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Close Encounters of strangers.

このところ休みのたびにゲームをしている。
少しやり過ぎて、妻と猫たちに白い目を向けられることもしばしば。

「Red Dead Redemption 2」は、西部開拓時代の終わりが舞台の物語だ。
主人公はギャングである。終盤に向かいつつある中で、本編は不穏な空気を漂わせていて..という流れは最近のnoteに書いている。

この「Red Dead Redemption 2」は、少なくとも私が知っているゲームの中では少し異質だ。いまの。もしくは、これからの主流なのかもしれないが、明確に「これ」と強制的に流されることが極端に少ない。

ひとたびストーリーが進めば大筋の流れはあるが、それ以外が自由なのだ。

いつまででも遊べる、とまで言い切れば語弊はある。
浸れる、という感覚に近いかもしれない。

メインのストーリーは、ある。
が、それは横に置いても日がな過ごせる。

狩りをし、たき火を焚いて肉を焼き、星明りの下で眠る。
数日過ごして街に下り、良質の毛皮を売り払って稼いだ金で風呂を借りる。髭を剃って身なりを整え、また山に戻る。

合間に駅馬車を襲ったり、夜道を行く旅行者から金品を奪うこともできる。

どうやらストーリーに日付の限りがない。
もう少し言えば、ストーリーを進めれば予定が進むという感じか。
陽は昇り、沈む。
時間の概念は、ある。が、月日とは別の次元にある。

そんなふうに過ごしていると「見知らぬ人」に出会うことがある。

何かに困っていたり、助けを求められたりする。

話を聞き、希望を叶える。
お礼にと金品を貰うこともあれば、貴重な情報を得られることもある。

その場で終わる事もあれば、後日に続くというのもある。

インチキ臭い電気工学博士(?)の実験を手伝ったり、街を離れて暮らしている未亡人に狩りを教えたり、フランス画家を大西洋に逃がしたり。

耳を傾ければ、彼らなりの事情があり、人生がある。

たとえば、今や未亡人となったシャーロットは、墓前に跪き、打ち拉がれていた。見かけた主人公が声をかける。
ご主人が熊に襲われ、逃げ延びたものの満足な薬もなく亡くなったという。
夫婦は都会暮らしに嫌気がさして街のはずれに家を建てたものの、食べ物を得る術すら知らず途方に暮れていた矢先の不幸だという。
何とも無計画な話だが、聞いた以上はと狩りの手本を見せることになった。

野兎を撃ち、シャーロットに皮をはぐように教える。
慣れないながらも皮をはぎ、彼女は野兎の肉と毛皮を手に入れる。
食べ物と、売り物になる糧である。

陽が沈み、家まで送ると言うと「変な期待はしないで」と釘を刺されたり。ところが帰り道では野兎の臭いに誘われた野犬に追われる破目に。
仕方なく野犬も仕留め、無事に送り届ける。
と、彼女は申し訳なさそうに「今日はクタクタだからお茶も出せないけど、また違う日に顔を見せて」と言うのだ。

後日改めて訪ねると、今度は軒先で空き瓶を的に銃の練習をしている。が、1つも当たってはいない。

銃の取扱いを教え、空き瓶を撃ちぬいて見せる。
ついでに通りがかりの鼠も一匹。

と、前回の約束を覚えていた彼女が自宅に招いて食事をご馳走してくれる。

そんなことが、たまにある。

街で馬車を奪われた医者に泣きつかれ、馬車を取り戻したりもした。

そんなことも楽しい。

大筋だけなら48時間もあれば足りる気がする。
が、このゲームをクリアするまでの時間は70時間であったり150時間であったり、まちまちだ。
寄り道の数だけ、当たり前だが長くなる。

いくらでも楽しめる。

ついでに、この「Red Dead Redemption 2」には「Red Dead online」なる別の要素まである。ここに書いたようなことを、ほかのプレイヤーと協力し、MMOとして楽しめる。

本編を遊び尽くしてからと思っているが、今から楽しみで仕方がない。