Schismatrix.
「Cyberpunk2077」はゲームメイカーのCD Projekt REDからリリースされた近未来を舞台にするサイバーパンクアクションRPGです。
IGN JAPANの”ゲームオブザイヤー2021”にノミネートされた記念で、5周め。
多国籍企業をクビになって傭兵稼業を始め、生体部品を抜き取られた亡骸になる前に目的の人物を無事に救出..が前回まで。
助け出したのはサンドラ・ドーセットという女性で、生存確認のために直接接続した際に不要なデータまで受け取ってしまったのか調子の悪い翌日。
相棒ジャッキーの勧めで、ドクターに診てもらうことに。
本タイトルの前身でもある”Cyberpunk2.0.2.0.”にあった役割に、メドテクと称されていたものがあります。
医療技術の専門家とされ、ファンタジー系でいう回復役です。
「医療+技術」でメドテクだったのかな。
57年後になるCyberpunk2077では技術革新も進んでか、義体化も当たり前になっていて、すれ違うひとを見渡しても生身は少ないくらい。
通信インフラへの直接接続が暮らしにも欠かせなくなっているので、当然と言えば当然か。
需要が増え、処置も変わってか、この世界では”リパードク”と呼ばれます。
ヴィクター・ベクターは経験豊富なリパードクで、ジャッキーとは所属のボクシングジムが同じ友人で、その友人になる”V”とも顔見知り。
診てもらうついで、つぎの仕事に向けて少しばかり”強化”したいと伝えるとあれこれと融通のうえ、お代の20,000ユーロドルまでツケ払いに。
この世界の貨幣単位は通称”エディー”とも呼ばれていて、仮想通貨でもあるのか情報端末から手に入れることも出来ます。
表記は「€$」で、なんとなく勢力図も垣間見えます。
これまで4周のプレイから体感で1€$=¥100くらいの印象。
つまり200万円をツケ払いにしてくれる気前の良さ。
まったくジャッキーに負けず劣らずのお人好しっぷりに呆れます。
強制でもないサブクエストで、この「ツケを払う」が発生するので心があるなら返済しましょう。
メインのクエストしかやらない、でもなければ貯まるので。
このタイトルは、いっそサブクエストがキモというくらいに雰囲気あるものばかりなので、どんどん寄り道するのをお勧めします。
と、少しばかり”強化”したいと考えた動機になる「つぎの仕事」ですが。
せいぜい面識があるくらいだった顔役のひとり、デクスター・ショーンから直々の請負仕事をもらえることになって、というもの。
前身の”Cyberpunk2.0.2.0.”では単に裏取引専門のブローカーという役割の1つでしたが、すっかり傭兵家業には欠かせない上級職の扱いになっています。
2年ほど姿を隠していたらしいデクスター・ショーンですが、ナイトシティでも指折りの顔役で、ジャッキー曰く「これでメジャー入り」だとか。
そんなわけでメジャーに見合う”強化”がしたかった、と。
もしかしたら20,000€$のツケ払いは、事なく終えて欲しいというヴィクターなりの後押しだったのかも。
ネタバレと言うほどでもないとは思いますが、ボクシングのチャンピオンと戦うことになるサブクエストではセコンドについてくれたり、こと在るごと目をかけてくれるお人好しっぷりはアップデートにも反映されて、無料DLCとして彼から「もう着なくなったジャケット」を譲り受けるなんてのも。
最後の、まさかエンドロールでまでお人好しがにじみ出るヴィクターさん。
なかなか愛すべきキャラクターです。
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掲題「スキズマトリックス」は、ウィリアム・ギブスンと並び称されるサイバーパンクSFの旗頭、ブルース・スターリングの傑作。
ギブスンより作品がSF的と評して本作を挙げる方も多いですね。
前回はサイバーパンクの先駆とされるジェイムズ・ティプトリー・Jr.の「接続された女」を掲題にしていたり。
彼女(そう、彼女なのだ!)といえば「たったひとつの冴えたやりかた」が有名ですが、実はサイバーパンクのジャンルでも人気があります。
で、その前は有名すぎるのでタイトルをもじってありますが。
なんとなく内容とつながるイメージの、サイバーパンク小説の名作たち。
いつまでできるか、なんて考えつつ続きは次回にしましょう。