Last Fair Deal Gone Down.
2018年11月にリリースされた「Red Dead Redemption 2」は、ストーリーを追う本編と別に、オンラインコンポーネントとして現在もアップデートされ公開が続いているMOコンテンツがある。
日本では馴染みない西部開拓時代の終わりが舞台だ。
たとえばサムライが近代の価値観と違う世界で生きていたように、米国史において精神性の異なる無法が公然とまかり通っていた時代。
ゲームの中でも、無法にまつわる生業で稼ぐことができる。
7月13日に配信されたばかりのアップデートで実装された「血染めの金」もその1つ。裏仕事に手を染める新たなミッションの追加となった。
実業家を装うイタリア系ギャングから信用取引に使う特別な為替が予想外に市中へ出回っているとの相談を受けて回収を請け負う、というのが大筋だ。
カピターレと呼ばれるその為替は、裏仕事の世界で高く信頼されている。
箔がつくとばかりに小悪党が見せびらかすのだ。
そんな噂を聞いては、集めて回るというわけである。
いくつかミッションとしても追加された中で、この時代らしいものがある。
元ギャングの頭目であるブルーウォーター・ジョンに取り立てをするというもので、彼のいる十字路(クロスロード)へ向かうところから始まる。
わかる方なら気がつくだろうデルタブルースの始祖ロバート・ジョンソンにまつわる、いわくありげな伝説にかけたものだ。
進めると、ブルーウォーター・ジョンがギターを弾き語るシーンがある。
なかなか雰囲気があって、悪くない。
曲も、おそらくオリジナルだと思うが”らしい”感じだ。
この手の演出が絶妙なタイトルでもある。
本編はストーリーありきで当然だが、MOパートでもクオリティは高い。
まったく3年落ちのタイトルだと思わせない。
ちなみにブルーウォーター・ジョンの話は、3つのセッションで終わる。
飄々としつつも元ギャングらしい肝の座った一面が楽しめる。
ロバート・ジョンソンの曲から借りれば「最後の勝負も勝ち目なし」という印象のオチには、ちょっとニヤリとさせられるだろう。