The title this time is"253"(reprise)
「Cyberpunk2077」はゲームメイカーのCD Projekt REDからリリースされた近未来を舞台にするサイバーパンクアクションRPGです。
IGN JAPANの”ゲームオブザイヤー2021”で1位になりました記念の5周め。
..こちらはPS4版だけどね。
さておき本作で本邦初公開となった「ブレインダンス」について。
前身にあたる”Cyberpunk2.0.2.0.”の拡張ルールにある設定でしたが、日本語訳版は出版されなかった経緯で知るひとぞ知る。
攻殻機動隊やらPSYCHO-PASSあたりが好きなら大好物のガジェットかも。
端折れば仮想現実の類でありながら「第三者の体験を記録した感覚情報から追体験する」もので、さらに元情報は「本人の自覚を問わず、すべての感覚情報を記録している」あたりがキモになります。
まず、当たり前に流通しているブレインダンスのソフトは娯楽の範囲で調整されているものが多く、いまで言う仮想現実の上位互換です。
視覚のほかにも感覚情報を再生するので「殴られた」を追体験することで、「痛い」のほか、アドレナリンの分泌などから興奮が再現されたり疑似的な感情までを追体験します。反面、追体験の範囲は記録されたものを越えないため自由に振舞えるコンテンツでもありません。
まあ、結果どんなジャンルが金を生むかは推して知るべし。
通信インフラに直接接続できるインタフェースの埋め込みが一般化しているこの世界では、没入型コンテンツもヘッドセット1つで事足りるお手軽さ。
ところで、ブレインダンスの元情報は実際の感覚情報を記録したもの。
悶絶級激辛カレーを万人受けに調整して、楽しめる激辛カレーの刺激に抑えながら、発汗や食べ終えたときの達成感は悶絶級のままを残す編集を経て「悶絶級激辛カレーを食す!」なんて商品化されるわけ。
何せ未調整のものは純度の高い情報濃度なので、素人には危険だとか。
過去には動物愛護団体が解体される牛の感情記録を人気ソフトにすり替えて流通させ、解体される牛の感情記録そのままを追体験したショック状態から死に至った被害者が出たなんていう事件も。
ほかには、ただ椅子に座った女性が延々と鏡に映った自分を見続けるだけのものにマルウェアが仕込まれていて、外部からの強制停止がなければ肉体が腐り果てて死にゆくまでを強制的に体験させられる恐ろしいものまで。
そんな元情報を編集するには、それなりの技術やツールも必要ということでブレインダンスの編集者はそれなりの技能職。
先ほどから登場している、少しばかりタトゥー過多な女性はジュディ・アルヴァレスで、かなり腕のある編集者でもあります。
待ち合わせまでエヴリンが並んで飲んでいた相手ですね。
彼女からブレインダンス編集のレクチャーを受けると、ただ追体験するだけではなく、編集過程では全ての感情情報を客観視できることがわかります。
たとえば「何かが飛んできて頭にぶつかる」ブレインダンスの元情報には、「ボールが飛んできて額に当たった」体験があったとします。
このとき本人も自覚していない情報でさえ、知覚していればすべて元情報に記録されているとした設定の秀逸さ。
五感で得た情報すべてを保持するので、視覚情報を一時停止して拡大したら野球の球と知れたり。当人がボールとしか認識していなかったのに、です。
この、本人さえ知り得ない情報をも客観視できるメリットには..と、ここから本題だったりしますが長くなってしまうので次回にしましょう。
掲題の「253」についても今度こそ。