【シナリオ通過者向け】MURDER's SALON RIPPERプロトタイプと余談
シナリオ通過者のみ下へお進みください。
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黒崎化燐です。
この記事を読んでくださった皆様、「MURDER's SALON RIPPER」をプレイしてくださりありがとうございます。
テストプレイ参加の皆様、そして三角さんかく氏のご協力にも感謝です。
初めて本格(?)ミステリを書きましたので、公開に際し、かなり緊張しました。
このシナリオは2023年1月30日に案出しを始め、公開が同5月6日という、長期にわたりアイデアを温めていたものです。
ですのでこの公開の折に、この作品の原型(プロトタイプ)を皆様にご紹介しようかと思います。
1 着想
天使禁猟区などの著作で有名な由貴香織里先生の「伯爵カインシリーズ」。天使禁猟区とともに私の人生に大きな影響を与えた作品です。
この作品の雰囲気がすごく好きで、マダミスを書き始めたとき、いつかこんな作品を書きたいと思っておりました。
数作のマダミスをウズでリリースしたある日、今こそ「伯爵カインシリーズ」みたいなマダミスが書きたいなあ、と思いました。イギリスのきらびやかな雰囲気、越えられない壁である身分制度、毒、死体、人々の思惑……。そんなものを押し出した作品を書いてみようと、壁打ちを始めます。
2 初投稿
朝思いついてすぐに投稿したのが時間から察せられます。基本的にアイデアはボツにしようがしまいが、GoogleDocumentかDiscordに入力することにしています。
これはシナリオ冒頭ですね。世界観は概ね出来上がっています。ただトリックの都合上、後で念のため時代を十年ずらしています。
そして殺されたのはヨハネだったんです。なんで変えたのかは自分でもわかりません。
3 登場人物
なんと初期は五人シナリオ、しかも殺人エアプ勢が居ました。彼についてはタイムライン作成時に殺人エアプはやだなーと思い、そのままフェードアウトしてしまいます。
また殺人サロンではなく倶楽部になっているのですが、サロンのほうがイギリスっぽいという理由でサロンに統一します。
殺人方法が今と違っている者もいますが、何らかの手違いだと思います。あとバルトロマイはテスプ時に「言いにくい」と言われたので、ペテロが名前だけ復活したという流れです。
4 トリック
トリックについて、「なんとか死亡時刻をずらせないものか」と考えました。そもそも殺人サロンを舞台にしたのは、警察官を呼べないという、疑似的な孤島シチュエーションを作りたかったからなんです。潜入捜査しているという設定も同じです。あまり死亡推定時刻をはっきりさせたくなかったんです。
そこで死亡推定時刻を判断するのは血が固まっているかくらいだろうと思ったので「血液を凝固させない方法」を調べました。
厳密に言えば体表温などでもざっくり分かりますし、直腸温ではもっと正確にわかるのですが、検死官は居ないし、6月って暑いし……いいか……イギリスの6月知らんけど……と血液で死亡推定時刻を推定することにしました。
そして検索した結果がこちらです。
クエン酸ナトリウムだってー!よし、メインのトリックはこれにしよう、と思いました。初めてクエン酸ナトリウムによる献血が行われたのが1914年なので、余裕を持って舞台は1930年代にしました。
また、屋敷の構造について元となったものは以下のお屋敷です。
このウィキのなかに今回のモデルとなった邸宅があります。だいぶ簡素にしましたが……。
5 余談
ここに至るまで全てが余談といえば余談なのですが、各登場人物について述べて行きたいと思います。
イアコフ
妻帯者で不倫しているクズ、ですが上流階級なのできっと政略結婚だったのでしょう。サロン主催者に選ばれる程度には人望はあったようです。件のカントリーハウスは、サロンのためと、フィリポとの密会のために、奥様に内緒で購入したようです。
フィリポ
毒殺といえば女の嗜みという先入観で生まれました。イアコフが死んだことに悲しみつつ、シナリオの根幹の証拠品を発見します。この薬について詳しく述べるかどうかはPL判断としています。述べれば犯人特定の手がかりに、述べなければ自分の職業(看護婦)を隠すことに繋がります。
トマス
銃殺が刑事だと面白くないため、急遽銃殺をすることにしました。記者としてはそのへんの警察官より有能なようで、サロンの主催者の正体を警察より早く暴きます。
毒殺を流儀とするフィリポに恋をしたため、自身も毒や薬物について調べ、今回の殺害方法を思いついたのでしょう。
イアコフさえいなければ、フィリポが自分に振り向くという根拠のない妄執に取りつかれていますが、フィリポは彼の話をろくに聞かないくらいに無関心ですので、当然振られます。不憫。
ペテロ
最初はバルトロマイという名前でした。読みにくいのでペテロに変更。
彼が死体を発見した事を言うと犯行時刻を絞り込むことができますが、同時に犯人だと思われる可能性もあり、ロールプレイが難しいキャラクターです。
反面、絵に関する蘊蓄を話し続け、スケッチまでして素性を隠す気があまり無さそうな上に、死体からちょろまかした金を元手にして、さらに賭けビリヤードで金を増やそうとする、能天気なキャラクターでもあります。
ヨハネ
潜入捜査している警察官だが闇堕ちしかかっている。探偵役と見せかけて闇落ちエンドが二つあるというキャラクターです。結構大胆に捜査していますね。
この人の情報と、フィリポかペテロの情報があって、犯行時刻がひっくり返ります。
かなり濡れ衣を着せられやすいキャラクターです。闇堕ち好きなので……深淵を覗く者エンドが一番私好みですね。
サロン RIPPERについて。
最初名前をJACKにしようかと思ったのですが、トランプとかハイジャックとかも連想するのでRIPPERとしました。
初代主催者は、かの有名な切り裂きジャック、という設定です。警察に追われたり、今回のような事が起こるたびに、主催者を変え、場所を変え続いてきました。主催者は重んじられますが、居なくなってもお茶会は続く……イメージとしてはHUNTER×HUNTERの幻影旅団ですね。
裏設定としておくつもりですが、テストプレイ参加者さんのアドバイスで、同票エンドと真相テキストにちらりと書きました。より作品がかっこよくなりました!ありがとうございます。
以上がプロトタイプと余談です。長くなりましたが、読んでくださりありがとうございます。
そして繰り返しになりますが、プレイしていただきありがとうございました!
そのうちまた本格(?)推理モノかつ、プレイ時間2時間超えのものを書こうと企てていますので、よろしくお願いします。
黒崎化燐