奈良キッチン(JR奈良駅)

心の中で、ちょっぴりバカにしているものってやっぱり誰でもあると思うんだ。
バカにしているというのは少し違うかな。侮っているというか。
コンビニスイーツだったり、〇〇プロデュースレストランだったり、◇◇コラボ・監修スイーツであったり。手ごろで試しやすいけれどもソコソコと言われがちで、とはいえまずいことは確実にないもの(これめちゃめちゃ大事ね)
わたしの場合、この感情がびびっと購買欲に結びつくのである。規格外に美味しいものが食べたければ何万円も出せば舌がとろけるような(想像)お肉とか、ラグジュアリ~な体験が出来るのはわかりきっている。でもそれって、初めの期待を裏切ってるわけじゃないよね?ってのが話の味噌です。
そろそろわたしという人間が分かり始めてきたのではないですか?コスパ大好き人間。ネタバレ大嫌いオチまで含めて映画・漫画本料金です人間。大阪生まれの大阪人、安い買い物を非常に自慢しがちです。

さて。
前置きが大変長くなってしまったが、わたしがちょっぴり侮っていたのは、JR奈良駅すぐ、三条通の入り口らへんにある、王将のお隣、奈良キッチンというレストランです。中の見えづらいガラス戸から店内に人がいる様子は見受けられず、メニュー看板の手書き感もアットホームと言えば聞こえいいが、お洒落なレストランにしては少々ちぐはぐとでもいいまして。
私は寡聞にしてこちらをちょいと前に閉店したたむらけんじプロデュースレストランと勘違いしていたんだけど、なぜか上から目線で「まあいつか体験してやろう」などと思いながら前を通り過ぎること数年。今回、行くつもりだったタピオカミルクティー屋が定休日だったゆえにふと入ってみた、それが本日のお話です。

ドアを開けるとすーっと内側に続くエントランスのような細長いスペース。ガラス張りのキッチンがあって、いい匂いと食欲をそそる音を立てながらイケてるメンズ風シェフに声をかけてご入店。ラグジュアリーと言えば良いのだが、薄っすら暗くてどうかなあと思ってみたが、奥が案外広く、13時頃入店にしては観光客が2組、地元のサラリーマン風が2人、地元のマダムが4人ほど。マダム集団以外は各人1テーブル使ってる感じなので広さがわかっていただけるだろう。小奇麗なガラスの器にサラダやお惣菜が盛られている。

ランチバイキング90分 @780円(税別)
手作りお惣菜、サラダ、カレー、メインディッシュ、ドリンクバー込み

そもそも、安くない?
これなんだよ、侮ってしまう原因の一つ。ついつい値段なりという言葉を思ってしまうので、例えば新梅田食堂街の木曽路さん大好きだったけどあそこはめちゃうまを求めているというよりは、雰囲気をがやがや楽しむ感じじゃん?そういう気持ちなのにお洒落風イタリアンにその値段帯で来られると驚いてしまうわけで。

まあ四の五の言わずに、レッツお皿片手にバイキング~!
【サラダ】レタス盛り、プチトマト、酢の物、和風なレンコンサラダ、ポテトサラダに2種類のゴボウサラダ、くわいとひじきの和え物、ひじきの煮物
【パスタ】あさりととびっこの冷製オイルパスタ、気まぐれパスタ(コーンとたらこのクリームパスタっぽい)
【メインディッシュ】煮込みハンバーグ、デミオムレツ、ミックスフライ、チキンのクリーム煮
【ご飯もの】五穀米、カレー(しゃばしゃば系)
【飲み物】烏龍茶、コーヒー、紅茶、お酢ドリンク3種

13時に入ったわたしも悪いんだが、まずチキンのクリーム煮がほとんどなくて、オイルパスタちょっぴりでっていう時点で正直あんまり期待していなかった。気まぐれパスタの表面が薄っすら乾いているように見えたときには780円だし全然大丈夫だと切り替えるモードに入っていたくらいだ。
そもそもわたしは直前にタピオカミルクティーを諦めてきている。あいつ600円もするじゃん。それと比べたらこっちのが野菜食べれるだけ良いって!と自分の心の天使と天使が悪魔を慰め始めるレベルなんだけどとりあえず実食に移る。うん、匂いとかは美味しそうなんだけどな。

で。

待って。待って待って。
おいしくない?え?あの、普通にレベルではなくとても美味しいのではないこれ?

某スイーツ天国のパスタとかレベルを想定して口に入れてびっくりしたんだよ。いやこれまじありがとうレベルに美味い。ありがたい。とびっこのプチプチ美味しいし、細めのパスタの茹で方神。たらこは生臭さもなくクリームこってりしすぎず。くわいの和え物はくわいサックサクでおいし~~ポテサラ一口で自家製とわかる美味しさ。カレーしゃばっとしてんのにスパイスきいてておいしい。なにこれ!
そしてドリンクがまた心憎い。お酢ドリンクすごいお洒落だし美味しい。ホテルの朝食にあるようなガラスの容器に入ったドリンクは、リンゴ酢+ピンクグレープフルーツ、リンゴ酢+シトラス、黒酢+ブドウでついついこればっかり飲んでしまった。バイキングとはいえ心の中の乙女も満足している様子。

初めの期待値が低すぎたゆえの高評価と思うなかれ。この立地でこの入りにくさで、入ればひとがいるこの空間レベル高いなあオイと感心した次第であります。言われてみればさらっと入った観光客以外なんとなくよく知ってそうな雰囲気を持っていらっしゃる。

帰り際、美味しかったなあと駅の方に帰る途中、定休日だと勘違いしてたタピオカミルクティー屋さんがやってて満腹にもかかわらずタピるダメ人間っぷりも奈良の熱気に溶けていく。今日もいい日だ、メシがうまい。ご清聴ありがとうございました。

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