Let's restart the story of "V" from Badlands.
「Cyberpunk2077」はサイバーパンクの世界観そのままに未来世界を舞台としたオープンワールド型のアクションRPGである。
主人公"V"は不死をもたらすバイオチップの謎を巡る事件に巻き込まれて、「ナイトシティ」を駆けまわるという大筋だ。さんざんだった初見プレイを経て、2周めで悪くないエンディングを迎えた。そのまま別エンディングも回収しようかと考えていたが、ライフパス(出自)が3つあると知った妻が「あと1つなら、やってみれば?」と3周めの「ノーマッド」編となった。
赤毛のカーリーヘアをアフロだと勘違いする妻からは大不評の見た目で途中交代も危ぶまれつつ、バッドランズ生まれ遊牧育ちの家出娘が都会を目指し愛車を走らせていた..のであろうところから物語がはじまる。
定住を求めず車で移動しながら遊牧暮らしをする「ノーマッド」は基本的に群れで行動する。個々が集い独自の自治制度を作り上げる過程からスコットランドの氏族に準えて「クラン」とも称される集団は、自由を担保に庇護を約束するが、軋轢からか抜ける者も少なからずいる。
家出娘のヴァレリーも、つまりはクランを抜けた身の上だった。
属していたクランのワッペンを剥がし、もしかしたらの動揺さえ顔に出ないように気をつけながら振り返る。が、ミラー越しの状況と変わらず。
クランを抜け、シティでの暮らしが落ち着くまでの路銀稼ぎに仕事を受けてクライアントとの待ち合わせに向かう矢先のエンジントラブルだ。
修理の目途も立たないらしく、まったくツイてない。
もちろんクランを抜けたのはツキと関係がない。
むりやりバイパスを直結させる荒療治でエンジンも息を吹き返し、どうにか気の変わらないうちに修理を頼んでいたガレージを出ようとしたところで、今度は時代錯誤な見た目をしたNCPDの警官にとめられる。
保安官を気取るアンドリュー・ジョーンズは、ノーマッドが嫌いだそうだ。
抜けたばかりで出自を思い知らされるのだからツイてない。
だが、それとツキとは関係がない。
待ち合わせには遅れたが、無事にクライアントと落ち合い荷物も積み込む。あとは車を走らせ、州境の検問官にワイロを渡して目を瞑ってもらえば事もなく終わる。クランでも請けていた、ノーマッドには初歩の運び屋仕事だ。
検問官が「どこのクランだ?」と尋ねるので、どこでもないとだけ答える。
そのほかは何ひとつ違わない、いつもの小遣い稼ぎのはずだった。
が、クランに属さず後ろ盾もない小娘として検問官に売られたらしい。
アラサカのロゴをつけた黒いバンが背後から迫り、追いかけてきた。
運んでいる荷物は、コーポ(企業)がらみの厄介な品らしい。
どうにか振り切って廃屋へ隠れたが、目的地まで逃げ切るのは難しそうだ。
「州境を越える」で請け負ったので、依頼は終わっている。
クライアントとして同乗していたジャッキー・ウェルズに訴えてはみたが、そもそも彼も請負いで、届けた先で受け取るはずの報酬から支払うつもりの無一文だった。正直が美徳になる職業には程遠いが、好感は持てる。
多少でも実入りを確保したいと意見が一致し、運んでいたものが売れるなら売り払おうトランクに積んだコンテナを開けてみることになった。
と、中から出てきたのはイグアナだ。
爬虫類には一家言あるジャッキー曰く、けっこうな希少種らしい。
クランを抜けて街に行くんだ、と話してみたところ「任せろ」と二つ返事で請け合ってくれたジャッキーの世話になることが決まって、次回へ。
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3つの「ライフパス(出自)」もジャッキーの手ほどきで荒事家業を始めて以降は、同じ流れだ。ライフパスなりの選択肢もあったりはするが、大きくストーリーに影響があるわけでもなく、フレーバーテキストの印象に近い。
いっそフレーバーとして、出自に引っ張られてみるプレイも楽しい。
個人的には ストリートキッド >ノーマッド >コーポレート の順だろうか。
どれにしても同じく入り込めるので、まったく趣味で選んで遜色はない。