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【noteで学ぶ腸内細菌細菌⑦】『"現代"という"檻"で生活しているのが"人間"だ』という仮説

 こんにちは(o・ω・o)虫圭です。
 noteを開いてくださってありがとうございます。
 
 
 さっそくタイトルに触れますが、


『"現代"という"檻"で生活しているのが"人間"だ』


 センチメンタルな小説の一文のようですが、これは決して過剰な表現ではないと、先にお伝えしておきます。
 
ダン・ナイツ: 腸内細菌はこんな方法で研究されている


(o・ω・)<今回は2017年の計算微生物学者ダン・ナイツ氏の講演の紹介を通して、【マイクロバイオーム】腸内細菌の重要性を学びます。
 

 

▪️行われた実験

ベトナム、コスタリカに生息する野生のサルを、動物園での飼育下においた時、それぞれのサルの腸内細菌がどのように変化するのか調べた

 緑色の○の集団が2つありますが、左上がベトナムのサル、下にあるのがコスタリカのサルの腸内細菌です。
 
 種族や地域が異なることで、保有している腸内細菌も全く別のものであることが分かります。
 
 そして中央に幅広く分布している青の○の集団が、野生から連れてこられ、動物園で飼育されたサルの腸内細菌です。
 
 幅こそありますが腸内細菌が似通ってきていることが解ります。
 
 大変興味深いことは、飼育されている動物園が別の国で、別の環境で、別の餌を与えたものであっても、腸内細菌は似通っていく。という事です。

 さらに興味深いのが次の図です。

 黄色の集団は現代人、これは移民、難民、田舎(地方という意味で)に住む人々の腸内細菌です。
 そして紫の集団が、アメリカに住む人の腸内細菌です。
 
 野生から現代社会に移動するに連れて腸内細菌が集約されてるのが解ります。
 
 

 

▪️人間がもっとも多く保有する腸内細菌群

『バクテロイデス菌』『プレボテラ菌』


バクテロイデス クラルス(日和見菌)とは
 
バクテロイデス属の細菌は、ヒト腸内における最優勢菌群の1つです。2010年、バクテロイデス属の新菌種を3株分離しました。
そのうちの1つであるバクテロイデス クラルスは、偏性嫌気性のグラム陰性桿菌で、菌体の大きさは0.5~1.0× 0.7~2.9マイクロメートルです。
芽胞を作らず、また運動性を持ちません。グルコースを代謝すると、乳酸、酢酸、コハク酸を作ります。

 


プレボテラ コプリ(日和見菌)とは

 プレボテラ属の細菌は、主にヒトの口腔内や腸内、反芻動物の胃、土壌などから見つかっています。
また、食物繊維を多く食べているアフリカ人や東南アジア人の腸内に多く存在すると言われています。
 
プレボテラ コプリは、ヒトの腸内に生息するプレボテラ属の主要な細菌のひとつで、2007年に日本人の便から初めて発見されました。棒状の形をしたグラム陰性の桿菌で、芽胞を形成せず、酸素の存在下では生育できない偏性嫌気性の細菌です。食物繊維を分解する能力が高く、主な代謝産物としてコハク酸や酢酸を作る事が知られています。
 

ヒトとの関わり

プレボテラ コプリは、大麦による食後の血糖上昇抑制効果に関わっていると言われています。
一方で、インスリン抵抗性を誘導することも知られており、2型糖尿病との関わりがあるのではないかと考えられています。
また、関節リウマチ患者の一部では、腸内にプレボテラ コプリが多く存在することが分かっています。
関節炎の発症に関わっている可能性があると言われており、現在も研究が進められています。
 
ヤクルト中央研究所より引用

 
 上記は『バクテロイデス菌』『プレボテラ菌』のザックリとした説明ですが(実はもっと複雑)、この2種(厳密に言うと2属)のどちらかが、大半の人類の腸内細菌のトップシェアに位置する細菌です。

 
 腸内細菌と言えば大腸菌が一般的には有名ですが、大腸菌はその他の腸内細菌の1000分の1程度の数しか存在しないことが解っています。


毒性のある細菌は毒素を生成するのに遺伝子の大多数を使用しているため、増殖性は強くないためです。

 
 それでも腸内環境……マイクロバイオームが悪化していることにより、私たち現代人は様々な疾患に陥っていることが判明しています。

ダン氏のスピーチの中では肥満・糖尿病・クローン病・大腸炎・アレルギー・喘息、その他の代謝性疾患・自己免疫疾患の要因がマイクロバイオームの多様性が失われていることだと言います。
 
動画内では発言されていませんが、近代の研究ではうつ病も腸内細菌不足が要因であるとされています。

 
 
 

▪️マイクロバイオームの多様性とは?

 冒頭のサルの話に戻ります。

①ベトナムのサルと、コスタリカのサルは全く違うマイクロバイオームを保有している(腸内細菌の多様性)
 
②他国、違う環境で育った生物でも、現代社会に近付くに連れて腸内細菌は似通り、腸内細菌の多様性が失われる

 ここまでがサルの実験で説明した内容です。
 

③生活環境が近代的になればなるほど、腸内細菌は減少する
 
④腸内細菌が減少すると、肥満・糖尿病・クローン病・大腸炎・アレルギー・喘息、その他の代謝性疾患・自己免疫疾患・うつ病などのリスクが高まる

 
 
( ; ^_^)<でも、しょせんはサルの実験の話でしょ?
 
 
 と思われるかもしれませんが、ダン氏は動画後半でこのようなことを言います。
 

「移民や難民のほとんどはアメリカ到着時には代謝疾患をわずらっていないのに、数年以内にはアメリカ人と同様の肥満と糖尿病のハイリスク群になるのです」

 
 人間という生物は群れで生活し繁栄してきた生物です。
 
 そして人間は環境に意志決定を大きく左右される生物でもあります。
 
 つまり、郷に入っては郷に従え、集団が右を向けば右を見てしまう人間の集団心理です。
 
 出身がどこだろうと、どんな思想を持っていようと、大多数の中では人は集団と似た行動を取ります。
 
 結論を言うと、
 

意識してマイクロバイオームを豊かにしないと、誰でも腸内細菌の多様性は大きく失われ、多くの病気を患うリスクが高まる


 ということです。
 
 具体的には、近代化した環境では20%のマイクロバイオームが失われるそうです。
 
 アメリカに外部から来てから肥満になった人は腸内細菌の3分の1が失われることが研究で解ったそうです。
 
 
 
 現代人の全ての人が、マイクロバイオームが淘汰される環境下にいるということになります。
 
 
 
 
 

▪️マイクロバイオームは増やせる

 ホラー映画のような脅し文句を並べてきましたが、救いはあります。
 

・抗生物質を使わない(病気の原因と共に有益な細菌も死ぬ)
・自然に触れる(ガーデニングとか、キャンプとか)
・菌類を食べる(キノコとか、発酵食品とか)
・腸内細菌のごはんをたくさん食べる(食物繊維とか、質の高い脂質とか)
・他者と触れあう(細菌を移しあう)

 
 などです。
 何度も書いてきたやつです(o・ω・o)
 
 人体や内蔵の欠損などと違い、腸内細菌は生き物ですので、意図してマイクロバイオータを接種することでマイクロバイオームを豊かにすることができるのです。
 
 
 
 さらに、ダン氏をはじめとする研究者たちは、

『腸内細菌の移植』

 などの研究を進めています。
 
 ちなみに既に実用化している国はありますし、健康な時の自分の便から細菌を取り出し、保管し、病気になった時に腸内に戻す。
 もしくは大病を患い手術後に健康な細菌を体内に戻し、腸内細菌を整えることで快復を早める。
 
 ということが行われています。
 
 実は日本にも既に存在します。

潰瘍性大腸炎に対する便移植療法

 他者の便から取り出した細菌を移植するというのは抵抗がありますが、研究面では既にそれだけの進歩をしているということです。
 
 

 
 最後になりますが、ダン氏はこう語っています。


「私たちの次のステップは、世界中の健康な人たちから細菌を集めて保存することです。
 
そうすれば、その細菌がその民族の文化財として保存され、現代社会に適応する際に彼らを守れるかもしれませんし、関連疾患のリスクが世代ごとに増加していく環境で現在育っている未来の世代も守れます。
 
マイクロバイオームを修復し補充するのに必要な技術を手にできる将来を楽しみにしています。
 
その世界ではサルたちはもっと幸せに健康に生きるし、人間もそうなります」

 
 
 
 
(o・ω・)<知識を得て、良いようにも悪いようにも活用できるのが人間の素晴らしい能力です。私たちは自ら選択し、檻から出てマイクロバイオームを摂り入れ、健康な身体を手に入れましょう。
 

 

◆元動画 ※日本語字幕で見れます


 
 
 
 今回はここまでです。
 
 引き続き腸内細菌の勉強をしていきます(o・ω・o)


(*・ω・)ここまで読んでくださって、ありがとうございます♪
 また発信できる価値のある知識を修得、実践していきますので、ぜひフォロー&スキお願いします♪


 それではまた(o・ω・o)ノシ

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