「アラサー」を引き延ばすのは誰得なのか
四捨五入が多数派だそうで、25から34歳までというのが多数派とか。
せいぜい前後2年くらいのイメージだったんですが..というか、もう25歳からアラサーってムチャありませんか?
そもそもは『GISELe』という女性誌の中で、具体的な年齢は出さずに年齢を匂わせる表現として使われ始めた言葉だそうです。
この女性誌がターゲットにしていた年齢層ってことなので、もうシンプルに心理的な商圏を開拓すべく生み出された、新しい客層を指す言葉でした。
というのも、それまでの女性誌では比較的キッチリと年齢層を定義していた傾向もあったりして、たとえば『25ans』なんてのは典型です。
が、実際の購読者は平均年齢を30代半ばになってきたりというあたりに目を向けるようになってか、以降はスタイルでのすみ分けになっていきます。
そんな中で20代から30代への境界をあいまいにしてくれる言葉は、とにかく重宝がられたんでしょうね。いまや男女ともに使われますが、ひとむかし前まで女性を指して使われる言葉だったのも、そんな背景があってでしょう。
主には女性的な思考としてある、20代ではなくなることに対しての目に見えない外圧みたいなものを躱せる便利さから広まって、ほぼ似たような背景で横展開されるのは自然な流れでアラフォーへと派生します。
これ、つまりは中年層になることに対しての内圧をなだめるように、同じく境界をあいまいにするべく広まり、当たり前に受け入れられた感じですね。
それに続くアラフィフ、アラカンなんてのも同じ。
寄る年波への緩衝材みたいに多用され始めて、具体的な年齢は出さずに年齢を匂わせる表現だったはずが、こうなってくると十把一絡げの様相ですが。
還暦の前後数年なんて、どこ切っても同じって気がするんですけどね。
まあ、意味するところは正しくそういうことだからいいのか。
言えば「アラサー」を引き延ばしてるのは誰かって答えも、そこらへん。
ぶっちゃけサバを読むのと変わらないわけで、どこを切っても同じあたりに身を潜ませて紛れ込むみたいなもの。
いっそアラサーを名乗るのって30代になってからじゃないんだろうか。
30代になっちゃった、って心理が身を潜ませるわけ。
で、あいまいなところに紛れ込んでる間にも月日は流れます。
ドップラー効果よろしく、実際と異なる値として観測される現象を誘うのがじつはアラサーを名乗る30代の思惑なのかも。
願わくば、でウラシマ効果も狙ってたりするのかな?
そうなると、得するのって本人だけじゃないかって気がするけどね。
気を若く保てて老化が遅れる、なんて相対性はさすがにないと思います。