Ready Teddy/Elvis Presley w/Scotty Moore タブ譜付ギターソロ動画&解説
ロックンロールスタンダードとしてはリトルリチャードのオリジナルバージョンが一般的だが、ギターが活躍するエルヴィスバージョンも注目に値する。ギタリストは勿論スコッティムーア。
ソロの進行はスタンダードな12小節スリーコードブルースパターンを2周する構成で、1周目はコードに沿った和音フレーズ、2周目はブルースペンタのポジションを念頭に各コードごとに適した音を抜き出したフレーズで成り立っている。
注目すべきは1周目の音の選び方。キーCのスリーコードでトニックCの部分では2弦13フレットのルート音Cと1弦12フレットの3度E音の和音を使用。次いでサブドミナントF7では2弦13フレットC音、Fにとっての5度と1弦11フレットE♭音、Fにとっての♭7ブルーノート・・の和音のフレーズが弾かれている。次いでG7の部分も発想はF7の部分と同じく5度と♭7th(2弦15フレットD音、1弦13フレットF音)の和音が弾かれている。
まとめると
トニックC・・1度と3度
サブドミナントF7・・5度とセブンス
ドミナントG7・・・5度とセブンス
がチョイスされている。勿論音の選択肢は他にいくらでもあるわけだが、上記の音選びによって指板上を無駄に動き回ることなく和音の一部を少し変えるだけで1,2弦の11~15フレット内ですべてのフレーズを完結させるにもかかわらず各コードに適した響きを導き出している。キーや曲調や響きなど色んな要素を考慮しつつ、こういうひらめきをいかに思いつき、ベストなプレイを提供できるか‥がギタリストのセンスの良しあしを決定するような部分があるのでフレーズは勿論のこと、考え方としても併せて自らの引き出しに取り込んでおきたい。
1,2弦辺りの和音・複音でストレートなフレーズ・・・と言うアプローチ自体は比較的ロックンロールのギターソロとしては定番なので一聴すると特に際立った要素があるようには思えないものの、いざ向き合って音を取ってみるとありがちな音使いとは違うトラップが仕掛けてありコピーに少々手手間取る・・・・学ぶのに最適なサンプルである。
2周目は所謂ブルースペンタのポジションを意識した上のフレーズだが、止めやはね・・・的な意識、発音の回収や音符の長さ・・・といった事を意識したプレイ、基本に忠実な演奏がしっかりしてることに加えて経験値によって得られる「制御されたルーズさ」による強弱やブラッシングやゴーストノート・・・が発揮されている印象でそういう意味で難易度は高い、と言える。