ぬん。
別に勉強をしたわけでもないテストを受けた。つまり、理解できない文字列が並ぶ用紙を目の前に90分の待機を命じられた。60%くらいの点数が期待されるものに対し、得点の土俵にすら立ててない、あなたは落ちこぼれであるという事実をまざまざと認識させられるだけの時間が続く。筆記用具の無機質な音が耳の中でわだかまり、孤独を増幅させる。完全に崩壊した大学生活への鎮魂歌ですらあった。頭から上が腐り落ちそうだった。
答案用紙を自分の言葉で埋める。限界だった。答えではなく、伝わるかも分からない稚拙な文字で、誰かもよく分かってもない教授にSOSを求めた。そこには分別すら失われていた。ふと怖くなって文を斜線でかき消す頃には手遅れだった。異様で混沌とした答案用紙だけが手元に残る。もうどうしようもなかった。机間巡視の試験官に怯えながら試験終了まで時間を消費する。その様子も、覚悟も、全てがあまりに臆病で、幼稚だった。
もうやめていいか?人生