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コロナウイルス療養記
7月下旬、身近にコロナ感染者が増えてきたタイミングで私も罹患した。
これから罹患してしまった方の参考にでもなればと、療養期間の記録を残していこうと思う。
私の場合、幸い症状は軽かった。発熱はピーク時で37.9℃。
主な症状は喉の痛み。ただ、巷で言われているような水も飲み込めないほどの痛みでは無く、普段の風邪のときの痛みと同程度。VICKSのど飴を舐めてなんとか治まる程度のものだった。
執筆者のステータス
29歳女性
都内勤務の会社員
ワクチン3回接種済み(全てファイザー)
7月20日
8:30 普段通り出勤したものの、心なしか喉に違和感がある。が、「冷房をつけたまま寝たせいで乾燥にやられたのだ、お茶でも飲んで喉が潤えば治る」と思っていた。この時点ではVICKSのど飴のレモン味をコンビニで購入し帰宅。
11:30 仕事で出先の駅で電車待ちをしていると、パートナーから着信が来た。普段はLINEで連絡を取り合っているため、電話が来るのはよほど急ぎの時くらいしかない。この時点で不安が過ぎる。電話に出ると、申し訳なさそうな声で「コロナ陽性になった。〇〇(私)も濃厚接触に当たると思う。もしかしたら保健所から連絡が来るかもしれない」との報告であった。電車の到着音に紛れてあまりはっきりとは聞こえなかったが、要点は上記の通りであったはず。ひとまず体調の状況を聞くと、「症状は喉の痛みだけ」とのことであった。取り急ぎ食事など必要なものはないか聞く。
12:00 出先から職場に戻る。上長へ、パートナーがコロナ陽性になったこと、最後に会ったのは18日(2日前)であること、おそらく自分は濃厚接触者に当たる旨を報告。すぐに在宅勤務の指示が出たため、パソコンを持って帰宅。喉の痛みが強まってきた。
14:00 帰宅し在宅勤務開始。喉の痛みに加えて倦怠感が出てきた。パソコンに向かって作業を行うことはできるものの、体が重い。週次のミーティングがあったためひとまず参加するも、話の内容に頭が追いつかない。おかしい。
18:00 業務を終えてパートナーと通話。濃厚接触者にしてしまったことをしきりに謝られるため、謝ることではないと諭す。事実、同じタイミングで職場関係者の周囲で陽性者が続出していた。どこからもらってきたかは当然、不明瞭である。この2022年、そんな時代である。謝っていたら身が持たない。しかし、気持ちは痛いほどわかる。
22:00 寒気が出始めたものの、発熱はない。体内で免疫部隊が戦っているのを感じる。就寝。
7月21日
6:00 起床時から強い倦怠感あり。東京都のページより、自宅近くでPCR検査を受けられる医療機関を調べリストアップする。
8:30 在宅勤務開始。並行して、リストアップした医療機関に片っ端から電話をかける。つながらず。発熱相談センターにもかけるが繋がらず。2度受診したことのある近くの内科に電話するも、「かかりつけの患者さんのみに限定しています」との返答。かかりつけとは何を指すのか。2回診てもらっただけではかかりつけとは言えないらしい。
10:00 ここまでどこにも電話が繋がらず絶望。パートナーに検査を受けた医療機関を聞くと、「A診療所」とのこと。自宅からはやや遠いが、近所の病院は壊滅的なため、ここまできたらもうしゃあないやろと思い電話する。さっそく繋がり、初診にも関わらずスムーズに発熱外来への案内をしていただける。神現る。16:30に予約が取れ、裏口からの案内になるため入り口前についたら電話くださいとのこと。
13:00 倦怠感が非常に強くなり在宅勤務を離脱。発熱37.5℃
16:30 A診療所に到着。入り口前で電話すると、事務の方が裏口へ案内してくれる。診察室は一人一人カーテンで区切られている。事務の方、看護師さん、お医者さんが入れ替わりで症状を聞いたり、検査をしたりしてくれる。お医者さんは私の喉を見るなり「これは陽性だねえ」とつぶやいている。ニュースではすでに医療崩壊していると連日話している。現場の方は歯をギリギリ噛み締めながら血眼で動いているような想像をしていたのだが、実際会うと思っていたよりヘラヘラしていて(良い意味で)、自分にとっては安心感に繋がった。もしくは忙しすぎて何かネジが外れたのかもしれない。
検査結果は案の定陽性。(でしょうね〜)と思いながら、お医者さんが見せてくれた検査キットが陽性を示していることを一応写真に撮る。
その後看護師さんから療養についての説明を受ける。これが非常にスムーズで、立て板に水とそうめんを一気に流すような喋り。すでに何十人、ひいては何百人もの陽性者の対応をされていることが伝わる。本当にご苦労様です。
17:00 職場とパートナーに、陽性であったこと、30日までは自宅療養になることを伝える。
21:00 自宅にて、Netflix呪詛を見る。なんで今見たんだろうと後悔。病院で案内された東京都の配食サービスに電話するも繋がらず、ネットから申し込めるページを見つけたのでひとまず申し込んでおく。夕飯は食欲がなかったのでゼリーのみ。
ここまで振り返って感じたのは以下の点。
「かかりつけ」がない人が検査にこぎつけるまで、数カ所〜何十カ所もの病院に電話をかける必要がある状況(私は幸い早めに繋がれたが…)。不調の人間にそれを強いるのは酷である。この間に重症化する人もいるであろうことは容易に想像できる。
保健所からは濃厚接触者への連絡を現在行なっていないらしい。発熱相談センターにも繋がらない状況。緊急時にも対応できるほどの充分なリソースが、保健所や福祉に割かれていないのでは。
日々目まぐるしく検査や陽性者の対応に当たられている医療機関の方々へ、充分な手当が補償されていることを願う。(A診療所の方々の丁寧かつ迅速な対応には頭が上がらない)