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北海道&東日本パスの旅2 (仙台市内&松島編)

今回は「北海道&東日本パスの旅」の第2弾。今回は、仙台市内観光と名所「松島」を巡る。移動距離こそ短いものの、様々な美しい景色や文化財の数々を目の当たりにして感動の連続だった。


3日目前半 (仙台市内観光)

瑞鳳殿

るーぷる仙台

2日目は少々早めに起床して仙台市内を観光することに。昨晩話したイギリスの方はそれよりも早く出発していたようで会うことが出来ず。仙台駅から観光バス「るーぷる仙台」を用いて観光。この観光バスは20分間隔で運行しており、1周70分。大人630円で1日中乗り放題であり、仙台市内の主な観光名所を巡ることができる。これを利用してまずは瑞鳳殿へと向かった。

「るーぷる仙台」運行ルート

4番/瑞鳳殿前」にて下車した。瑞鳳殿は仙台藩祖である伊達政宗公の霊廟であり、同一の敷地内には発掘調査によって見つかった史料を展示する資料館や、2代目・3代目藩主の霊廟などもあり仙台の都会の町並みから少し離れたところでありながら、木々に囲まれて静かで少しひんやりとした空気が流れていた。私が訪れたときには蝉の声もしきりで、観光客も少なくどこか内省的な気持ちになった。

瑞鳳殿までの道
瑞鳳殿

青葉山公園 仙臺緑彩館・仙台市博物館

吹き流し

再びバスに乗車して次は「5番/博物館・国際センター・緑彩館前」にて下車。「仙台・青葉まつり」で使われる山鉾(やまぼこ)や、「仙台七夕まつり」で使われる吹き流し・伝統七つ飾りなどが展示されており圧巻。一生に一度はまつりも実際に見たいと思うなど。その後ショップにてお土産として「むすび丸」のミニぬいぐるみを購入。1000円という値段にの割に甲冑のデザインも凝っていて可愛い。知人にLINEで写真を送ると欲しいとのことだったので日頃お世話になっているお礼にと追加で1個購入。加えて、300円のむすび丸ハンカチも購入。裏手には魯迅像や支倉常長像があり、少し散歩。この後はすぐ裏手にある、仙台市博物館へ。館内の展示は写真NGだったので掲載は出来ないが、仙台藩を中心とした仙台の歴史をジオラマや史料を通じて学ぶことが出来て良かった。

むすび丸

仙台城跡

ここから次のバスまで15分程度時間があったことと、せっかくならば仙台の街を歩こうということで仙台城跡まで歩くことに。令和4年の地震以降工事が続いているということで、歩きにくい道が続いたもののしばらく歩いてようやく有名な伊達政宗公像へ。像の前は展望台のようになっており、仙台の街を一望できる。まだまだ日差しの強い9月頭ではあったものの、風が気持ちよくしばらくここで休憩した。

伊達政宗公像

事前のリサーチでは存在を認知していなかった隣接する「宮城県護国神社」も来訪。併設された「英霊顕彰館」には1/100スケールで再現された戦艦大和、日清・日露・大東亜戦争の史料や写真などが展示されており、幼少の頃に広島平和記念資料館を訪れたときのような重くしんみりとした気持ちになった。当時の新聞記事なども展示されており、当時の人々がそれぞれの戦争をどのように捉えていたのか、生活にどのような影響を及ぼしていたのかを伺い知ることが出来た。

戦艦大和

この後はバスの窓から東北大学青葉山キャンパスを見ながら移動。大崎八幡宮を目指しつつ道中で近くのラーメン店にて昼食を。

昼食・大崎八幡宮

鶏白湯 味噌

「11番/大崎八幡宮前」にて下車し、一度大崎八幡宮の前を通り過ぎてお目当てのラーメン店へ。「らーめんよっちゃん(仮)」は創作ラーメンなども多く扱っているラーメン店。今回は通常の「鶏白湯 味噌」を選択した。薄切りのチャーシューは味噌と鶏の旨味たっぷりのスープといっしょに食べると絶品。麺も私好みの細麺で食べやすく、ぺろりと完食。再びバス停の近くまで戻り、大崎八幡宮へ。食後の階段の上り下りで疲弊していたのか、写真があまりないが静かでこちらも市街地の中にありながら木々が多く落ち着く雰囲気だった。


仙台市内の移動経路

3日目後半 (松島観光)

瑞巌寺

松島海岸駅

これから一度仙台駅に戻って、「るーぷる仙台」1周による仙台市観光を終え、ここから松島観光に行くことに。松島へと向かう前に、仙台で友人におすすめされた名物をいくつか。購入したのはずんだシェイク喜久福。喜久福は大福の中にクリーム状のなめらかなアイスが入っているようなお菓子で、今回は抹茶・生クリーム・ずんだ・ほうじ茶の4種類の味が楽しめるものを購入。個人的にはほうじ茶と抹茶が気に入った。冷凍で売られているので、1時間程度常温でおいてから食べるのが良いとのこと。舌触りの良くひんやりしたアイスが食べやすく、優しい甘さで「良いものを食べた」という感じ。次に飲んだのはずんだシェイクで、こちらはずんだ餅をそのまま凍らせて砕いた感じのシェイク。ずんだの青臭さが苦手なわたしでも飲みやすい優しい甘さで、松島までの電車内で飲んだ。

ずんだシェイク&喜久福

仙台駅からJR仙石線(石巻行き)に乗って、松島海岸駅へ。所要時間は40分弱。執筆中に、もしかして「仙石線」という名称はおそらく、仙台の「仙」と石巻の「石」を取ったものではないかと思い調べたらその通りでびっくり。そうして16時過ぎに松島海岸駅に到着。駅のホームからは雲1つない綺麗な青空と向こう側には松島が見えた。

松島海岸駅のホームからの景色

まずは伊達政宗が創建した、国宝「瑞巌寺」へ向かった。内部は写真撮影が出来なかったため、文字でしか伝えることが出来なくで残念であるが、瑞巌寺のホームページ拝観案内にて写真を見ることが出来るので興味を持った方は是非見ていただきたい。本堂は1つ1つの部屋がにテーマが与えられており、欄間や墨絵、きらびやかな金箔を豪華に使った襖絵が圧巻であった。中庭も手入れが行き届いており、夕暮れの中で美しかった。政宗が文禄の役の際に朝鮮から持ち帰ったという臥龍梅(地を這うようにうねった枝を伸ばす様子が龍のようであることにちなむ)は夏であったため花はなかったがその枝の形は名の通り大きく張り出しており綺麗だった。その後は宝物殿で文化財などを一通り見た後に17時の閉門に合わせて退館。

五大堂

五大堂

円通院は16時で閉館していたので諦め、松島の海岸を歩きながら五大堂へ。坂上田村麻呂が東征の際に建立した毘沙門堂に、慈覚大師円仁が後に五大明王像を安置したことから「五大堂」と呼ばれるようになったそう。現在の建物は政宗が再建したものらしく、五大堂へと続く橋は透かし橋になっており、真下に広がる海が見えるようになっている。写真を取る際にスマホを落とさないよう注意を払った。福浦橋は17時で閉まってしまっていたので、こちらも諦めて松島を後に。無計画旅のため、福浦橋と円通院は諦めることにはなったものの晴天の松島を楽しむことが出来て大満足。ここから、仙台に戻って東北大学に在籍する友人と夕食へ。しかし、少々時間に余裕があるので途中駅である多賀城駅で降りて、景勝地である「末乃松山」に行くことに。

松島の景色(奥に見えるのは福浦橋)

末の松山

末の松山

松島海岸駅から再び仙石線で仙台方面行に乗車し、多賀城駅で途中下車。駅のまわりには小学校や図書館、市役所があり住みやすそうな印象を受けた。市街地の真ん中を比較的幅の大きい砂押川が流れていた。地元福岡を流れる室見川と幅や周囲の町並みに重なるところがあり、ぐっと親近感を抱きながら歩く。その後大通りから路地へと入り、住宅街の中を歩くと急に眼の前に石碑と背の高い木が現れた。これが歌枕としても有名な「末の松山」である。

契りきな かたみに袖をしぼりつつ

末の松山 波越さじとは

百人一首 42番/『後拾遺集和歌集』巻十四・恋四・770 清原元輔

大きな津波が襲ってもここ「末の松山」を超えることはないという言い伝えから、「決して起こらない」という意味の枕詞として用いられる末の松山。この句においても「心変わりすることは決してないという約束」を末の松山に重ねて詠まれている。そんな歌枕として名高い末の松山が今では、裏手には駐車場、手前にはお墓、道を挟んで反対側には住宅街といった日常の風景に埋もれているのを見て栄枯盛衰を目の当たりにした感情になり、夕暮れも相まって少々さみしい気持ちになった。松尾芭蕉も奥の細道の中で訪れており、以下のように述べている。

末の松山は、寺を造て末松山といふ。松のあひあひ皆墓はらにて、はねをかはし枝をつらぬる契の末も、終はかくのごときと、悲しさも増りて、塩がまの浦に入相のかねを聞。五月雨の空聊はれて、夕月夜幽に、 籬が島もほど近し。蜑の小舟こぎつれて、肴わかつ声々に、「つなでかなしも」とよみけん心もしられて、いとヾ哀也。

奥の細道

芭蕉が末の松原を訪れた際から既に傍には墓地があったことが伺える。芭蕉は末の松山と、その傍の墓を見て「末の松山」を歌枕とするような歌にあるように比翼連理の契りを結んでも、皆一様に死んで墓に入ってしまうということに思い至り悲しい気持ちになったようだ。驕っているようで憚られるが、時代を超えて芭蕉と同じような気持ちに至ったことに日本人としての心性には時代を経てもどこか通底するものがあるのではないかと感動した。

沖の石

沖の石

末の松山から少し歩いたところにある「沖の石」もついでに寄ることにした。

わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の

人こそ知らね 乾く間もなし

百人一首 92番/『千載集』巻十二・恋二・760 二条院讃岐

恥ずかしながら私は知らなかったのだが、こちらも歌枕として有名な場所であった。住宅街の中にある池とその中の奇妙な形の大岩に関心を惹かれた。

夕食

とろ~りチーズの豚平焼き

仙台駅に戻り、中央改札前で友人と合流。部活終わりに良く行くという「武屋食堂」へ。約半年ぶりの再開で、話もはずみ互いの大学生活のことやこれまでの旅の話など。プライベートや学業以外の活動も精力的に取り組んでいる様子を聞いて私も活力をもらった。おすすめされたメニューを中心に数品楽しんだ。

鶏のから揚げ

今回は仙台を中心とした観光で移動も少なく、友人とも会えたのでほとんど疲労もなくそれでいて多くの名所を巡ることが出来て収穫が多かった。明日は再び長距離の移動になるので、宿の前まで友人が見送ってくれた後はシャワーをさっと浴びて直ぐに就寝。

3日目の移動経路

前→「北海道&東日本パスの旅1 (旅支度&渋谷〜仙台編)」
後→「北海道&東日本パスの旅3 (仙台〜北上編)


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