【noteで学ぶ腸内細菌27:『腸内細菌は約1000種』と言うけれど実際には何が居るのか問題】
こんにちは(o・ω・o)カエルです。
私たち、ヒトの腸内細菌のお話。
人の腸内には、約100兆個(匹?)の細菌がいると言います。重さにして1〜1.5kg。
細菌学の研究者に言わせれば、
「人は細菌と共生関係である」
ではなく、
「ヒトは細菌の住処」
だそう。
ヒトの細胞は約37兆個ですが、ヒトの身体に住む細菌の数は約1000兆個。
遺伝子の数で言っても、ヒトの遺伝子が約25000個に対して細菌の遺伝子数は500万個と、ヒトの200倍の数を有しています。
ヒトの遺伝子の数は2万5000個以下で、以前考えられていた10万個の4分の1しかないことが判明した。
⇒ヒトの遺伝子数、最初の推測の4分の1と判明
健康な日本人の腸内細菌叢の特徴解明、約500万の遺伝子を発見 日本人は生体に有益な機能が外国よりも多く平均寿命の高さや低肥満率等との関連も示唆
⇒人間はヒトの細胞と細菌から成る「超有機体」
そしてヒトの腸内には、約1000種類の腸内細菌が存在していると言われていますが、実はこの全てが判明している訳ではありません。
それはもちろん、人のよって保有している腸内細菌が異なったり、解析するための技術が現状不足している(無いわけではない)為です。
ちなみに、前回のnoteで、腸内細菌をゲノム解析で特定する研究が進んでいるというのを紹介しました。
たぶん、国内では個人の腸内細菌をゲノム解析してくれる機関はほぼゼロだと思いますが(研究している企業や大学ではできるかも)、海外だと約10万円で個人の腸内細菌をゲノム解析で特定してくれるそうです。(どこで出来るのかはちょっと不勉強で把握しておりませんが……)
さておき、そんな未知の領域である腸内環境には、どんな細菌が存在しているのでしょうか?
気になりませんか?(o・ω・o)
カエルはずっと気になっておりました。
と、自身のnoteに書いたところで、あくまでも(だいたい)の話。
「バクテロイデス門とフィルミクテス門が優勢菌」と言ってもそれはあくまで日和見菌の中でのシェア争い。というお話。
一体全体、どんな種類の細菌が、どんだけの数私の腸内には居るのよ?(o・ω・o)というのが気になって気になって……。
って事で、今手の届く範囲で調べれる限り調べてみました。
今回のnoteは、知っていてもあまり役には立たないかもしれませんが、読んでみると「へー(o・ω・o)」となるnoteです。
■ヒトの腸内菌の分類
今回は2つの文献を参照させていただきました。
⇒ヒトの腸内菌の分類に関する総論/平山和宏(東京大学大学院農学生命科学研究科獣医公衆衛生学教室)
⇒「ヒト腸内グラム陽性細菌の分類の現状–嫌気性Phylum FirmicutesおよびPhylum Actinobactreriaを中心に」藤澤倫彦(日本獣医生命科学大学応用生命科学部・食品衛生学教室)
上記文献では、ヒトの腸内で特定されているのは965種類。
ちなみにこれは2014年時点で、1267の検体から採取した988万個の遺伝子から特定されたものです。
なお、まだ分類ができていない種類もあるようです。
電子顕微鏡で見たところで外見の差では種の違いや亜種の特定ができないミクロの世界。遺伝子レベルで特定しなければならないので致し方ないことでしょう。
今後の研究に期待が膨らみます(o・ω・o)
■腸内細菌の生物分類
『細菌』と一口に言っても滅茶苦茶な種類が存在するのは想像に難くありません。
細菌は大まかに、
『古細菌[Archaea:アーキア]』と、
『真正細菌[Bacteria:バクテリア]』
の2ドメインに分かれています。
さらに『古細菌[Archaea:アーキア]』は5門
『真正細菌[Bacteria:バクテリア]』は30門
に分かれています。
そして、ヒトの腸内には、
アーキアドメイン5門の内、Euryarchaeota門に属する1門の菌と、バクテリアドメイン30門中の11門の菌、合わせて12門の菌種が存在していることが判明しています。
はい(o・ω・o)この辺りでもう頭が痛いです。種類が多すぎて。生物学分類数が多すぎて。
ので、アーキアとバクテリアの合計12門までを記載しておきます。
□『古細菌[Archaea:アーキア]』
・Euryarchaeota門【ユリアーケオタ】
□『真正細菌[Bacteria:バクテリア]』
・Actinobacteria門【アクティノバクテリア(放線菌)】
……(ビフィズス菌はここに含まれる)
・Bacteroidetes門【バクテロイデス】
・Deinococcus門-Thermus目【デイノコックス-テルムス目】
・Firmicutes門【ファーミキューテス・フィルミクテス(グラム陽性球菌)】
……(乳酸菌のラクトバチルス菌はここに含まれる)
・Fusobacteria門【フソバクテリウム】
・Lentisphaerae門【レンティスファエラ】
・Proteobacteria門【プロテオバクテリア】
……(胃に感染するピロリ菌はここに含まれる)
・Spirochaetes門【スピロケータ】
・Synergistetes門【シネルギステス】
・Tenericutes門【テネリクテス】
・Verrucomicrobia門【ヴェルコミクロビウム】
はい(o・ω・o)名前を読むのすら難しいですね。読めません!
生物分類は『ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種』と細分化していく訳ですが、
↑『生物分類』とはこういうの。
例えばヨーグルトに含まれることで有名なビフィズス菌は、
となっています。
乳酸菌のラクトバチルス菌は『身体に有益な菌』として有名ですが、ラクトバチルス菌の元であるフィルミクテス門には、
『肥満を促進させる』とされる[Faecalibacterium prausnitzii]
がいたり、一方では、
『ワインやビールの発酵に必要』な[Heliobacteria/ヘリオバクテリア科]
が存在したり。
近親種であってもヒトの身体にとって有益だったり有害だったりします。
面白いですね(o・ω・o)
■食べる物で菌は『有益』にも『有害』にもなる
これは以前から書いているので目にタコができるような内容なのですが、
私たちが普段から口にするもので、腸内細菌の働きは変わります。
例えば、クリームやバター、加工肉(ソーセージ・ウインナー・ハム)・赤肉などの高脂肪食品を食べると、悪玉菌であるグラム陰性菌が増え、エンドトキシンと呼ばれる毒素を生成し、体内炎症レベルが上がり肥満や不眠症や老化の要因になります。
一方で、最強の食物繊維『イヌリン』のように、1日10〜15g摂ることでビフィズス菌やバクテロイデス菌などの有益な菌の活動を活発にし、血液の機能正常化や腸内環境の改善から体内炎症レベルを低下させる。など。
食べる物で、私達の身体は変えることができるのです。
まだまだ腸内細菌などのライフサイエンス分野は未知が多いですが、要所要所を押さえておくと、今後の人生には必ず役に立つと思います。
てことで、内容が詰まってきましたので、今回はこの辺りで終わります(o・ω・o)
また面白い腸内細菌のお話を準備しておきますね!
それではまた(o・ω・o)ノシ
【参考資料】
・ヒトの遺伝子数、最初の推測の4分の1と判明
・人間はヒトの細胞と細菌から成る「超有機体」
・ヒトの腸内菌の分類に関する総論/平山和宏(東京大学大学院農学生命科学研究科獣医公衆衛生学教室)
・「ヒト腸内グラム陽性細菌の分類の現状–嫌気性Phylum FirmicutesおよびPhylum Actinobactreriaを中心に」藤澤倫彦
・MEC食やLCHFみたいな高脂肪食は老化が進む可能性があるんでおすすめしないです/パレオな男