2つの力
ある街に二人の男がいました
二人はいつも競っていました
どちらが早くご飯を食べれるか
どちらが力持ちか
どちらが賢いか
いつも競っていました
そんなある日
二人は、家を建てることにしました
一人は、見た目重視で壁に宝石を埋め込み
上に高いほうがかっこいいと思い
空にも届きそうな高い高い家を建てました
もう一人は、実用性重視で
見た目は、普通の家でしたが
中に入ると、すごく住みやすく心地のいい家を建てました
街の皆は、やはり高い家に興味を持ちました
高い家を建てた男は、ものすごく気持ちよく
勝ち誇ったような顔で過ごしていました
街の皆も高い家に行列を作り毎日毎日にぎやかでした
見た目が普通の家を建てた男は、一人家で満喫していました
ある日、神様が空の上で毎日の天気を決めているときに
ウトウトしてしまい、気が付いたら、台風や嵐などのハンコを間違えて押してしまいました
すると空の下は、みるみるうちに黒い煙に覆われ
あっという間に
風はビュービュー
雨はダンダン
雷はゴロゴロ
街の皆は、怯えて高い家に集まりました
ところが、
埋め込んだ宝石は、雨によって流れ
高かった家の半分は、風によって吹き飛び
雷によって完全に家が崩壊してしまいました
ところがどっこいもう一人男の家はどうでしょう
びくともしません
高い家に避難していた街の皆は、すぐにもう一人の男の家に移動しました
競い合っていた男も家に入れてくれとお願いすると
快く入れてあげました
台風や嵐が過ぎ去った後、家の外に出てみると
高い家だった場所は、平地になり
日の光に反射して宝石がキラキラと輝いていました
二人の男は、今まで競っていましたが
今回初めて協力してもう一つ家を建てました
二人のいいところを掛け合わせた立派な家です
家の名前を
【スカイツリー】
にしました
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