「2分考えれば済むことを、みんな大げさに考えすぎだよ」
金井真紀・広岡裕児『パリのすてきなおじさん』という本を読んでいます。
パリの無印良品(MUJI)で働くセバスチャン・ドダールさんというおじさんについて、こんなお話がでてきました。
「ぼくは人生をシンプルに考える」
とセバさん。
「2分考えれば済むことを、みんな大げさに考えすぎだよ」
服を選ぶときに限らず、多くの人はいつもあれこれ迷ったり、どうでもいいことをぐちゃぐちゃ悩んだり、小さな出来事をドラマティックに捉えたがったりする。そんなの時間の無駄だとセバさんは言うのである。
「もともとそう考えていたんだけど、2015年のパリの同時多発テロを経験して、ますますそう思うようになったよ」
人生には予想外のことが起きる。そして限りがある。だからこそ、本質的なことだけに目を向けるべきだ。考えすぎず、シンプルに。
長時間グダグダと考えることは、あまり楽しいものではありません。
そういう時は、「考える」ではなく、「迷う」「悩む」といった状態になっています。大げさに考えたり、わざわざ難しくしたり、物事を複雑にしたり。
答えを出せる問題なら、さっさと考えて、さっさと答えを出す。
答えを出せない、考えたってしょうがない問題なら、いちいち考えない。
考える・考えないの判断も、シンプルに行なっていった方がいいですね。
考えるべきことなのか、考えたってしょうがないことなのかを、きちんと判別する必要があります。
「考えたってしょうがないこと」は、たぶんこの3つです。
・過去のこと
・未来のこと
・他人のこと
過去のことは、当然変えることはできません。
また、未来や他人は、自分の思い通り、予想通りにはいきません。
「考えるべきこと」、セバさんの言う”本質的なこと”というのは、
・今、自分は、上機嫌か
・今、自分は、満足感を得られているか
・今、自分は、気持ちよく過ごせているか
こういった、現在、自分に関することなのではないかと思います。
今どうするか、今をどう楽しむかをさっさと考え、実行する方が、本質的な時間の使い方だと思います。
まあ、キャリアプランとか、自己実現といった”未来”の事柄について考えるのもいいですが、それも”今の自分”に目を向けた後の方がいいでしょう。
今の自分を観察、受容することなしに未来について考えれば、迷い、悩みを生み出すだけです。
せっかくの”今”を、過去や未来、他人のことを考えて無駄にしたら、もったいないですよね。