション低めの声…。そして受話器越しにモジモジした感覚も伝わってきましたが、コヤナギさんは意を決して私に一言告げました。

「私、○○から内定をもらったの」

「………」

「今、連絡が来た」 

   実は私もこの企業の採用試験を受けており、結果待ちの最中でした。30人近い女子大生が集まりましたが、採用枠はたったの1人だったんですよね。つまりこの電話で自分が不採用だったことを知ってしまった…というワケです。

   私はコヤナギさんと一緒に隣の市まで出向いて筆記と面接に挑みましたが、帰り道は2人とも諦めモードでした。「難しかったね。多分私は落ちた」「私も!」「まあ、今回は練習だと思ってさ(笑)」「そうだね(笑)」なんて会話をしていたっけ…。

   ところが蓋をあけてみれば、コヤナギさんが勝者で私が敗者…。

    この事実に一瞬だけ言葉を失った私でしたが、コヤナギさんは何も悪くありません。私は彼女に「おめでとう」と伝えました。

「…就職活動頑張ってね。応援してる」

「…うん。じゃあバイバイ」

    電話を切った後 、私はそのまま部屋で一人号泣してしまいました。やっぱり私はあの会社の内定が欲しかった!!。大学に来る募集内容のほとんどが営業職だった中で、やっと見つけた事務職でしたから。

   当時はバブル崩壊後の就職氷河期でした。また0からの活動をしなければならないのか…と思うだけで頭が痛くなる私。しかし試練はこれだけではなく、この日を境に新たな問題が始まろうとしていたのです。

  『新たな試練』とは人間関係のことです。同じグループ内に勝者と敗者が存在したら、そりゃぁ色々面倒くさいでしょうね(´д`|||)

   えっ?『私が嫉妬したからコヤナギさんとの関係がこじれちゃったんでしょう?』…って?

  その答えは『NO』です( ̄^ ̄)

   そりゃ嫉妬はしましたが、私は20歳を過ぎた大人…。『小公女』のラビニアじゃあるまいし、そんな露骨な態度は取りませんよ。

   あ、『小公女』って知ってます? イギリスの寄宿学校を舞台にした、心優しい女の子『セーラ』の波乱万丈ストーリーなんですけどね。子供の頃に読んだ…という女性は割りと多いのではないでしょうか?

 『ラビニア』はそのセーラに嫉妬心を露骨にぶつける意地悪キャラの女の子です。しかしラビニアは今思うとある意味潔かった。貧乏になったセーラーをいじめるのはアカンと言いたいが、彼女がお金持ちだった頃から負け戦覚悟で立ち向かったことに関しては拍手を送りたいwww

 そうそう私が中学生の頃には『~ハウス名作劇場~小公女セーラー』のタイトルでアニメ化もされました。噂によるとセーラーに酷い仕打ちを続けていたミンチン先生役の声優さん宛てに脅迫状が届いたとか…(/ロ゜)/

  おっと話が逸れてしまった( ̄▽ ̄;)

   本題に戻します。態度が変わったのは私ではなく、コヤナギさんの方でした。

   彼女は私の顔を見る度にふっと暗い表情を見せるように…。どうやらコヤナギさんは私に『負い目』を感じてしまったようなのです。

   それだけではなく、会話の中に「ごめん」「すいません」「あ、申し訳ない」などの文言が必要以上に増え、次第に私もイライラしてきました。

  あなた何様!?…Σ( ̄皿 ̄;;

   大本命の企業に落ちて、被害妄想が強くなったのかも…とは思いましたが、当時付き合っていま彼氏も「アイツの態度ムカつくんだけど」と私以上に怒ってくれました。

   同情って度が過ぎるとバカにされているのと一緒ですよ。マジで…。

   ただし、私はその態度を表面に出すことは出来ませんでした。出したら最後(冷汗)私はグループ内で『コヤナギさんに八つ当たりした女』認定されてしまうからです。それだけは私のプライドが許さず、必死で平常心を保っていました。

   それにチャランポランだった私よりもキチンとしているコヤナギさんの方が人望がありましたからね(/´△`\)

  そんなことが続いたある日…。

   何故だか忘れましたが学科での飲み会があり、私は内定ゼロにも関わらず気分転換に参加しました。コヤナギさんを始めとするグループのみんなも一緒です。

   宴も中盤にさしかかった頃、コヤナギさんが「話がある」と私の横にやってきました。

「○○ちゃん(←私)! 本当に本当にごめんね!!」

   この時の語気の強さは今でも覚えています。そして彼女は呆気に取られた私に気づいているのか気づいていないのか分かりませんが謝罪を続けます。

「私だけ採用されて、何か申し訳なくて…」

   正直、「何? この茶番」って思いました。だってこれって「大丈夫だよ、気にしないで」系の答え一択ですよね。だって私はラビニアになる勇気のない女でしたから。

   私がご期待通りの返答をすると、彼女は「ありがとう‼️ 私、こうやってちゃんと謝りたくて仕方なかったんだ」と満面の笑みを浮かべるではないですか!!

   この人は私があの企業に対して未だに未練があると思っているのだろうか? そして彼女は私のかさぶたを何回ひっぺがせば気が済むのだろう…。

(良かったね。自分だけ楽になって…)

   心の中に浮かんだこのセリフを口にすれば、今度は私が楽になれるんだろうな。

   その後も卒業までつるんではいたものの、私は彼女のことがキライになっていました。

   この後も私は採用試験に落ちまくり、最終的にはやりたくなかった営業の道に進むことになりました。自分に合うワケがなく2年で辞めましたけどね_(^^;)ゞ

  ちなみにコヤナギさんは少なくとも40歳まで先述の会社に務めていたことだけは分かっています。つまり、あの企業がコヤナギさんを採用したことは間違っていなかったのですよ。

   彼女のことをキライにはなりましたが、グループの和の為に年賀状のやり取りだけは続けていました。しかし40歳をちょっと過ぎた年に彼女からの返事はなく、そこで付き合いは完全に終わったのです。(まあ、年賀状の誤配で行き違いの可能性もありますが…)

   女子グループって本当に難しい(>o<")
ならばコヤナギさんはどうすれば良かったのか?  答えは人の数だけあるとは思いますが、個人的には普通に喜ぶのが一番かと。さすがに目の前でスキップされたら困りますが(^o^;)

    当時はグループの目が気になって猫をかぶっていた私。う~ん、何かの間違いでこのnoteがコヤナギさんの目に止まったらどうしよう…。

あらかじめ「ごめんなさい」と謝っときますかwww