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【旅行】仙台苫小牧ドンブラコ −2− 仙台駅で大いに迷う

2024年8月12日の朝に仙台駅前にバスが到着し、まずは仙台駅前を歩き回ることになる。
仙台駅はなるほど百万都市の玄関口だけあって巨大で立体的で、私のような田舎者にはこういうアーバンな立体的空間が結構こたえる。
というのは、どこに行っても迷わずにちゃんと生きて帰って来れることを普段標榜している私が、その能力を発揮するための要素を絶たれてしまうからで、私は外を歩いている限り常に北がどちらかを把握し方向を変えるたびにちゃんと脳内で補正しているのだが、これはどうやら空が見えていることが条件であるからのようだ。
太陽が見えていなくともなんとなく北がどちらかはわかるし、夜だろうが曇りだろうがひどく方向を誤ることはないのだけれど、一旦建物の中に入るとその能力は失われてしまう。
またエスカレーターや空中回廊などで複雑に構成された施設などでは、基準となる高さが地面の高さとは限らないこともあり、A地点から高さの異なるB地点に行くには単純に地図上での最適経路を求めればいいというような単純な話ではなくなることから、福井では存分に威力を発揮していた動物的カンという奴がまるで機能しなくなるのだ。
そういうわけで、私は中国時代に香港や深圳の近未来空間というやつが大の苦手だったのだけれど、久々にそういうことを体験することになった。

昼頃に東京からやってくる親族と合流するために、tekuteという仙台駅構内にある食事ができる一角に向かうのだが、これは大変手こずった。
地図で見ると仙台駅1階の北の端にあるので、そのまま北に移動して下に降りればいいと思っていたのだが(ちょうど我々は2階にいた)、ちょうどtekuteの上空と思しきところからは真下に移動するためのものがない。
2階から1階に降りることができないなんてことは想像もしていなかったが、仙台駅はその周囲の建物と空中回廊で繋がっているので、隣接する建物から下に降りればよいと思い、パルコの店内に入ってから1階に降りて南東側の出口で出ればすぐだと思って移動すると、なんとパルコの1階は仙台駅と隣接する方向には開口部がなく、表まで回ってから再び駅方向に引き返すということになる。
なんということだ、地図上ではほんの十数メートル程度の移動のはずだったものが、数百メートルを彷徨う冒険になってしまった。
田舎では絶大な威力を発揮するグーグルさんマップだが、さすがに建物の中の複雑な構造までは知らなかったらしい。
そういえば最近見た立体的で複雑怪奇な都市で知られる重慶観光の動画だと、「ナビゲーションは単なる参考で、実際には人に聞け」と言っていたが、つまりはそういうものか。
つくづく私は都会との相性が良くないらしい。

ようやくたどり着いたtekute
本当は駅の1階から移動すればすぐ着くことがのちに分かった
店内の金魚ねぷた

tekuteで親族一行と合流し、3時にチェックインを予定している宿へと移動する。
2泊するのはホテルではなく、3世帯が気楽に過ごせるようairbnbで申し込んだ民泊で、今回は隣り合ったマンションの2部屋だ。
駅前から歩いて15分ほどの位置にあり、目の前が警察署なので治安はいいに違いない。
こういう物件のいいところは、ホテルと違って普通に生活するための要素が全て揃っているので選択や調理もでき、自由度の高い過ごし方ができる点だ。
風呂や便所もホテルのように誰かが入っていたら使用が制限されるというものではなく、ちゃんと分離独立なので安心だ。
また広いリビングが利用できるので、ホテルで言うならスイートのような使い方ができる点が今回のような用途に向いており、3世帯の団欒のようなことが快適に楽しめる。

外見は普通のマンション
朝食も自分で好きなように用意
2LDKを2室借りた

仙台ではここに2泊することになる。
警察もレンタカー屋も近くて何よりなのだが、街の真ん中すぎて気軽に買い物ができるスーパーが近所にないのがちと不便、まあ都会に住むと言うのはこういうことなのかもしれないな。
ホテルの売り文句では「わが家に帰ったように」という形容があるが、ここは元々が文字通り一般家屋なので、言うなれば別荘みたいなものだ。
人数が多い時はやはりこういう物件に限るもんだ。

つづく

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