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【最終報告書】スマートグラス使用による荷物軽減&時間有効活用でノマドの幸福度は上がるのか?

2023年6月より始まった本研究も半年が過ぎ、最終結果報告の日を迎えました。
今回は、実際に行った実験やその結果を報告していきます。


実験の背景と目的
現在、1週間〜1ヶ月単位で移動生活をしている。そこで、ストレスになることは、「荷物の多さ」だ。荷物が多いことによって、①重くて移動が疲れる②毎度のパッキング作業がめんどくさい③無くしモノをする可能性が高くなる
移動生活を始めてからモニターを持ち歩くのは億劫なので、iPadを購入した。便利だ。しかし以前までは、Mac Book Air1台だと何とか7kgに抑えることができた荷物(夏季〜初秋限定)は、もはや7kgに収まることはない。現時点で、「バックパックが重い」ことはかなりストレスになっている。
また、移動で電波が通じないことがしょっちゅう増えた。たとえば、飛行機の中やトンネルの多い道だ。さらに、よく使用する夜行バスでは光漏れを怖れてスマホやiPadを見ることはできない。そんなとき、「時間を持て余してるな〜」と思うことがある。一方で、Kindleで事前にダウンロードすることで、読書の時間を増やすことができたり、強制的にデジタルデトックスができ移動中の景色にただただ癒させれることもある。
それゆえ、常にデジタルに触れることができる環境はいいとは思えないのだが、ウェルビーイングにどう影響するのかを知りたいのだ。

▼詳細はこちらを参照してください

それではさっそく、実験内容とその結果について発表していきましょう。

当初計画していた実験内容

①荷物軽減に関して
→重さの違いを計測
→パッキング時間の差を計測
→忘れ物の回数の差を計測
→移動時の疲労感の違いを10点満点で主観的計測

②時間有効活用について
→移動時間にただ何もせず風景を楽しんだり音楽を聞いたり睡眠時間に充てた場合と、スマートグラスを用いて動画を見る時間(電波がないとできないと思うので、これは夜行バスの移動の際)のどちらが有意義であったかを10点満点で主観的計測

実験結果

それではさっそく、実験内容とその結果について発表していきます。
①荷物軽減に関して

  • 「重さ」や「パッキング時間の速さ」に関しては、そもそものパッキング量が衣替えやお土産の有無により毎回異なってしまったので正確な違いを出すことはできなかった。

  • 忘れ物の回数の差について
    スマートグラスを持ち運んでいた期間(9/8〜10/30、移動回数10回):5回
    スマートグラスを持ち運んでいない期間(7/1〜9/7、11/18〜12/15、移動回数19回):9回
    →期間差や移動回数に差が大きく比較検討が難しい。

  • 移動時の疲労感の違いについて
    スマートグラスの容器、持ち運んでいた紙袋を含めた重さは724gであった。
    仮にケース単体で持ち運ぶことが可能であったら重さはなんと273g、大きさは8.5×6.5×5.5cmで、超コンパクト!
    このくらいなら誤差!と思うかもしれないが、感覚的にはバックパックやスーツケース内に収めることが難しく(荷物がパンパンだったので押しつぶされないように)手持ちで移動していたので、負担が増えた感覚ではあった。
    ただし、箱をどこかに保管し、本体とケースだけで持ち運ぶことが可能であれば負担は大きくなかったと考える。
    iPadの重さは794gなので、約3分の1の負担軽減である。

スマートグラスとケースサイズ(箱や付属品はなしver.)

②時間の有効活用について
長距離移動のバスや電車のなかで使用してみた。
しかし、そもそもオフラインでの使用が不可能であった
デザリングは可能であったが、トンネルなどで電波がない、もしくは田舎で電波が弱いところで使用したかったので、実験の意図とは異なった。
また、見た目的にごつく、日中の電車内やバス内で使用するのは少し恥ずかしく積極的に着用できなかった。

スマートグラスを着用している様子(正面ver.)
スマートグラスを着用している様子(横からver.)

夜行バスも同様で光漏れを気にせずに使用できる点は良かったが、オフライン再生ができず途中で電波が悪くなるので快適ではなかった。
また有線であるので行動制限がかかることもストレスであった。

さらに、ご覧のように鼻にかかる負担が大きく長時間の使用は疲労がたまった。
15分経過後でも疲れがではじめ、30分〜1時間連続して使用することは快適ではなかった。

(余談)
研究の意図とは異なるが、プロジェクターがなくてもスマートグラスで映画を鑑賞できた点は感動的であった。
寝転びながらであれば、鼻の負担もそこまで大きくなかった。

結論

現状、幸福度は上がらなかったが、今後の可能性を感じた
まずは現在の結果報告をしていく。
持参のiPadと比較する。
大きさや重さに関しては、上記で述べたように圧倒的にスマートグラスが快適であった。
実用さに関してはiPadが快適であった。
モニター利用やオフライン再生などわたし個人にとって実用的なのは現状iPadであった。

今後の期待としては、大きく3つある。
①無線になること
Bluetooth接続が可能になれば、快適度はグンと上がるであろう。

②鼻クリップの調整
鼻への負担削減のため鼻クリップの構造を調節できるようになる。(体感では10〜15分ほどで疲れを感じはじめ、1時間連続使用は困難だと判断した。)

分厚さや重さの改善
スマートグラスの横幅や分厚さがサングラスや普通のメガネにもう少し近づくことができればより日常使いもしやすいと感じた。

研究の限界

移動生活の中では毎回、条件が変わってしまうので、全く同じ条件下での測定が難しく比較検討するのに困難であった。

謝辞

この度は、貴重な研究体験をさせていただきありがとうございました。
スマートグラスと自分の移動生活の可能性を感じました。
機会提供やご協力いただいたみなさん本当にありがとうございました。

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