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【鑑賞会レポート❸】宗教画の可能性
今回は、アートマインドコーチングのコーチ研鑽を目的とした、練習セッションでした。
前回のセッション(『ラ・プリマヴェーラ』@2025.02.09)に引き続き、宗教画を選びました。
筆者が宗教画を選ぶ理由は、
・日本人に馴染みが無い画題に、親しんでほしい
・描かれ続ける宗教画の鑑賞は、美術様式の変遷を味わいやすい
・画題が分かると、絵画を鑑賞しやすくなる
からです。
■ フラ・アンジェリコ『受胎告知』
「受胎告知の画家」と呼ばれる程、同じ画題を同じ構図で描き続けた、フラ・アンジェリコ。
平面的な絵画が多かった初期ルネサンスで、遠近法を取り入れた画家です。
今回の作品は、プラド美術館が所蔵するものですが、他にもサン・マルコ美術館や、コルトーナ司教区美術館にも、同じ画題の別作品が収容されています。
数あるフラ・アンジェリコの『受胎告知』のうち、本作を選んだのは、登場人物の多さからです。
画面左側、屋外にも人が描かれているので、鑑賞の幅が広がるのでは。
そう思ったのでした。
■ 宗教画のワナなのか?
率直に言うと、今回の作品も前回に引き続き、やりにくかったです。
あくまでも、コーチとしての体感ですが、「神話」「宗教」という前提があると、鑑賞の目が、その世界観に限定されて、対話が広がらない…初めはそう思いました。
けれど、対話を闊達化するのは、コーチの技量次第。
自分には、宗教画を扱うのは、まだ早い。
「扱いたい」ではなく、「扱えそう」な作品から、セッション練習をやり直そう。
そんな内省に至りました。
■ コーチとして目的・目標を持つ
そんな弱腰なセッションでも、コーチに「目的・目標」があると、心の支えになると思います。
筆者の場合、
・キッカケを作る
が目的です。
芸術は、古今東西の歴史・文化を望む『窓』。
『窓』から、世界を覗くキッカケを作りたい。
そう思っています。
コーチが対話型芸術鑑賞を行う目的・目標は、作品選びを大きく左右する要素です。
セッションの進行にも、無意識下で影響すると思います。
次回のセッションからは、目的・目標を再確認してから、作品選びや作品研究、当日への準備を行おう。
そう心に決めた、セッション練習になったのでした。