昔の仕事と今の仕事。その②

2011年の震災の年。
地元の小さい会社に再就職したものの、給料は20万弱。妻子を養うにはあまりにも心細い。そしてこの会社は60歳まで存続してるのか……そんな事を考えながらも市内をぐるぐる回る反響営業のようなことをしていた。道も覚えられたし不慣れな車の運転も上達した。(でもぶつけまくって営業車はボロボロになった)
そんなこんなでなんとか仕事をしていたある日、社長が、【二ヶ月後からは、基本給は11万円、それ以外は歩合】という画期的制度を思いつきで発表した。しかもその歩合は今よりめちゃくちゃ頑張って+5000円とかいうレベルだ。クレイジーである。何らかの法に触れるのではないか。ちなみにボーナスは二年間の中で、
7万円

3万円

クリスマスケーキ(ホール)&ルレクチェ(洋梨)一箱
だった。さすがに最後の年の現物支給はしびれた。
いよいよナニワ金融道やカバチタレに出てくる零細企業みたいだ。
社長は悪い人では無いのだけれど、誘いに乗りやすく、そして飽きやすい。おそらく経営コンサルタントからいいように丸め込まれたのだろう。もちろんすぐに転職サイトに登録した。
ほどなくして、祖父母が立て続けに亡くなった。祖父母の力か亡くなるとすぐに転職先からの採用通知が届いた。母は「じいちゃんが守ってくれたんだわ」と言っていた。祖父母が見守ってくれたのかは分からないけど、そこは祖父母も知ってる超有名な会社で、今もそこで働いている。
なぜ、【亡くなった人が見守る】とか少しスピリチュアルな事をいうかというと、遡ること20数年前のフリーター時代。(前にも書いたかもしれないけど)
仲の良かったバイト仲間三人で銀座の母の所へみてもらいに行った事があった。当時はまだ路上で見ていて、その時も三人で列に並んで待っていた。
順番が近づくに連れ、かすかに先頭の人がみてもらってる内容が聞こえてくる。
「あんたは彼氏とうまくいってないね」
「近いうちに財をなすかも~」
おおお、これが有名な銀座の母か!
はてさて、俺は何を言われるのだろう。
そしていよいよ順番がきた。
母:「はい、手を見せて。うーん。顔見せて。うーん」
俺:『どうでしょうか……』
母:「あんた、すけべだわ!」
俺:『はい?』
母:「あんたはね、守護霊に守られてるね、この先辛いことも大変な事もあるけど、最後の最後では守護霊に護られるから心配いらないよ。でもね、あんたはすけべ。いやあ、すけべだわ!すけべ」
銀座の母に、ほぼ終始すけべすけべと言われ続け、わずかな香り付けのように守護霊の話をされた。高名な銀座の母に、なぜ俺だけ公衆の面前ですけべしか言われないのか。そんなにすけべ面なのか。
とうとう制限時間の最後まで話の95パーはすけべしか言われなかった。
まあ、ともかくすけべは置いといて、守護霊が守ってくれているらしい。

これからもよろしくお願いします守護霊さま。


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